子どもの極端な夜型化。学校生活への影響は?原因・解消法について解説

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子どもの夜型化によるリスク

生活が夜型化してしまっている子どもは多く、いわゆる夜型で、睡眠や日中の生活に影響が出てくると「睡眠・覚醒相後退障害」という病気と診断されます。10代~20代前半で夜型になる傾向が強く、思春期世代での調査では2~3%ほどいることがわかっています。
夜型化がエスカレートして、夜の2時~5時くらいに眠りについてお昼ごろに起きるというのが典型的な例です。

この世代では夜更かしをしがちですが、「生活に支障がでるか」が病気の基準です。
朝起きれずに、学校を遅刻して、不登校につながることもあります。さらに、睡眠の質が悪いと集中力がなくなり学業にも悪影響が出る場合もあります。また、食生活も夜型化してしまうことで、肥満のリスクを高めることもわかっています。

なぜ夜型化する?

睡眠リズムは体内時計で作られる

睡眠リズムは体内時計で作られます。体内時計は、朝、太陽の光が目に入ることでリセットされ、リズムを刻み始めます。それから14~16時間くらいたつと、睡眠に関係するホルモン「メラトニン」が分泌され、眠くなります。ですが、子どもが夜にテレビやスマホなどの光を浴びるとそのリズムが乱れてしまいます。

夜にテレビやスマホなどを見るのは大人も同じですが、子どもの場合、より影響を受けやすいといわれています。子どものほうが瞳孔が大きいこともあり、光を目の中に取り込みやすいことが原因と考えられています。さらに、寝る前に光を浴びると「メラトニン」の分泌が減ってしまいますが、その影響が子どもでは大人の2倍にもなります。

特に大学生ではコロナ禍でWeb授業が多く行われていますが、1時間目に合わせて起きずに、授業動画を見ればよいという場合、起床が遅くなっています。さらに、部活動をはじめ運動の機会の減少も生活リズムを崩す原因になっています。
このように光や運動、生活リズムが、夜型化を促します。

若者向け 3つの不眠解消法

子どもの不眠解消法

子どもの不眠を解消するために、3つの方法があります。

午前中の光をたっぷり浴びる

朝型傾向にするため、早起きして体内時計の時刻を早めます。朝の光は体内時計を調整する一番の味方です。朝はまずカーテンを開けて太陽の光を浴びましょう。

就寝前の光を避ける

逆に、夜に光を浴びると体内時計を遅らせて、夜型にしてしまうので要注意です。
夜型で困っている人は夜の照明を弱くしたり、体内時計に作用しにくい暖色系の照明を使うようにしてみましょう。スマートフォンの使用も減らします。寝る予定の時刻の2時間前からは液晶画面を見ないようにしましょう。

昼間に体を動かす

昼の運動も大切です。運動は体内時計を整えてくれる上に、疲れているとよく眠れます。

お子さんだけで継続して行うのが難しければ、おうちの方も一緒に早寝早起きや運動をしましょう。家族で休日に散歩をするというのもよいでしょう。
4週間ほど頑張って続けると体内時計が調整され、つらさも改善されていきます。

詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2021年3月 号に掲載されています。

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