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まだまだ楽しめる『らんまん』の世界!牧野植物園のみどころ

  • 2024年02月15日

連続テレビ小説『らんまん』で神木隆之介さんが演じた主人公・槙野万太郎。モデルは高知県出身の植物学者・牧野富太郎博士です。
その業績を記念して設置された高知県立牧野植物園には多くの人が訪れていて、今年度の入園者数は40万人を超え、過去最多だった昨年度の2倍近くに達しています。
早春のみどころを広報の橋本渉さんにたっぷり聞きました。

『らんまん』効果 バイカオウレンを見る人でにぎわう

県立牧野植物園 広報 橋本渉さん

【橋本さん】
ドラマに登場した植物の中でもひときわ象徴的だった「バイカオウレン」は、植物園で例年より早い11月下旬に咲き始めました。
最盛期は1月いっぱいだったんですが、ことしは非常に花付きが良く、まだまだかれんな花をごらんいただける状態です。
今回は『らんまん』放送後初めての開花とあって、やっぱり皆さん、回廊の群落のそばで足を止めてごらんになっていますね。
「万ちゃんのお母さんが好きやった花やね」という声でいつもにぎわっています。

バイカオウレンはこんな植物

バイカオウレン

【橋本さん】
バイカオウレンは1.5センチほどの純白の花を咲かせます。一般に花びらだと思われているものは、実は「ガク」という花びらの外側にある器官。花びらは中心部分にあるゴマの半分より小さいサイズの黄色い部分です。
ぜひ顔を近づけてじっくりと観察してみてください。

【橋本さん】
バイカオウレンは高知県佐川町にある牧野博士の生家の近所に自生していて、博士にとって幼いころから身近な植物のひとつでした。
東京・練馬区の自宅で過ごしていた晩年、病床に伏していた博士のもとに高知からの見舞客がバイカオウレンの苗を持って行ったところ、ほおにこすりつけて喜んだとされています。博士にとってふるさと高知を思い起こさせる植物だったようです。
そんなエピソードからバイカオウレンの葉っぱが牧野植物園のロゴマークとなっています。

 

左にバイカオウレンの葉をデザイン 画像提供・県立牧野植物園

【橋本さん】
花はまだ咲いていますが(2月14日現在)、少しでもたくさんの花をきれいな状態でごらんになりたい方は、できるだけお早目にお越しいただくのをおすすめします。
そのほか、まさに節分のころから咲くセツブンソウやフクジュソウ、ユキワリイチゲなどが開花してきました。バイカオウレンも含めて実はすべて同じキンポウゲ科の仲間なのですが、どの植物もファンが多い、とてもかわいらしい花です。

博士を深く知る ドラマのあのシーンも!

【橋本さん】
県立牧野植物園では、企画展「牧野富太郎物語~ある植物分類学者の生涯」を開催しています。
『らんまん』に登場した植物やエピソードをちりばめながら、博士の波乱万丈な人生の軌跡を日記や研究ノート、書簡などの貴重な資料約100点とともに紹介しています。
今回ぜひ見ていただきたい資料は、牧野博士が台湾出張の際に採集した植物標本です。
博士が亡くなった年にすべての標本は東京都に寄贈され、整理も終わったとされていたのですが、昨年、東京大学内で未整理のものが新たに見つかり、その一部を園に提供していただきました。その中から今回3点を初公開しています。

【橋本さん】
ドラマの中で、ヤマザクラの植物図を天井にずらりと干しているシーンがありましたよね。
実際に『らんまん』で使用された小道具や当時の貴重な資料とともに、ドラマの長屋を再現したセットを会場の中央に設置しています。
こちらのある第2会場は写真撮影OKですので、フォトスポットとしてお楽しみください。

【橋本さん】
ドラマの万太郎と寿恵子のように、実際に寝転んで撮影されている方も大変多くいらっしゃいます。2人になったつもりで、皆さんもぜひ体験してみてください。
そのほか第2会場には、博士の植物図を多数展示しています。
みなさんは「らんまん」のオープニングに出てきた植物図、いくつあったか覚えていますか?
正解は6つ!フジツツジ、ノジギク、ヒメノボタン、ジョウロウホトトギス、カリガネソウ、ガマズミ。そのすべての植物図を一堂に展示しています。ほかにもドラマのサブタイトルになった植物図なども多数ご紹介しています(一部複製)。
博士の植物図は、資料としての価値だけでなく、芸術的な側面をあわせ持っています。
写真と違って植物図は、描く人が特に伝えたい箇所が強調されるなど、植物に対する思いまでもが感じられるものです。牧野博士が植物に注いだ熱量をそれぞれの植物図から感じていただきたいです。
企画展「牧野富太郎物語」は5月12日までです。
『らんまん』の撮影に使用された植物のレプリカも、順次入れ替えながら展示しますのでご期待ください。
今後さらに魅力あふれる展示へとなっていきます。ぜひ植物園にお越しください! 

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