待っていました、「山鹿灯籠まつり」
- 2023年08月10日
暗闇の中に輝く灯籠。
地元の民謡に合わせて舞う優雅な姿。
コロナ禍を乗り越えて4年ぶりに。
待ちわびたその日まで、あと少しです。
(熊本放送局 県北支局 嶋村ひとみ)
4年ぶりの千人灯籠踊りに向けて
「4年ぶりの開催なので、みんな心待ちにしていると思います。熱意、パワー、全身全霊を、準備にぶつけているところです」
語るのは、山鹿市観光課主事の反後克彬さん。
8月8日、地元の小学校に集まったのは、反後さんたち市役所の職員や地元の人たちおよそ10人。
行ったのは、15日からの「山鹿灯籠まつり」、最大の呼び物、「千人灯籠踊り」で踊り手が掲げる「金灯籠」の準備だ。
ことしは、4年ぶりに通常規模での開催が予定されていて、準備を進める人たちの間には、高揚感が漂っていた。
歴史長き「山鹿灯籠」
和紙と糊だけで作られる市の伝統工芸品「山鹿灯籠」。
市によると、起源は、第12代景行天皇のご巡幸を松明を掲げて迎えたことに由来するという。
以来、神社に天皇をまつり、毎年、灯火を献上するようになったのが始まりとされる。
室町時代、紙製の金灯籠に姿を変え、その後、金灯籠を掲げた女性が舞い踊る「山鹿灯籠踊り」が誕生。
祭りの代名詞、「千人灯籠踊り」が生まれた。
幻想的な空間を
例年、2日間にわたって開かれる「山鹿灯籠まつり」には、コロナの感染拡大が始まるまで、県内外から15万人を超える人たちが訪れてきた。
地元の民謡「よへほ節」にあわせ、ゆっくりと歩を進めながら優雅に舞う「千人灯籠踊り」の踊り手たち。
幾重の灯ろうが暗闇に輝く様に多くの人が魅了される。
その幻想的な空間を楽しんでもらいたいと集まった人たちは念入りに準備を進めていた。
灯籠を箱から慎重に取り出し、壊れたり汚れたりしていないかを1つ1つ確認。
灯籠と頭を固定するためのあごひもを結んでいった。
4年ぶりの開催に向け、思いがこもる「山鹿灯籠まつり」。
開かれるのは、8月15日、16日の2日間で、初日の午後3時から午後8時までは、「金灯籠」が 山鹿小学校の体育館で一般公開され、16日の夜に 「千人灯籠踊り」が披露される。
(反後克彬さん)
「みなさんとともに、僕たちも楽しみにしています。訪れる人たちに喜んでもらえる祭りにしたい」