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なぜ?朝ドラブームの勢いを自転車で加速!?高知は変わるか

(後編)まちづくり活性化、公共交通活用の可能性
  • 2023年04月26日

とさ金キャスターの千野秀和です。

前編では、観光客の誘致という視点でしまなみ海道のサイクルルートの盛り上がり、高知県の仁淀川流域のサイクルルートとしての可能性を見てきました。
自転車を活用する効果は観光客を呼び込むだけではありません。地域そのものに影響を与え始めたところもあります。

自転車を電車で運ぶ“サイクルトレイン”

和歌山県南部を走る「きのくに線」です。
駅構内、電車の車両にそのまま自転車を持ち込んで一緒に移動できる「サイクルトレイン」というサービスをおよそ1年半前から始めています。
予約も追加料金もなし。朝の通学や通勤の時間帯以外は、毎日利用可能。御坊駅から新宮駅までのおよそ150km、38の駅で利用できます。

愛車とともに乗車できるんです

路線は、前編でご紹介したナショナルサイクルルート沿いにあり、自転車を楽しむ人に人気です。

利用客
「いちいち解体せんとそのまま載せられるので、けっこう便利です」

部活帰りの高校生は、朝は自転車で登校し、部活で疲れた帰り、電車に載せて下校しています。

「僕の家から(学校まで)40分ぐらいかかります。9分ぐらいで着くので楽です」

家族旅行が楽しみになったという人も。

「お泊まりじゃなく、早朝に出てあの駅で降りて、そこから自転車に乗って息子が好きなランチを食べに行ったりとか。車で行く時と違った親子の会話もできるんで、それが一番うれしい」

地方鉄道の“希望”

サイクルトレインは、鉄道会社にもメリットがあります。和歌山県のきのくに線は、白浜駅から新宮駅区間の乗客数が30年前のおよそ2割になるなど、大きく落ち込んでいました。そんな中、サイクルトレインは利用者が増加。開始以来、1万2千人を超えています。鉄道会社は、使える駅の範囲を広げ、去年10月からは、特急にも載せられるようにしました。

西日本旅客鉄道株式会社 近畿統括本部和歌山支社 副支社長 松田さん
「新しい需要を開拓できたということで本当にうれしく思いました。そういう意味では、サイクルトレインというのは、地方の鉄道の希望にもなりえるなと」

宿毛市 自転車を軸にまちづくり

高知県内にも自転車によるまちづくりに取り組む自治体があります。
県西部の宿毛市は去年9月、四国で初めてのプロロードレースを誘致しました。選手や関係者、さらに観客など県内外から3000人以上が訪れました。
 

宿毛市の人口はおよそ2万。高齢化が進み、公共交通の路線も限られています。様々な社会課題を解決するため市が注目したのが、自転車でした。

宿毛市企画課政策係主事 三重野さん
「もともと自転車自体が地域になじみのあるものなので、ツールとしては活用しやすいものと思っています。健康的なところであったり、環境面であったり2次交通っていうところをすべて自転車で解決できるんじゃないかと」

自転車体験で笑顔

自転車に親しんでもらうきっかけをつくろうと、2年前から、月に1度体験会を開催。子供から大人まで毎回10人程度が参加し、親子で自転車に乗る時間を楽しむなどしています。

宿毛の町を駆け抜ける Three Stars の3人

こうした取り組みを続けるなか、市内ではあらたに自転車を買う人が増えています。さっそうと走る、少年たち。去年10月に結成したその名も「Three Stars(スリースターズ)」です!

「統一感があるんでやる気が出るっていうかモチベーションもすごくあがります」
「チームっていう感じがする」
「高校生になったら、バイトとかしてもっと高い自転車にして、できれば自転車の部活があるところに入りたいですね」

電動アシスト自転車でスイスイ

自転車のある暮らしを楽しんでいるのは若い人だけではありません。
高齢者の強い味方となっているのが「電動アシスト自転車」。モーターでペダルをこぐ力を補ってくれるため楽に走れます。
市は電動アシスト自転車を購入する人に3万円を補助。この2年間で40人以上が購入しています。 

