【障害者陸上 世界選手権】競技6日目の様子は?(10/27) #Doha2015
2015年10月28日(水)
- 投稿者:web担当
- カテゴリ:Road to Rio 2016
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大会6日目の今日は、午前9時半から競技がスタートしました。本日最初の種目女子100mT11(視覚障害)の予選に出場したのは高田 千明選手。ガイドの大森 盛一さんと一緒に走ります。※お二人のインタビューはこちらから。
高田選手と同じクラスの選手には面白いアイマスクの選手が何人かいました。こちらはイタリアのDedaj選手、スパイダーマン?!障害者スポーツならではの用具にも、楽しみ方がありますね。
午前中のドーハは本当に暑いです。選手の皆さんに、暑さの中での調整についても質問していますが、「暑い!」という選手と「日本の暑さに比べれば平気」という意見に分かれます。普段ロンドンに住んでいる私にとって、この暑さはかなりこたえます…。
こちらはドイツチームでしょうか?スタンドからカメラで撮影しているようですが、カメラにだけ小さなパラソルが付いています。ご自身は暑くないのでしょうか?
暑さがこたえるのは夏も涼しい欧州から来ているチームやメディア、スタッフにとって共通の悩み。会場では色んな日よけの方法が工夫されています。
こちらはテレビ局がインタビューをするエリア。炎天下ではカメラも熱くなってしまうので午前中だけテントが建てられています。日陰ならなんとか私も大丈夫です!
カメラマンもタオルを被っています。
屋根の上のカメラマンも一人に1つパラソルが与えられていますね。
今日は地元の学校から招待された生徒さんたちが大勢観戦に来ていました。人気なのは日陰の席のようですね。選手のサインをもらったり一緒に写真を撮ったりした子供たちもいたようです。
松永 仁志選手・400mT53(頸髄損傷・脊髄損傷・切断・機能障害/車いす)の予選。53秒48で決勝進出しました!決勝の様子はこのブログの最後に。
廣道 純選手も同レースに出場、54秒08で決勝進出ならずでした。
「今日のレースについては、3月一番落ちていたところから比べると大分戻ってきて、代表に選んでもらえたことが来年につながったかなと思う」とおっしゃっていました。※廣道選手のインタビューはこちらからご覧いただけます。
日本での取材に当たっているスタッフから、廣道選手の背中の筋肉がすごい、と聞いていたので、どんなトレーニングをしているのかという質問をしてみました。「腹筋背筋がきかないので、腕しか使えないなか、“残っている上半身の部分”を使い練習量をこなすと自然にこうなりました」と教えていただきました。「じゃあオフの時に背中見せるんで、よかったら来てください!」と言われたので、思わず「是非!」と答えてしまった私でした。
永尾 嘉章選手(主催者提供の写真から)
400mT54(頸髄損傷・脊髄損傷・切断・機能障害/車いす)予選に出場した永尾 嘉章選手。49秒46で決勝進出ならずでした。
永尾選手はこの種目が今大会最後でした。「とにかく悔いが残らないように自分の持っている引き出しを全部出してやれたレースだったので一番すっきりするレースだったと思う」とお話しされていました。…“勝負”という、スポーツ独特の感覚を覚えます。
熱烈な声援を送っているのはインドチーム。やり投げの会場を見下ろすスタンドです。
こちらもやり投げの会場の前。中国チームのコーチでしょうか?ほとんど怒っているかのような勢いで選手に指示をしていて少し驚いてしまいました。
やり投げの競技。暮れかかる空に一筋のやりの航跡が美しいです。
主催者提供の写真にはこのような幻想的な写真も。こちらはロシアのNikita Prokhorov選手。
男子100mT47(切断・機能障害/立位)の決勝に進んだ多川 知希選手。多川選手のレースの前には、選手の名前がコールされるごとに各国が歓声をあげて、ちょっとした応援合戦のようになりました。
一番右が多川選手。
結果を待ちます。
多川選手は11秒29のタイムで7位。シーズンベストの記録でした。もちろん順位で言えばもっと上に行きたかったのかもしれませんが、何か自分の力を出し切った選手の清々しさを多川選手の笑顔の中に感じたような気がします。※多川選手のインタビューと、この決勝の模様はこちらからご覧いただけます。
勝負の世界、結果が全てという人もいるのかもしれません。私たちメディアは結果に飛びつきがちでもあります。でもアスリートご本人の口から「自分の力を出し切れた」と聞くとなんだかほっとします。やっぱり、誰だって悔いだけは残したくないはずですから。
こちらは勝者、ポーランドのDERUS Michal Mateusz選手。10秒73のタイムでした。
女子100m・T36のレースに出場した加藤 有希選手のインタビューの様子。加藤選手は16秒65のシーズンベストで8位でした。
今日も安田 享平ヘッドコーチが選手たちを待っていました。
昨日、銀メダルを獲得した上与那原 寛和選手。一夜明けて、今日は100m・T52(頸髄損傷・脊髄損傷・切断・機能障害/車いす)のレースに。18秒76でシーズンベストでしたが決勝進出ならず。でも、400mは金メダルを見据えていることをほのめかす?コメントをいただきました。楽しみにしています!※インタビューはこちらからご覧いただけます。
100mT51(頸髄損傷・脊髄損傷・切断・機能障害/車いす)のレース。T51は、重い障害のクラスです。右から二番目は井上 聡選手。25秒63のタイムで決勝進出ならずでした。※井上選手のインタビューはこちらからご覧いただけます。
こちらは9月ジャパンパラ参加時の井上選手。井上選手は肩から下の部分が思うように動かすことができないそうです。膝の上に顎を載せ、支えています。T51というクラスの選手は、足だけではなく両手にも重い障害があり、握力や腕を伸ばす力は弱く、腕を曲げる(肘を曲げる)力が頼りです。
そのため、ハンドリム(漕ぐところ)の後ろ側を「引き上げるように」力を伝える選手が多いのだそうです。
クラスによって違う、技や工夫を積み重ね、記録を狙う…それがパラスポーツの魅力ではないでしょうか?
