糖尿病 高齢者の注意点

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食後高血糖

高齢者の糖尿病 注意点

高齢者の糖尿病には注意すべき特徴があります。まず食後高血糖です。
食事の後にはだれでも血糖値がある程度高くなりますが、健康な人はインスリンの作用でまもなく正常に戻ります。ところが糖尿病の人は、食後1.5~2時間後の血糖が高くなったり、それが長引いたりしやすいのです。これが食後高血糖です。食後高血糖は動脈硬化を進行させるとも言われます。

高齢者は食後高血糖がいっそう起こりやすくなります。対策としては、食事をゆっくり食べたり、食物繊維を多くとったり、それに対応した薬を使ったりします。

脳梗塞・心筋梗塞

脳梗塞や心筋梗塞は糖尿病の合併症の1つで動脈硬化によって起こりますが、動脈硬化は加齢ともに進行するため、これらの病気は高齢で多くなります。
対策としては、高血圧や脂質異常症がある場合は、高血糖と同様に動脈硬化のリスクとなるので、糖尿病だけでなく高血圧や脂質異常症の治療も欠かさないことです。また喫煙もリスクなので禁煙しましょう。

薬の副作用

高齢者は薬の副作用が現れやすくなります。いちばんの理由は、加齢にともに腎臓や肝臓の働きが低下することです。薬の多くは腎臓で排せつされたり肝臓で分解されたりしますが、高齢者はそうした排せつや分解が遅れるため、薬が体内に長く残って効き過ぎてしまうのです。

老年症候群

老年症候群とは老化に伴って心や体に様々な症状がまとまって出てくることを言います。認知機能低下や認知症、ADL(日常生活の様々な活動を行う能力)低下がその代表です。老年症候群はQOL、生活の質を低下させ、やがて要介護や死亡の原因になります。
老年症候群の原因は様々ですが、糖尿病による高血糖や低血糖も原因になります。しかも老年症候群によって糖尿病は治療が難しくなったり進行しやすくなったりします。

高浸透圧高血糖状態

高浸透圧高血糖状態

高浸透圧高血糖状態は糖尿病でまれに起こる急性の合併症です。感染症や発熱をきっかけに、脱水が加わって血糖値が著しく上昇し、血液の浸透圧が高くなる、すなわち血液が濃くなる状態です。のどが渇く、多飲、多尿、けん怠感、血圧低下、頻脈、体重減少、皮膚や粘膜の乾燥などの症状があります。高齢者は発見が遅れて意識障害に到るおそれもあります。

高浸透圧高血糖状態を防ぐには、のどの渇きに十分注意し水分をこまめに補給することです。体の水分は食欲不振、おう吐でも不足するので注意します。何も食べられないときでも水分だけは摂取するようにしましょう。

重症の低血糖

低血糖の症状(高齢者)

糖尿病の薬を使っている場合に血糖値が下がり過ぎることを低血糖と言います。高齢者は低血糖が重症化しやすいため注意が必要です。
低血糖が軽い段階では通常、発汗、動悸、手のふるえなどの症状が現れます。しかし高齢者ではこうした典型的な症状は現れにくく、その代わり「頭がくらくらする」「体がふらふらする」「めまい」「脱力感」などのはっきりしない症状が多くなります。そのため低血糖だと気づきにくいのです。「ぎこちない動作」「ろれつ不良」「眼のかすみ」などが現れる場合もあります。

その結果、低血糖が気がつかないうちに重症化し「けいれん」「こん睡」にまで到り、病院に運ばれてくるということが多くなります。重症の低血糖は、転倒・骨折、認知症、脳梗塞・心筋梗塞のリスクにもなります。

詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2017年10月号に詳しく掲載されています。

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