延期か予定どおりか 保険証廃止方針めぐり詰め協議 岸田首相

来年秋に今の健康保険証を廃止する方針をめぐり、政府・与党内では、廃止時期の延期を主張する声もある一方、国民の不安払拭(ふっしょく)に努め予定どおり廃止すべきという意見も出ています。岸田総理大臣は丁寧に詰めの協議を行い、対応を判断する方針です。

来年秋に今の健康保険証を廃止し、マイナンバーカードと一体化させる方針をめぐり、相次ぐトラブルを受けて、野党側に加えて自民党内からも廃止時期の延期を含め見直しを求める声が出ていて、岸田総理大臣は対応を検討し、決まれば記者会見を開いて説明するとしています。

岸田総理大臣は1日も「現場の声や意見を大切にし、政府の対応を丁寧に検討していく」と述べました。

保険証の廃止方針をめぐっては、政府内にも来年秋としている廃止時期を延期すべきと主張する声もある一方、延期には法改正が必要なことも踏まえ、マイナンバーカードを取得していない人などが一定期間は必要な診療を受けられるようにする「資格確認書」をより効果的に活用することで国民の不安払拭に努め、保険証は予定どおり来年秋に廃止すべきという意見も出ています。

また公明党の山口代表は1日「いま廃止時期の延期を決める理由が全く分からない」と述べ、まずは説明を尽くすよう政府に求めました。

政府内には当初、今週前半の決着を目指す考えもありましたが、政府・与党内で意見が分かれる中、岸田総理大臣としては丁寧に関係閣僚らと詰めの協議を行い、対応を判断する方針です。