こちらは同じクラスの平山健悟選手。25秒13のタイムで自己ベストでした。
なにやらすごい物音がしたのでそちらの方向を見てみると、レーサーが1台壁にクラッシュした様子。樋口選手の予選のように複数のレーサーを巻き込むクラッシュにはならずにすみましたが(リンク先上の動画、3分25秒当たり)、メディカルチームが慌てて飛んできて選手をチェックしていました。幸いおおごとにはならなかったようです。
スピーディーでダイナミックな競技だけに迫力もあるわけですが、自転車競技と同じようにこういったアクシデントは避けられないのですね。。
山本 篤選手は昨日の練習時から腰に違和感があったとのこと。メディカルチェックの結果、安静が必要ということになり本日の200mは欠場になりました。でも最終日の4x100mリレーには出場されるとのことなので、それまで楽しみに待つことにしましょう。
会期半ばで疲れもたまってきたのか、今日は会場全体になんだかまったりとした雰囲気が。というわけで会場MCの方が頑張って盛り上げようと試みていました。
そして流れてきたのはどこか懐かしいポロンポロンと鳴るギターの音色。ギリシャの民族音楽のようです。それに合わせて手拍子が始まりました。
フィールドの進行担当の方も、
スタンドの選手たちも、
そしてボランティアの人たちも、手拍子!
メディアの人たちも何気にリズムを取っていました。
後列、赤い服装のイギリスチームが盛り上がっています。彼らが待ちかねていたのはHenson選手とWhitehead選手でしょうか。我らが山本選手と同じクラスになります。
T42の選手には両足義足の選手もいます。膝がない足で義足を使ってトップスピードで走る…バランスをとるだけでも難しそうです。昨日の幅跳びに出場したアメリカのWoods選手のような方もいますが、体にはかなりの負担がかかっているそうです。痛みに耐えながらその翌日にまたレースに臨んだ選手達。本当に戦いのような凄まじさがあります。
Woods選手は25秒85のタイムで決勝進出!本日28(水)23:31頃からレースが始まります。
ロンドンパラリンピックで記録した自身の持つ世界記録をさらに更新し、24秒10のタイムで決勝進出をきめたのはイギリスのWhitehead選手でした。
テレビのインタビューに答えています。でもこれはまだまだ予選。勝負の行方はいかに…明日が楽しみですね!※世界記録を出した予選の様子は、こちらからご覧いただけます。
時計を見るとまだ9時半。まだまだプログラムは続いている、ということで作業を終えて再び会場に戻ってみると・・・え、TV局が全社撤収してしまっている?!
なんだか閑散としてしまった会場を盛り上げるためにガンナムスタイルがかかりました。会場に残された人たちを盛り上げて踊らせようとします。会場のスクリーンに映し出された人は音楽に合わせて踊らなければいけません!スクリーン裏、右側の白い服の方々はほっとしていることでしょう・笑。
そんなまったりムードの会場でもこの方は集中力全開。獲物を捉えようとするこの目つき…そう、カメラマンの越智 貴雄さんです。選手たちの間では“スナイパー”と呼ばれています。
本日最後の日本人選手の登場。午前中に400mT53(頸髄損傷・脊髄損傷・切断・機能障害/車いす)決勝進出を決めた、松永選手です。結果は55秒17のタイムで8位入賞されました。※決勝の様子はこちらでご覧いただけます。
昨日は日本チームのメダルラッシュで盛り上がり、私も競技場を駆けずり回っていたのですが、今日は夕方の部も予選が多かったこともあり、少しスローペース。ボランティアやスタッフの人にも少し、疲労が見えています。みなさん、お疲れさまですね。またクライマックスに向けて!
(文・写真 鈴木祐子)
◆全日本人選手の出場スケジュール、試合結果は ⇒日本人選手スケジュール
◆今大会の見どころは ⇒日本人選手、大会の展望は?
◆関連サイト
Road to Rio(競技編)パラリンピックを理解して楽しもう!~陸上競技~
Road to Rio vol.33 「ドーハ、そしてリオへ ~日本パラ陸上競技選手権大会~」
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