各地のすてきな温泉や銭湯を発掘し、地域の魅力を再発見する「#いいお湯見つけました」。
今回訪ねたのは、東京中野区。子育て世帯も温かく迎えてくれる優しいお風呂、ご紹介します。
(ひるまえほっと リポーター/ディレクター 髙橋香央里)
創業は昭和11年。2021年にリニューアルした浴室にはお客さんを思う優しさであふれています。
3代目の松本元伸さんに案内していただきました。
好みのお湯やその日の体調に合わせて入ってもらいたいと、水風呂や石風呂など8種類のお風呂があり、温度は43度、42度、41度と、浴槽ごとに細かく変えています。
さらにこだわったのがサウナ。暗めの照明にしてリラックスできる空間を作っています。
サウナのあとの水風呂にも気遣いが。28度、16度と温度が違う2つの水風呂をつくったんです。
右の16度の水風呂は、水深が男湯は150cm、女湯は135cmと深く、階段を下っていけるようになっています。
冷たい水風呂に入れないっていうお客さんが結構いたので、(優しい温度の)もう1種類をつくって喜んでもらえるようにしました。そして水風呂に入ると体が閉じこもるんですが、快感度を感じてもらえるよう立って入る水風呂をつくりました。
月に1度開催される「託児銭湯」です。保育士資格をもつスタッフなどが子どもたちを預かり、親はゆっくりお風呂に入れる、というものなんです。託児スペースは広々としたロビー。じゅうたんと畳がひかれているので、子どもたちは安心して過ごすことができます。
この取り組みを呼びかけたのは、中野区在住で2児のパパでもある豊田佳高さん。託児銭湯を実現したいと松本さんに相談しました。
これだけスペースがとれる銭湯ってなかなかない。お客として銭湯にはよく来ていて、ちょっとした無茶もきいてくれるかなという、わがまま言ってなんとか御願いしますってやっていただきました。
松本さんは、親子が気兼ねなく過ごせるよう、託児銭湯の日は通常のオープンより2時間早く開け、貸し切りにしてこの場所を提供しています。
子育ては幸せなこともたくさんあると思うんですが、大変なこともたくさんあると思う。そんな中でちょっとキュッとなってしまった心を、銭湯で緩めることができたら。そんな場として銭湯を使っていただけたらいいなと思います。
子どもを預けて安心して入ってもらう、そこだけです。
地下水をくみあげたお湯はやわらかい肌触り。創業当時からの自慢の湯です。
ゆっくり一人の世界にひたったり…
周囲に気兼ねすることなく、子どもと一緒に楽しめます。
参加した家族
「子育て世代のパパママたちなので、みんなすごく温かくニコニコしている雰囲気で癒しの場です。気を遣わなくていいのがいいです」
街のホットステーションのような、憩いの場・癒やしの場のようになればいいなと思っています。
【編集後記】
託児銭湯に来た皆さんにお話を聞くと、お子さんを預けて1時間半近くお風呂を堪能したという方や、お風呂好きのお子さんと大きな浴槽で一緒に楽しめたという方など、それぞれのリラックスタイムを過ごされていました。
ちなみに、浴室の中には、介助してくれるスタッフもいて「サウナのときだけ子どもを見ていてほしい!」というお願いもできるんです。
企画した豊田さんのもとには、この取り組みをうちでもやりたい!と、関西などの施設からも問い合わせが来ているそう。「もっと全国へ広がっていくように」という銭湯が大好きな豊田さんの、子育て世帯を思う優しさにも心が温かくなりました。
看板娘ならぬ、看板亀の「かめきち」さんは、子どもたちに大人気です!
●託児銭湯は月に1度の事前の予約制です。応募が多い場合は抽選になっています。今月(2月)は24日(土)を予定しています。
※「託児銭湯」については「中野区シティプロモーション事業 託児銭湯」のHPをご覧ください。
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お気に入りの銭湯や温泉など、思い出やエピソードを添えてぜひお寄せください。
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