『らんまん』主人公モデルの牧野富太郎博士に憧れて植物の道へ
- 2023年06月01日
高知県では、5月29日から3日間の日程で「日本植物園協会」の年に1度の会合が開かれました。その協会で会長を務める西川綾子さんは牧野富太郎博士の大ファン。“植物の道”に進んだきっかけも、牧野博士でした。そんな西川さんに、博士への思いや『らんまん』への期待を伺いました。
(高知放送局ディレクター 石原智志)
「日本植物園協会」は、全国の植物園などが加盟し、植物園や植物に関する文化の発展などに関する活動を行っている団体で、西川さんは去年5月に会長に就任しました。57年の歴史のなかで女性が会長に就任するのは初めてのことだそうです。
牧野博士に憧れて・・・
西川さんは、小学生のときに国語の教科書で、牧野博士と出会いました。
幼い頃から草花を見るのが好きだったという西川さんは、牧野博士が植物を一途に愛し、好きなことを貫いていたことを知り、憧れを抱くようになりました。
植物学を学べる大学に進学したあとも、西川さんの博士への憧れは膨らむばかり。授業の合間に古本屋を回り、牧野博士が書いた本を買い集めました。博士をまねて、植物のスケッチもよく行っていたといいます。
西川さんは大学卒業後、植物雑誌の編集者などを経て、植物園で働き始めました。1993年からは茨城県の水戸市植物公園で園長を務め、植物文化の発展に力を尽くしています。
自身が牧野博士と出会い植物にのめり込んだように、ドラマをきっかけに、多くの人が植物に興味をもってくれることを願っていると話していました。
日本植物園協会 会長 西川綾子さん
「牧野先生は、多くの方にご指導されて植物ファンを増やされたのがすばらしいと思います。(そのなかには)研究者もいらっしゃるし、ふつうの方々もいる」
「昔、私が小学校の教科書で牧野先生と出会ったように、子どもたちが、『らんまん』で牧野先生や植物のおもしろさに出会って、植物が好きだっていうのを貫いてほしいなと思います」
取材後記
西川さんが園長を務める「水戸市植物公園」(茨城)では、訪れた人に気軽に楽しんでもらえるよう、さまざまな工夫がなされていました。植物のことを楽しそうに話す西川さんの姿は、『らんまん』の主人公・万太郎に通ずるものがあると感じました。
西川さんは、節目節目に東京・谷中にある牧野博士のお墓に足を運んでいると話していました。牧野博士が亡くなってから60年以上たっていますが、今もなお博士の植物に対する思いや生き方が多くの人に影響を与えていることを実感しました。