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高知市が石川県輪島市にトイレトレーラー派遣 能登半島地震

  • 2024年01月22日

能登半島地震の被災地、石川県では断水が続き、「トイレの問題」が深刻となる中、高知市が移動式の水洗トイレを搭載した「トイレトレーラー」を派遣しました。
(高知放送局 記者  野本宗一郎)

高知市の「トイレトレーラー」

1月10日、高知市役所前で「トイレトレーラー」の出発式が行われました。

 

高知市役所で行われた出発式

「被災した人が多くの不安を抱えている中、トイレトレーラーを派遣することで希望の光が見えてくると思う。いち早く設置し、無事に帰ってきてほしい」(桑名市長)

「トイレトレーラー」は洋式の水洗トイレ4基を搭載。太陽光発電を設置していることから、停電の地域でも利用でき、1200回から1500回利用可能ということです。

高知市は大規模災害に備えて、おととし4月に「トイレトレーラー」を導入。今回の能登半島地震で大きな被害を受けた石川県では停電や断水が続き、トイレが不足していることから今回、派遣されることになり、輪島市の病院に設置されました。

「輪島市は避難所の環境が整っておらず、特にトイレに困っていると聞いているので、このトイレトレーラーで少しでも役に立ちたい」(高知市防災政策課 大野賢信係長)

トイレトレーラーは全国から被災地へ派遣

高知市から輪島市への「トイレトレーラー」の派遣は、一般社団法人「助けあいジャパン」の要請がきっかけでした。「助けあいジャパン」は、「トイレトレーラー」を全国の自治体に広げる取り組みを行っていて、災害時には「トイレトレーラー」を被災地に派遣する協定を結んでいます。

被災地では仮設のトイレの設置が進んでいますが、断水が続き、避難所や自宅などでは水洗トイレが使えないところが多くあります。このため、「トイレトレーラー」を派遣できないかという相談が相次いで寄せられているということです。これまでに協定を結んでいる全国の自治体から16台のトイレトレーラーが石川県に派遣されています。(1月16日時点)

輪島市に設置された高知市の「トイレトレーラー」(画像提供:高知市)

深刻な「トイレ問題」

石川県では水道の復旧の見通しが立たない中、水を流せないトイレにし尿がたまって、衛生環境の悪化も懸念されています。高知県で南海トラフ巨大地震が起きた場合にも同じような事態が起きることも想定され、食糧の備蓄だけでなく、「トイレの問題」にも真剣に向き合う必要がありそうです。

  • 野本宗一郎

    NHK高知放送局

    野本宗一郎

    2020年入局
    能登半島地震発生から1か月のタイミングで、石川県で取材予定

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