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12月なのにナゼ? 中国地方・土日は季節外れの黄砂予想

気象予報士・勝丸恭子 きょうこのポイント!
  • 2023年12月08日

この土日、9日~10日にかけては中国地方の広い範囲に黄砂が予想されています。

この土日の黄砂の予想です。

(8日時点の予想です)

水平に見通しのきく距離が10㎞を切る予想で、
場合によっては5㎞未満と、さらに見通しが悪くなることもありそうです。
暖かくて大掃除のチャンスでもあるのですが、
窓を開け放ったり外に何かを干したりする際、黄砂が気になる方は注意が必要です。

12月なのに「春の使者」?

黄砂のシーズンといえば例年3月~5月で、春の使者とも呼ばれています。

(気象庁HPより)

とはいえ、秋冬に飛んでくることもゼロではありません。
去年も12月に福岡で観測されていますし、
中国地方でいうと2012年の12月に2度、広島で観測されています。
それにしても、ことしの11月下旬~12月は
福岡や那覇ですでに5日間観測されていて、季節はずれの黄砂が多くなっています。

なぜ、冬に黄砂が? そのわけは…

黄砂の発生源は、大陸にあるゴビ砂漠やタクラマカン砂漠など。
ここで低気圧などが砂を巻き上げると、風に乗って日本へ運ばれてくるのです。

砂漠とはいえ、夏は植物に覆われるため黄砂が舞いあがりません。
植物が枯れる秋に少し飛ぶことがあっても、
冬になると今度は雪に覆われるのでまた飛ばなくなります。
そして春に雪が融けると、黄砂シーズンになるのです。
今はもう、降れば雪の時期にはいっているはずなんですが…

国立環境研究所で黄砂の研究をしている
清水厚さんにたずねてみたところ、
「おそらく、雪が少なくて地面が乾いてしまっているのだろう」とのこと。
周辺のデータを調べてみると、たしかに9月以降の降水量は
もともと少ない平年の半分ほどしかありませんでした。

これから温暖化が進むと雪が降り出す時期は遅れ、雪解けが早くなることが考えられます。
「11月12月、2月など、これまで少なかった時期に
黄砂が飛ぶ日が増える可能性がある」という研究結果が出ているそうです。

 

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