ページの本文へ

こうちWEB特集

  1. NHK高知
  2. こうちWEB特集
  3. 高知『らんまん』バイカオウレンの自生地を訪ねて

高知『らんまん』バイカオウレンの自生地を訪ねて

  • 2023年05月02日

地域の魅力を高精細の映像で紹介するミニ番組
『4Koku(しこく)巡り旅 博士が愛した花 バイカオウレン~高知・佐川町~』
を見ていただけましたでしょうか?
見逃した皆様、「4Koku巡り旅」のHPで今回の放送を含めた、これまでのエピソードの短縮版動画を視聴することができます!
番組を担当したカメラマンが撮影の裏側や苦労話、そしてバイカオウレンのちょっと詳しい情報をお伝えします!(高知放送局 カメラマン 長谷川誠志郎)

まずは自己紹介とウラ話

ふだん私は技術職として撮影業務などを担当しています。
今回「4Koku巡り旅」の取材から撮影、さらに編集まで、すべて1人で行いました。

いつもはディレクターがする取材や編集を、カメラマンの私が担当することはとても貴重な経験となりました!
その分、苦労は3倍増しでしたが・・・。

撮影中の筆者 
特別に許可をもらい自生地内で撮影しました

今回、牧野富太郎博士ゆかりの植物を撮りたい!と思い取材を開始。まずはどの植物をとりあげるか考え、ネタが決まると次は取材先との撮影交渉やインタビューを行うためのスケジュールの調整をしました。さらに撮影において天気は大事な要素。ロケ日程を決めるためにも天気予報とにらめっこの日々でした。
最後は晴れてくれ!と神頼み・・・。ちなみにロケ5日間のうち、2日雨でした・・・。

雨の日のバイカオウレンの雰囲気もいいですよね

続いて撮影。自分がふだん従事している業務ですが、4Koku巡り旅は4Koku巡り旅とある通り、4Kカメラで撮影を行います。ふだん使わないカメラの操作に四苦八苦しました。
バイカオウレンの自生地は木に囲まれた場所のため、太陽の光が差し込む時間は限られています。日当たりのよい午前中が勝負ということで1分1秒も無駄にできない!と焦りに焦ったロケでした。
また、自生地までの山道を30㎏ほどの撮影機材を担いで登り、現場にたどりついた直後はへとへとで撮影どころではありませんでした。体力不足を痛感・・・。
さらに直径およそ1.5cmの小さな花バイカオウレンを撮影するために地面にはいつくばって撮影を行い、靴も服も泥と汗だらけ。雨の日はずぶ濡れになりました。

番組でも使用したタイムラプスを収録したシステム

最後に編集。自分が撮影してきた素材を5分間という放送時間に収めつつ、視聴者にどうすれば花の魅力が伝わるかを考えながら素材を切り貼りしていきます。
この時、自分が撮影したにもかかわらず「使いたい映像がない・同じような映像が多い・ピントが合っていない」と言いたいことが多すぎて、怒りの矛先をどこに向ければいいのか分からず、もんもんとしてました。
いつも編集してくれるスタッフに「ありがとう」と「ごめんなさい」を言いたくなりました。

・・・愚痴っぽくなってきたので、次の話題にいきます。

バイカオウレンと牧野博士のつながり、その魅力

バイカオウレンは、連続テレビ小説『らんまん』で主人公のモデルとなった牧野博士がこよなく愛した花といわれています。博士の生家の裏山で咲いていたバイカオウレンの光景が「博士の原風景」になったともいわれていて、もしかしたらバイカオウレンがなければ「植物分類学の父」は生まれなかったかもしれません。

取材の前は、博士はどうしてこんな小さな花が好きだったんだろう?と思っていましたが、取材を進めていくにつれて、かれんで小さな花に魅了されていきました。

取材では、自生地の整備をしている「加茂の里づくり会」メンバー、 自生地までの道を散歩コースにしている加茂地区在住の人たち、 植物好きの観光客から、多くの話を聞くことができました。撮影後、職場では取材で得た知識や魅力を語る「プチ博士」になっていました。そこで皆さんにもバイカオウレンの情報や魅力を語りたいと思います。

「プチ博士」によるバイカオウレン講座

まず、バイカオウレンは「梅花黄蓮」と書き、名の通り梅の花によく似ていることが由来です。

この梅の花によく似た花弁のように見える部分は「ガク」とよばれ、葉に近いものです。
花弁は、黄色い「蜜腺」と呼ばれる器官に変化しています。
ほんとに小さいですが、よく見てみるとスプーン状になっているのがわかります!
ちなみに「シコクバイカオウレン」という似た花はこの「蜜腺」がコップ状になっているようです。

マクロレンズという被写体を現実より大きく撮影できるレンズで撮影

また、林の下で生育するかれんな姿から「林床の妖精」と呼ばれることもあります。
たたずむその姿はまさに妖精のような美しさですよね。

筆者お気に入りのワンカット
放送では泣く泣く不使用・・・

開花時期は1月下旬から3月上旬までで、佐川町の自生地の整備をしている「加茂の里づくり会」によると、例年開花してから茎が10㎝ほどまで伸びる2月上旬から中旬あたりが見頃とのこと。『らんまん』を満喫していただいて、来年の2月ごろにぜひ1度足を運んでみてはいかがでしょうか!

  • 長谷川 誠志郎

    技術G・撮影

    長谷川 誠志郎

    花より団子派から団子より花派になりました。

ページトップに戻る