購入した人
「腰が悪いきね。免許65歳ぐらいで返したから、娘が買ってくれて。これ楽やから」
「バスも少ない。ちょっと時間がずれると待ち時間がかかるでしょ、それが嫌で自転車に乗っている」

宿毛市企画課政策係主事 三重野さん
「まちづくりっていうものは、やっぱり長期的なスパンで考えなきゃいけないものだと思ってますので市民の方が少しでも自転車を興味持ったりだとか、何か自分の生活のための手段になったりするそういうところを目指してこれからもPRを続けていきます」

自転車の可能性 快適な交通と経済循環

スタジオゲストの尾碕さんと髙橋さん

いまでは電車以外にもサイクルバス、サイクルタクシーと、いろんな交通機関に自転車を乗せられるようになっています。自転車と交通機関のコンビネーションについて、ゲストの高知市出身の俳優・尾碕真花(おさき・いちか)さんに聞きました。

尾碕さん

「観光目的だったら、やっぱり行きはウキウキした気持ちで頑張るんですけど、帰りは意外とバテちゃったりとかして、疲れちゃうと嫌になるというか、ちょっとやな気持ちになったりするかもしれないんですけど、帰りにこういう手段があれば、帰りはじゃあ、バス乗っちゃおうとか、路面電車でとかすごくいいなと思いますね」

一方、高知では公共交通機関の赤字の解消が大きな課題になっています。自転車の活用で活路を見出すことはできないのでしょうか。自転車活用に詳しい、髙橋幸博さんは大きな可能性があるといいます。
 

髙橋さん

「公共交通手段というのは、やはり地元の方に乗っていただくことをすごく考えているんですが、サイクリングというのは、自転車に乗ることによってまず市内、市外から、県外から、もしくは海外のお客様を入れて、そういった方達に使っていただいて、かつ自転車も積めたりレンタル自転車がこの駅から使えますよってことになったりすれば、そこまでお客さんをちゃんと誘導することができるんです。
進んでいくと地方にどんどん“キャッシュポイント”、お金が落ちるポイントが増えてくる可能性が高いですね」

千野アナ

「キャッシュポイント、つまり訪れた人がお金を使える可能性が増えることで、それが巡り巡って公共交通機関にも潤いとなってくるという、良い経済の循環を自転車が生むかもしれません」

宿毛市の皆さん、高齢者の方は電動アシスト自転車があるおかげで外に出られる、少年たちもキラキラしていました。

尾碕さん

「かわいかったですね。やっぱり体も動かすことによって自分自身リフレッシュもできますし、行動範囲が広がるっていうのすごく大きいなと思います。
ちょうどうちのおばあちゃんがもうそろそろバイクが危ないんじゃないかって家族で話してて、自転車を見に行ったんです。でも2輪自転車にもちょっと怖いって思ったんですけど、3輪でしかも電動付きってすごくいいなと思いましたね。帰ったら勧めてみようと思います」

最後に、尾碕さん、髙橋さんに自転車に感じる可能性を聞きました。

尾碕さん

「ちょっと体が動かしたいなとかリフレッシュしたいなって時にこう、すぐに始められるっていうのがいいなと思いましたし、私自身もちょっと運動不足気味なので、早速東京でもいい道見つけて始めたいなって思いましたね」

「尾碕さんだけのナショナルルート」

尾碕さん

「確かに私だけのっていうのを見つけるのもありですね」

髙橋さん

高知は本当に自転車の適地です。皆さんにもっと乗ってもらえば、国内、国外の方が高知に来ていただける。つまり、伸びしろしかないと言えます。子供たちの夢だとかサイクルトレインとか素晴らしい事例、あと仁淀川っていう魅力、こういったもの全てのビジョンを共有して、国、県、自治体、JRだとか商工会議所、色んなところを動かす力になっていく。スリースターズの少年たちが20代になる頃にはこの町も大きく変わっている、みたいになっていくと非常にいいなと思います」

次回、5月のとさ金も、お楽しみに!

  • 千野秀和

    高知局 アナウンサー

    千野秀和

    2000年入局/ 1976年生まれ
    リポーターとして現場に
    行くのが大好きです
    2度目の高知勤務、
    より深い魅力を探っていきます!

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