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『らんまん』万太郎が出会ったジョン万次郎って誰!?

  • 2023年04月27日

『らんまん』で宇崎竜童さんが演じるジョン万次郎こと中濱万次郎。
牧野富太郎博士と同じ高知県出身で、漂着した無人島で生き延び、アメリカに渡ったことで知られています。その人生をまとめました。
(高知放送局 リポーター 五十嵐優衣)

主人公・万太郎との出会い

27日の『らんまん』で、主人公の万太郎(神木隆之介さん)が自由民権運動のリーダーの早川逸馬(宮野真守さん)に連れられて出会ったのが、ジョン万次郎こと、中濱万次郎でした。

「ジョンマン・・・あなたがまさか。会うことができるなんて・・・!」
万太郎は目の前にいる人が誰かわかると、とても驚きます。
いったいどんな人生を歩んだ人物なのでしょう。

激動の人生を歩んだジョン万次郎

ジョン万次郎の故郷・高知県土佐清水市は、四国の最南端に位置し、豊かな自然あふれる地域です。

ここにある「ジョン万次郎資料館」の猪谷奈穂美さんに、説明してもらいました。

ジョン万次郎資料館 猪谷奈穂美さん

まず見せてもらったのが、波乱万丈の人生が始まった漂流の様子です。
漁師の家に生まれた万次郎は14歳の時、仲間と出た漁で遭難します。

※ここからの写真はジョン万次郎資料館の展示より

漂流してたどり着いたのが、およそ760キロ離れた鳥島という無人島でした。
どう生き延びたのでしょうか。

猪谷奈穂美さん
当時、多くのアホウドリが繁殖期で鳥島にいました。
動きが遅くて捕まえやすかったそうで、捕まえて生で食べたり、干して保存食にしたりしていたそうです。

143日もの過酷な無人島生活を送った万次郎。
幸運にもアメリカの捕鯨船に発見されて救助されました。

しかし、鎖国をしている日本に外国船が近づくことは難しく、帰国はかないませんでした。
万次郎はアメリカに渡ることを決意。
救助された「ジョン・ハウランド号」からとった「ジョンマン」という愛称がつけられました。

ジョン・ハウランド号

アメリカでの生活

ジョン万次郎がアメリカに渡ったころ、ちょうど捕鯨の最盛期でした。
万次郎も捕鯨に携わったといいます。

アメリカでは航海士を養成する学校に入学し、捕鯨の技術のほか、測量や航海術、英語などを学びました。
成績は非常に優秀で、首席で卒業したそうです。

龍馬も影響を受けた思想

帰国できたのは漂流から10年後、万次郎が24歳の頃でした。
こちらは帰国後、土佐の絵師によって書かれた『漂巽紀略』という本です。
漂流からアメリカでの生活、帰国までがまとめられ、多くの人に影響を与えたとされています。

猪谷奈穂美さん
例えば高知県出身の坂本龍馬です。
『漂巽紀略』を読んで、自分の考えを世界に向けて広げたといわれています。

帰国した万次郎は、英語が話せる貴重な人材として幕府直属の通訳や翻訳家として活躍しました。
アメリカやヨーロッパに派遣され、日本と海外をつなぐ重要な役割を果たしました。

猪谷奈穂美さん
名前を聞いたことがあっても、実際にどんな人だったのか知らないという方も多いのではないでしょうか。
ドラマがジョン万次郎を知るきっかけになったらうれしいです。

めまぐるしく働き続けた万次郎は、44歳で病に倒れました。
その後は、ドラマでも描かれていたように静かに暮らしていたようです。
実際にジョン万次郎と牧野富太郎博士が出会っていたという記録は、残念ながら見つかっていません。
ただ、2人は同じ時代に生きていますから、もしかしたらなんらかの接点があったかもしれません。
ジョン万次郎との出会いが万太郎の人生にどんな影響を与えるのか、ドラマのこれからの展開が楽しみですね。

  • 五十嵐優衣

    高知放送局 リポーター

    五十嵐優衣

    ずっと行きたかった土佐清水市に今回初めて行きました。
    海の透明度に興奮!
    夏にはシュノーケリングに行きたいです。

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