細田衆院議長「月給100万円未満の…」発言に批判「今後控える」

 立民 馬淵国対委員長「議長の資質含め問題」

「国会議員を多少増やしてもバチは当たらない」という細田衆議院議長の発言について、立憲民主党の馬淵国会対策委員長は「議長の資質も含めて大きな問題だ」と批判しました。

細田衆議院議長は、衆議院の小選挙区を「10増10減」することに繰り返し懸念を示したのに続き、10日には「一人当たりの月給で100万円未満のような議員を多少増やしてもバチは当たらない」と述べました。

立憲民主党の馬淵国会対策委員長は、12日の党の会合で「『10増10減』ということばは使っていないが、おとといの発言もこれと逆のことを言ったものだ。このような発言を繰り返すのは議長の資質も含めて大きな問題で、厳しく抗議しなければならない」と批判しました。

また、衆議院の選挙制度をめぐる与野党協議については「『10増10減』をしっかり履行していくことが確認されなければ、到底、前に進めることはできない」と述べました。

維新 馬場共同代表「絶対にバチが当たる」

一方、日本維新の会の馬場共同代表も細田議長の発言について「絶対にバチが当たる。10増10減もしくは10減でもいいという勢いで訴えていきたい」と述べました。

共産 志位委員長「議長がコメントすること自体許されない」

共産党の志位委員長は、記者会見で「発言の内容以前に、議員定数の問題に、議長がコメントすること自体が許されない」と述べました。

細田衆院議長 批判受け「今後 立場を自覚して発言控える」

細田議長は12日夜、議長公邸で各党の代表者らと懇談し、出席者によりますと細田議長は「お騒がせし、ご迷惑をおかけした」と述べたということです。

そのうえで「これまで議員として好きなことを言ってきたが、議長として発言すると各方面からお叱りを受けることになったので、今後は立場を自覚して控えることを決意した」と述べたということです。

細田氏の発言とは

細田衆議院議長は10日夜、東京都内で開かれた自民党議員のパーティーであいさつし、国会議員の定数について、「『歳費を払うのがむだだから定数を減らせ』などと言う人もいる。普通の衆議院議員は、手取りで70万円か60万円ぐらいだ」と指摘しました。

そのうえで、「人員を減らせばいいというものかどうか、この辺で考えたほうがいい。民主主義というのは、たくさんの議員で議論をしてもらうほうがよく、1人当たりの月給で手取り100万円未満のような議員を多少増やしてもバチは当たらない」と述べ、定数削減の傾向に疑問を示しました。

細田氏の発言をめぐっては…

衆議院選挙の小選挙区の「10増10減」をめぐり、細田衆議院議長は4月5日、「地方いじめのように『10増10減』をすることはちょっと考えたらどうか」と指摘し、改めて懸念を示していました。
これに対し各党から、批判や、慎重な対応を求める声があがっていました。

細田衆議院議長は4月5日夜、東京都内で開かれた会合であいさつし「1票の格差が2倍を切ればいいので小選挙区を東京で2つか3つ増やせばよく、ほかの県はとばっちりだ」と指摘しました。

そのうえで「地方いじめのように『10増10減』をすることはちょっと考えたらどうか。心ない政治をやってはいけない」と懸念を示しました。

細田議長は去年12月にも「10増10減」について懸念を示し、野党からは「議長の立場からの発言として適切ではない」などと批判が出ていました。