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「おいしさは譲らない」米どころを盛り上げる 魚沼ブラザーズ

  • 2024年03月27日

全国でも米どころとして有名な新潟県魚沼地域で、若手農家が結成したグループがあります。
地域を盛り上げようと奮闘する取り組みと思いに迫りました。

若手農家で結成「魚沼ブラザーズ」

魚沼地域で米作りを行う若手農家が集まったグループ「魚沼ブラザーズ」です。

魚沼ブラザーズ

2月19日。メンバーは正装に身を包み、南魚沼市の公民館に集まっていました。
この日は、それぞれが自ら生産した自慢の米を持ち寄り、その中からナンバーワンを決める魚沼ブラザーズ独自のイベント「最高米コンテストin魚沼」がひらかれました。

コンテストの様子

背景には地域の若手農家不足 競い合うことでレベルアップを

グループを立ち上げたのは津南町の米農家、村山周平さん32歳です。
村山さんは東京の大学を卒業後、8年前から本格的に家業を手伝い始めました。
しかし、次第にある悩みを持つようになりました。

会を立ち上げた村山周平さん
村山さん

農家の平均年齢が上がっているので同年代の仲間が意外と少なかった。
モチベーションの部分で、ライバルみたいな仲間が欲しかった。

2020年1月 魚沼ブラザーズ結成

そこで村山さんは4年前、魚沼ブランドの米を作る若手農家13人を集め「魚沼ブラザーズ」を結成しました。
専門家を講師に招き、どんな米が消費者に人気かなど、新たな知見を得る勉強会も開いてきました。
また、毎年夏には、互いの田んぼを視察。
水や肥料のあげ方などの意見交換するなど、メンバー同士で切磋琢磨してきました。
こうした取り組みもあり、魚沼ブラザーズのメンバーは権威ある国際品評会などでも高く評価されるようになりました。

メンバーは20代~40代と年齢も様々
メンバー

年関係なく高みを目指すのはみんな一緒なのでそこは情報共有を色々しながら楽しくやっています。

メンバー

おいしさにこだわった米を、どうやって販売して、会社を経営していくかも参考になる。

更なる成長を目指して おいしさNo.1を決める独自コンテスト

もっと美味しい米を作りたいと今年始めて企画したのが、メンバーが作った米のナンバーワンを自ら決めるコンテストです。

審査する村山さん「脳をフル稼働させた」

審査では、先入観をなくすため作り手はわからないようにします。
その上で「香り」「見た目」、食べたときの「硬さ」「甘み」「粘り」の5つの項目で採点していきます。
メンバーは品評会などに出品し、審査をされる経験はあっても、自分たちで審査を行うのは始めて。
おいしい米とは何か、ひとりひとりが真剣に向き合います。

結果発表では、1位には数々の受賞歴がある南魚沼の農家・関智晴さん(38)が選ばれました。
村山さんは、3位までに入ることはできませんでした。

1位に選ばれた関智晴さん(右)と村山さん

見つけた改善点「おいしさは譲らない」

コンテストを経て、村山さんはある改善点を見つけました。

村山さん

自分の米を食べたときに小粒だったんですよ。
客観的に見たなかでちょっと粒が細いかなと感じた。
実の充実が足りていないんじゃないかと感じて。
食べ応えのある米を目指し、早速、肥料のバランスを見直します。
よりおいしい魚沼産米を目指して、今年の米作りにのぞみます。

村山さん

若手農家でグループを作ることで、レベルを上げて切磋琢磨して魚沼産地を盛り上げたい。
おいしさは誰にも譲らない思いで、頑張ってやっていこうと思います。

魚沼ブラザーズは今後、県外農家の視察など活動の幅を広げながら、夏の暑さや水不足にも負けない米作りも目指していくということです。

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