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思いつないで空高く ~高知 四万十川~

50年つながれてきたこいのぼり
  • 2024年05月09日

今や日本各地で行われているこいのぼりの川渡し。
高知県四万十町十川地区は「こいのぼりの川渡し発祥の地」と言われています。
1974年、四万十川に初めてこいのぼりがかかり、ことしで50年の節目を迎えました。
(NHK高知放送局 技術 村山裕美)

こいのぼりの川渡しの始まり

川渡しが始まったのは1974年。
地元のスポーツ少年団たちの家であげてもらえなくなったこいのぼりを、十川体育会のメンバーたちが四万十川にかけてあげたのが最初です。
当初はこいのぼりの数も少なかったため、今とは違う場所にかかっていました。
そこから徐々に規模が大きくなり、全国各地からこいのぼりが寄付されてくるようになりました。

1980年代のこいのぼりの川渡し
メッセージが書かれたこいのぼりが送られてくることも

海外に広まったこいのぼりの川渡し

50年の歴史の中で、十川のこいのぼりの川渡しの技術がナイアガラ川に渡ったことがあります。
平成9年、アメリカから十川に来日していたALT(外国語指導助手)の先生がこいのぼりの川渡しを見て、ナイアガラ川でも渡したいと思ったことがきっかけだそうです。ことしは当時ナイアガラ川を渡ったこいのぼりが、時を経て十川に里帰りしました。

ナイアガラから里帰りしたこいのぼり

十川のこいのぼりを後世に残したい

こいのぼり川渡しの準備は十川体育会メンバー中心に地域一体となり行われています。
毎年、四万十川にこいのぼりをかけるワイヤーを渡すところからはじまります。
ワイヤーを渡すために近年はドローンを使用しますが、始まった当初は舟で対岸にワイヤーを渡していたそうです。

滑車を利用しワイヤーを渡していく
ワイヤーはこいのぼりの川渡しの生命線

近年、体育会メンバーは世代交代しています。50年にわたって中心となって携わってきた世代から、こいのぼりを見て育ってきた次の世代へと技術が引き継がれています。取材・ロケをしていく中で、「十川のこいのぼりを後世に残したい」という思いがどの世代の方々からも伝わってきました。

四万十川に渡ったこいのぼり

晴天の中、ことしもこいのぼりが四万十川に渡りました。壮大な四万十川の上空に泳ぐこいのぼりは圧巻です。
こいのぼりの頭が川の上流を向いて泳ぐか、下流を向いているかで次の日の天気がわかるとか...
地元の方々ならではのこいのぼりの見方を教えていただきました。
四万十川に渡ったこいのぼりは様々な場所から見られます。こいのぼりを下から見上げるもよし、山にある展望台より上から見るのもよし、川と一緒に見たいという方は国道沿いからも見ることができます。

四万十川にかかるこいのぼり

今回取材する中で、地元の方々にたくさんのご協力をいただきました。ありがとうございました。
取材を重ねていく上で、50年続けることの大変さを感じるとともに、十川の発展を願う地域の人たちの温かさを感じました。
たくさんの思いが込められたこいのぼりの川渡しがずっと続くことを願っています。

※こいのぼりの川渡しは5/11(土)まで行われています。
 

  • 村山裕美

    NHK高知放送局 技術

    村山裕美

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