糖尿病では低血糖にも要注意!死亡率を下げるための予防法とは

更新日

血糖値を厳格にコントロールするとかえって死亡率が上がる!

血糖値

糖尿病の治療の目標は血糖値を下げることです。ただし、血糖値が必要以上に下がってしまう低血糖にも注意が必要です。アメリカで行われた研究では、血糖値の厳格なコントロールを行ったグループ(ヘモグロビンA1c 6.0%未満)とゆるやかなコントロールを行ったグループ(ヘモグロビンA1c 7.0~7.9%)では、厳格なコントロールを行ったグループの方が脳卒中や心筋梗塞などの心血管死の割合が上がることが示されています。

この原因として、重症の低血糖がかかわっていると考えられているのです。とくに低血糖を起こしやすいのは高齢者では注意が必要です。そこで2016年に高齢者の血糖値の目標値が一般成人よりも少しゆるめに設定されました。

高齢者の血糖コントロール目標値

高齢者の血糖コントロール目標値

低血糖を起こさないように、高齢者の場合、ヘモグロビンA1cの目標値と下限値が定められています。
まず、認知機能とADL(日常活動動作)を正常・少し低下・介護が必要なほど低下、の3段階に分けます。

これに応じて、血糖コントロール目標を、少しずつゆるめていきます。さらに、低血糖が心配される薬を使っているかどうかでも数値が変わります。
当てはまる薬は、注射薬のインスリン製剤、のみ薬のスルホニル尿素薬グリニド薬です。
使っていれば、血糖コントロール目標をさらにゆるめます。

低血糖を防ぐには

低血糖を防ぐには

低血糖を防ぐには自分が低血糖を起こしやすい薬を使っているかどうかを、知っておくことが大切です。とくにスルホニル尿素薬に分類される薬は複数あるので、医師に確認しましょう。薬は定められたとおりに服用してください。

食事は、できるだけ同じ時間に、いつもとほぼ同じ量をとるようにしましょう。また、運動するときは、ビスケットなどの補食を用意します。運動中、あるいは運動後に食べると低血糖予防に役立ちます。

CGM(持続グルコース測定)で低血糖を発見する

低血糖を発見する
低血糖を発見する

睡眠中など、これまで低血糖が起こっていても気付きにくい場合が少なくありませんでした。そこでCGM(持続グルコース測定)を行うことで、低血糖を発見しやすくなっています。CGMではセンサーを上腕の後ろ側に刺します。すると、皮下組織のブドウ糖濃度を連続で記録することができます。このセンサーに受信機を近づけると、現在のブドウ糖濃度とここ8時間の変動が表示されます。CGMを使うことで、血糖値の変動の傾向がわかり、どんなときに低血糖を起こしやすいか確認することができます。

また、食事や運動、薬を使うタイミングなど血糖管理のための大切な指標にもなります。この形式のCGMは2017年9月からインスリン治療を行っている場合は保険適用になっています。

詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2018年9月号に詳しく掲載されています。

きょうの健康テキスト
テキスト発売中
購入をご希望の方は書店かNHK出版お客様注文センター
0570-000-321まで
くわしくはこちら