海援隊の石田英吉の書簡が安田町で見つかる
- 2024年05月20日
幕末の志士、坂本龍馬が立ち上げた貿易結社「海援隊」に所属した石田英吉が家族にあてた書簡が、高知県安田町で見つかりました。専門家は、石田のプライベートがうかがえる貴重な資料だとしています。(NHK高知 野本宗一郎)
海援隊士から高知県知事に
石田英吉は幕末の志士、坂本龍馬が立ち上げた貿易結社「海援隊」に所属し、のちに12代目の高知県知事を務めた人物で高知県安田町に生家があります。
ふすまから新発見
ことし3月、現代龍馬学会の今井章博理事が生家にあった倉庫を調査したところ、ふすまの内側から、14点の書簡などを見つけました。
家族思いの石田英吉
このうち、1875年、明治8年に石田が弟と父に送った書簡では、東京で天然痘が流行し、娘はすでにワクチンの接種を2回受けているとつづり、弟の娘にも接種を勧めていたことがうかがえます。
また、その8年後の明治16年に石田が長崎県知事として赴任した際に、弟に送った書簡では、父のために、白鳥の毛を織り込んだ木綿を羽織に仕立ててほしいと記しています。
このほか、明治18年に父に宛てた書簡では、勲章を身に付け、儀式用の礼服である大礼服を着た写真を送るということが書かれています。
安田町の宝に
調査にあたった今井理事は、石田が家族に宛てたものが多くあり、家族思いだった石田のプライベートがうかがえる貴重な資料だとしています。
まさか大事な書簡がふすまから出てくるとは思わず、興奮しました。見つかった安田町の宝を今後詳しく調査していきたい。(今井理事)
歴史ロマンを感じて
今回発見された書簡の中には、まだ内容が確認できていないものもあるということで、今後の調査で石田英吉などが所属した海援隊の新たな秘話が明らかになる可能性もあります。今後の発表を楽しみにしたいです(NHK高知 野本宗一郎)