公用車のセンチュリー費用請求訴訟 2審 必要性や正当性争う

山口県が県庁の公用車として高級車の「センチュリー」を購入したのに対し、1審の山口地方裁判所が「購入の必要性の検討が不十分だった」などと指摘して、知事に費用の全額を請求するよう県に命じた裁判の2審が広島高等裁判所で始まり、県側は請求を取り消すよう求めました。

山口県は3年前、県庁の公用車として高級車の「センチュリー」を2090万円で購入し、元県職員の住民が購入は違法な公金の支出だと訴えていました。

1審の山口地方裁判所は去年11月、「歳出削減の観点を踏まえて公用車を購入する必要性や車種が考慮されるべきなのに、そうした検討はあまりに不十分だったと言わざるを得ず、知事には契約を阻止しなかった過失が認められる」として、県に対し、村岡知事に費用全額の2090万円を請求するよう命じる判決を言い渡し、県が控訴していました。

2月15日広島高等裁判所で始まった2審の裁判で、県側は「貴賓車として使うというセンチュリー購入の目的は正当で、知事の裁量に委ねられる事柄だ」などとして請求を取り消すよう求めました。

一方、原告の弁護士は、「センチュリーを新車で購入する必要性は低く、知事の裁量を重視しても許容されるものではない」などと反論しました。

裁判は15日結審し、判決は5月10日に言い渡されます。

原告の元県職員の松林俊治さんは裁判のあと開いた会見で、「1審に続いて勝訴したいと思うとともに、センチュリー購入の意思決定の過程を示す公文書がしっかりと作られていなかった問題についても裁判で判断してもらいたい」と話していました。