シラベルケーネ! 冷房の設定温度28度は“誤解”!?
- 2023年07月20日
ジメジメして蒸し暑い日が続きますね…。皆さんは冷房の設定温度をどうしていますか?「省エネのために28度にしている」という方もいると思います。この28度という設定温度。省エネで推奨されているのは“誤解”だったってご存じでしたか?
(NHK広島放送局アナウンサー 岡崎太希)
冷房の設定温度 多いのは?
取材の手始めに、皆さんが冷房の設定温度を何度にしているのか、アンケートをとりました。
キンキンに冷えていてほしい!夏は22度!
大体26度くらいかな…
節電で28度にしろと言われるけれど、24度くらいが快適かな
いろいろな意見がありましたが、24度や26度が多く、エアコンをつけていないという方もいらっしゃいました。そして、設定温度を28度にするという方が2人いらっしゃいました。「省エネ・節電のため、冷房の設定温度は28度が好ましい」と誤解されていると思っている方、やっぱりいたんです。
冷房 28度の“真実”
環境省はその誤解を解こうと、ホームページを作っています。この中では「28度はエアコンの設定温度ではなく、あくまで室温のこと」だとしています。また、冷房の設定温度を28度にしても、日差しの当たり具合や周囲の環境で室温が28度になるとはかぎらないとも指摘しています。その上で、「無理のない範囲で冷やしすぎない室温管理をしてほしい」と呼び掛けているんです。
広島市役所にもお邪魔しましたが、市役所では庁舎全体で空調を管理していて、室温を28度になるように設定しているということです。
なぜ 28度が推奨される?
しかし、28度という室温が推奨されているのか。その背景を専門家に伺いました。
田辺教授によると、1970年に定められたいわゆる「ビル管理法」の中で示されている室温の基準が、17度から28度となっていて、28度はその上限とされているから、なんだそうです。その一方で、田辺教授は私たちが働く職場では28度の室温が必ずしも省エネにつながるとは限らないとも指摘しています。
早稲田大学創造理工学部 田辺新一教授
室温を28度にしようとすると冷房のオンとオフを繰り返すので、実はエネルギー消費はそれほど小さくなりません。また、28度は室内が暑いと感じる人もいて、知的生産性が落ちて労働時間が長くなってしまう、という研究結果もあります。快適な室温で短い時間で働くというのが、科学的かつ合理的なエコだと思います。
電気代 どう抑える?💡
ただ、快適な室温にすると、必然的に電気代も上がってしまわないか、気になるところですよね。田辺教授は快適さとエコを両立させる技として、以下の4つをあげました。
部屋が温まるのを防ぐため
①出かける前などにはカーテンを閉める。
②部屋の電気をLEDに変える。
消費電力を下げるため
③エアコンのフィルターを掃除する。
④室外機のカバーをかける。
その上で温度計を使って、エアコンの設定温度ではなく、室温を把握することが大切だと強調していました。温度計を部屋に置いて、快適とエコを両立させる生活を目指してみるのはいかがでしょうか。
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