糖尿病治療に食事の改善が有効!血糖値上昇を防ぐ4つの方法

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野菜を先にたっぷり食べる

野菜を先にたっぷり食べる

糖尿病治療の第一歩は、食事など生活習慣の改善です。
食事をした後の高血糖状態は、血管にダメージを与え、動脈硬化や糖尿病の合併症を進めやすくします。しかし、食べる順番を工夫すると、食後の血糖値の上昇を緩やかにすることができます。

糖尿の人は、食事のときに「野菜を先にたっぷり食べる」ことを心がけてください。野菜は、食物繊維が豊富なものが多く、食品に含まれる糖の吸収を遅らせ、食後の血糖値の急激な上昇を防ぐ働きがあります。患者さんの中には、野菜を食べてからご飯やパンなどの炭水化物をとるようにしたところ、食後血糖やHbA1cが大きく改善したという人もいます。野菜は低エネルギーなので、先にたっぷり食べてしまえば、野菜でおなかが満たされて、食べ過ぎを防ぐ効果もあります。

がんや生活習慣病の予防には、1日350g以上の野菜をとるとよいといわれています。野菜350gの目安は、野菜の小鉢が5皿くらいになりますが、ジャガイモのような糖質の多い野菜は控えめにしましょう。とはいえ、毎日野菜をたっぷりとるのは難しいもの。そこで、「みそ汁を具だくさんにする」「弁当やカップ麺を買うときは、サラダも買う」「弁当に入れる野菜のおかずを多めに作り、朝食に利用する」といった工夫をしてみるのもおすすめです。

食器の工夫で効果アップ

食べるときの器を工夫することでも、食べ過ぎを防ぐことができます。
ごはん茶わんを一回り小さくすれば、自然にご飯の量を減らすことができます。同じ分量のご飯も、小さめの茶わんに入れればたっぷりあるように感じます。また、少し重い茶わんにすれば、ずっと持ち続けるのが辛くなるので、茶わんをテーブルに置く回数が増え、ゆっくり食べることにつながります。ほかにも仕切りの付いたプレート型の食器を使うという方法もあります。肉などの主菜と、野菜などの副菜、ご飯を決められた仕切りに合わせて盛りつけることで、バランスよい食事にすることができます。

早くやせたいという焦りから、夕食を抜いたり、極端な食事療法を行ったりすると、かえってやせにくくなったりリバウンドしたりしてしまいます。特に、たんぱく質が不足すると、筋肉が落ちて基礎代謝が低下してしまいます。体重を落とすときは、ただやみくもに減らすのではなく、担当医や管理栄養士に相談して、焦らず健康的に行うことが大切です。

食べ物の誘惑を避ける工夫

糖尿病 食べ物の誘惑を避ける工夫

糖尿病の予防や治療で大切なことは、「余分なものを食べ過ぎない」ことです。きっと頭でわかっている人は多いと思いますが、実行するのは容易ではありません。というのも、私たちの周りには「お菓子が目の前に!」「飲食店からいい匂い!」「食卓に食べ物が残っている......」「食べ放題の店」など、"おいしい誘惑"が至る所にあるため、ついその誘惑に負けてしまう時があるのです。食べ過ぎる傾向がある人は、こういった誘惑に弱く、摂食中枢が刺激されやすいことが知られています。まずは誘惑そのものを減らすような工夫が必要です。

しかし、目の前に食べたいものがあるのに我慢すると、精神的ストレスがたまるので、「目の前にお菓子を置きっぱなしにしない」ことが大切です。戸棚の奥、開けにくい缶、手が届きにくい場所、などに置くほかに、「本当に食べたい時だけ食べる」などの張り紙をすることも有効です。残った物をもったいないからと食べないようにするには「自分の分を食べ終わったらすぐに食器を洗う」などの対策がおすすめです。自分なりのおいしい誘惑に負けない対策を練ってみてはいかがでしょうか。

夕食の時間に注意

夕食の時間に注意

遅い時間に夕食を食べるのは、エネルギーを消費しきれなかったり、脂肪が蓄積しやすかったりするなどの理由から、肥満を招きやすいといわれています。さらに、夜遅く食べると、血糖値が上がりやすくなります。夕食は早めにとり、遅くなる場合は軽めに済ませるようにしましょう。

夕食を早めに食べたせいで、夜おなかがすいてしまったときは、「早く寝る」ことがいちばんの対処法です。また、「風呂に入る」「歯を磨く」「ストレッチなどの軽い運動をする」などで気分を変えるのもよいでしょう。それでも我慢できなければ、「野菜スティック」「野菜スープ」「ところてん」「ヨーグルト」など、エネルギーの少ないものを少し食べるだけにしましょう。

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この記事は以下の番組から作成しています

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