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『らんまん』のモデル 牧野富太郎ってどんな人?弟子が語る

  • 2023年04月05日

いよいよ今週スタートした連続テレビ小説『らんまん』。主人公 万太郎のモデルとなっているのが、高知出身の植物学者、牧野富太郎博士です。「植物は自分の恋人」と話し、植物採取にも正装して出向いたという博士の“牧野イズム”は多くの人に影響を与えてきました。
11歳で博士の弟子となった植物学者の小山鐵夫(てつお)さんにお話を聞きました。
(高知放送局ディレクター 石原智志)

憧れの博士からの手紙

牧野博士から直接教えを受けた弟子のひとり、植物学者の小山鐵夫さん(89)です。
牧野博士との出会いは、一通の手紙でした。11歳のとき、憧れていた牧野博士に思い切って手紙をだすと、返事が来たといいます。

便せん2枚には、牧野博士直筆の文字がびっしりと並んでいます。

小山さんに宛てた牧野博士からの手紙
“あなたは植物が好きと聞きうれしく思います”
“植物は実地の研究が一番大切です”

子ども扱いしない 博士の教え

博士との手紙のやりとりはその後も続きました。中学生になった小山さんは、博士の家に通い始めます。博士は、70歳以上歳の離れた小山さんに、植物分類学の知識から植物図の描き方まで、丁寧に教えてくれたといいます。

これは小山さんが当時描いた植物図です。赤鉛筆で牧野博士の添削が入っています。

植物学者 小山鐵夫さん
標本を見ながら、「この植物はこういうふうに分類する」とか教えてもらったり、僕の図の書き方についても、(細かいところまで)きちんと書いてあると褒められたこともあった。優しいけども、植物に関してはもう子ども扱いじゃなく、専門的に教育をされたんです。

“植物は恋人” 残された牧野イズム

小山さんが牧野博士から学んだことは、植物学の知識だけではありません。博士は植物採集にいくときにも、真っ白なワイシャツにジャケットを着ていたといいます。小山さんはこうした“植物への向き合い方”そのものに、大きな影響を受けたといいます。

植物学者 小山鐵夫さん
「植物は自分の恋人だから、恋人に会いに行くときは正装をしていく」というのが、先生の持っておられた植物に対する見方のひとつじゃないかと思います。本当はあんな格好で植物採集に行ったら、取りにくくってしょうがいないんです。僕が牧野先生から習ったことは、植物学は無論そうだけど、そうじゃなくて、牧野イズムを習ったんです。これが僕のいちばんの収穫だったといまでも思っています。

小山さんは博士のあとを追って植物研究の道に進み、のちに、海外でも知られる学者になりました。
60歳を過ぎてからも高知県立牧野植物園の園長を務めるなど、博士の思いを次の世代に受け継ごうと活動してきました。

博士の軌跡 いまも各地に

牧野博士は植物研究だけでなく、植物の知識を多くの人に広める活動をしていました。全国各地には、牧野博士が訪れた記録が残されていて、牧野博士が関わっていた植物同好会が、いまでもたくさん残っています。

  • 高知放送局 ディレクター

    石原 智志

    2017年入局
    東京・横浜を経て高知へ
    牧野博士や小山さんのように、一途に打ち込めるものを探しています。

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