くも膜下出血の原因「未破裂脳動脈瘤」の症状と治療法

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未破裂脳動脈瘤(みはれつのうどうみゃくりゅう) くも膜下出血 吐き気 言葉が出ない 脳・神経

未破裂脳動脈瘤とは

未破裂脳動脈瘤とは
未破裂脳動脈瘤とは

脳の動脈のある部分がこぶ状に膨らんだ状態を脳動脈瘤といいます。未破裂脳動脈瘤とは、このこぶが破裂せずにとどまっている状態をいいます。
脳動脈瘤の血管の壁が血流に耐えられなくなって破裂すると、脳を包んでいるくも膜という膜の内側(くも膜下腔)に出血して、くも膜下出血を引き起こします。
未破裂動脈瘤は、こぶが脳神経を圧迫することで、片側のまぶたが下がる、瞳孔が開く、物が幾重にも見えるなどの症状が現れますが、ほとんどは無症状です。

未破裂脳動脈瘤は、そのすべてが破裂するわけではありません。日本脳神経外科学会が発表した「破裂のリスク」によると、瘤が大きいほど破裂しやすく、最大径が3~4mmの小型の動脈瘤を1とした危険度(ハザード比)は、7~9mmでは3.4倍、10~24mmでは9.1倍、25mm以上で76.3倍と高くなっています。また、動脈瘤の形がいびつな場合も破裂率が高くなることが示されました。

未破裂脳動脈瘤とは

脳内の動脈には、前方、真ん中、後方に大動脈があります。脳動脈瘤は前方にある左右の大動脈をつなぐ血管や、真ん中の大動脈と後方の大動脈をつなぐ血管にできやすいという特徴があります。

未破裂脳動脈瘤とは

未破裂脳動脈瘤の治療法

未破裂脳動脈瘤の治療は、脳動脈瘤が小さくて、破裂しにくい場所にあり、形にも問題がない場合は、経過を観察します。

脳動脈瘤の大きさが5~7mm以上の場合は、治療がすすめられます。
また、脳動脈瘤の大きさが5~7mm未満でも、こぶが脳神経を圧迫して、まぶたが垂れてくる・瞳孔がひらくなどの症状が出ている場合、破裂しやすい場所にできた場合、いびつな形の場合、こぶの入り口が狭く直径が大きい場合などは、破裂するリスクがあるので治療が必要になります。

未破裂脳動脈瘤の治療は、大きく分けてクリッピング術という手術や、血管内治療によるコイル塞栓術、フローダイバーター留置術などがあります。

クリッピング術

クリッピング術

クリッピング術は、頭蓋骨を開頭して脳動脈瘤の根本をクリップで挟み、脳動脈瘤のこぶの中に血液が入らないようにすることで破裂を防止する手術です。

クリッピング術は歴史のある治療法のため、安全性の高さが長所で、さまざまな形の脳動脈瘤に対応できます。一方、体に負担がかかり、脳動脈瘤が脳の奥にあると治療が困難になるといった短所もあります。

コイル塞栓術

コイル塞栓術
コイル塞栓術

コイル塞栓術は、脚の付け根の動脈からカテーテルを挿入し、X線透視画像を見ながら、脳の血管にまで到達させて、脳動脈瘤の中にコイルを詰める手術です。コイルの周りに血栓ができることで、脳動脈瘤の内部を埋めて破裂を防ぎます。

コイル塞栓術は開頭しないため体への負担が軽くてすみ、クリッピング術では難しい脳動脈瘤も治療できるのがメリットです。ただ、治療後に血栓ができて安定するまでに時間がかかる場合があります。

また、脳動脈瘤が大きい場合や、入り口が広い動脈瘤だとコイルが落ちてしまうという欠点がありました。しかし、最近では、ステントという金属でできた筒状の支えを使用して、入り口が広い動脈瘤でもコイルが落ちてこないようにすることもできるようになってきました。

フローダイバーター留置術

フローダイバーター留置術

2015年に保険適用された治療法がフローダイバーター留置術です。脳動脈瘤の根元の血管にカテーテルでフローダイバーターという特殊なステントを入れ、血液がこぶの中に入りにくくする治療法です。こぶの中で血液が停滞して血栓を作り、やがて血栓がコブを完全に塞いで破裂を防ぎます。
体の負担が軽く、大きな脳動脈瘤や入り口の広い脳動脈瘤も治療できると期待されています。

脳動脈瘤のQ&A

『Q&A脳動脈瘤』はこちら

この記事は以下の番組から作成しています

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