イチから分かる!新NISAって何?
- 2024年04月10日
最近よく聞く「新NISA」。投資の経験や知識が少なく、不安に思う人もいるのではないのでしょうか。これまでとどう違うのか。担当記者がイチから解説します!(高知放送局 記者 中川聖太)
そもそもNISAって何?
「NISA」とは、個人の資産運用を後押しするための優遇税制のことで、ことしから「新NISA」として拡充されました。そもそもNISAとはどんな制度なのか。
個人が株式や投資信託などに投資をした時に出る利益にはおよそ20%の税金がかかります。
例えば、100万円投資をして10万円の利益を得られたとします。
通常であれば、利益にはおよそ20%の税金がかかるので、手元に残る利益はおよそ8万円になってしまいます。これがNISAの制度では、税金がかからないため利益は10万円となります。
新NISAで何が変わったの?
新NISAには、大きく分けて2つのポイントがあります。
1つ目は、「無期限」です。
以前のNISAは、「一般NISA」と「つみたてNISA」の2種類があって、それぞれ非課税で保有できる期間も決まっていましたが、これが無期限となりました。
つまり、より長い期間、新NISAを活用して資産運用ができるようになったのです。
そしてポイントの2つ目が「枠の拡大」です。
年間いくらまで投資できるのか、その限度額ですが、これまでつみたて型が年間40万円、一般型が年間120万円だったのが、それぞれ名称も変わって120万円、240万円に増額。さらに併用も可能となって、合計で年間360万円になりました。非課税で保有できる合計の限度額も1800万円になりました。
NISAへの関心度は?
ことし2月、高知市で企業の従業員を対象にした新NISAのセミナーが開かれました。主催した銀行では、新NISAへの投資額が2024年2月は去年の同じ時期と比べて3倍以上に増えました。新制度によって投資への関心が高まる中、自ら取引先の企業を訪問して制度の変更点や活用方法を説明していました。
(参加した女性社員)
今後お金の価値が落ちていくというので、そうなったら今あるお金がどんどん減っていったらすごく心配なので、やってみてもいいかなとは思いました。
(参加した男性社員)
ただ持っておくだけではダメだというのは非常に勉強になりましたね。
(四国銀行 ファイナンシャルアドバイザー部 堀内隆利 部長)
新NISAに対する関心がかつてない高まりだというのは去年12月ぐらいからものすごく感じています。何気ない会話の中に「NISA使ったほうがいいよ」とか、「どんなもの買っているの」とか、こういう世間話の中にそういう言葉が入ってきたっていうのがものすごい変化だと思います。
新NISAを始めるには?
NISAを始めるには、まずNISAのための口座を開設する必要があります。口座は地方銀行のほか最近はネット証券の利用も増えてきています。
やはりみなさん気になるのが利益を出せるのかどうかですが、あくまでNISAは、投資なので必ず利益が出るというものではなく、元本割れのリスクがあります。
(ファイナンシャルプランナーCFP 堀口高寛さん)
価格変動リスクが大きく伴いますので、当然常にもうかるわけではないと必ず認識する必要があります。また、アメリカを中心とした投資信託が人気となっていますから、そこには当然為替リスクがあります。今はかなり円安方向ですから、これが円高に振れた時にはかなり資産が減少する可能性があります。
リスクを減らすためには?
完全にリスクをなくすことはできませんが、堀口さんに聞いたところ、「長期・積み立て・分散」がポイントになるということです。言いかえると、「1つの銘柄や金融商品を一気に大量に買う」のを避けるということです。
生活資金を除いて、どの程度の余裕があるかや、許容できるリスクを踏まえて、どのように資産を運用するのか。1人1人が金融リテラシーをいかに高めていくかが大切だと思います。