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体験で変えよう防災意識

執筆者菅井智絵(キャスター)
2022年09月08日 (木)

体験で変えよう防災意識

9月1日は「防災の日」。
1923年9月1日に関東大震災が発生し、大きな被害をもたらしました。
そこで、この日を忘れることなく災害に備えようと1960年に「防災の日」に制定されました。

その「防災の日」に放送した中継、あっぷるライブは
青森市にある『青森県防災教育センター』についてお伝えしました。

ここは防災について学べる体験型の施設で、
幅広い年代の方が訪れるそうです。一体どんな施設なんでしょうか…

青森県防災教育センターは、県の施設で40年ほど前に青森県消防学校内に
開設され、東日本大震災の後にリニューアルもされています。

災害について様々な体験ができ、県内の幼稚園児から高校生が
防災について学びに来る他、地域の民生委員の方なども訪れているそうです。

【体験①】

消火体験

まず、水消火器の消火体験ができます。
消火器、触ったことがないという方も多いのではないのでしょうか。

▼消火器の使い方の手順 
(1) 上の黄色い栓を抜く 
(2) ホースを外して、持つ 
(3) レバーを握って噴射

ここで、青森県消防学校の副校長で
この施設の案内を行っている工藤弘樹さんにアドバイスをいただきました。

工藤弘樹さん

「狙うのは、火が立ち上がっている根元部分です。この時、ホースの先の方を持つと狙いが定めやすくなります。」

工藤さんの助言通り、ホースの先の方を持つと自分が水をかけたい部分に命中するようになりました。

煙が天井まで届いた場合は、消火器では消せません。
危険ですので、すぐに避難し消防隊の到着を待ってください。

【体験②】

次にご紹介するのは、煙避難体験です。
火災から避難する時の合言葉「おはしも」を心に留めておきましょう。

合言葉「おはしも」

このテントの中に煙が入っています。
もちろん、体に害のないものなので安心してください。

テント下部分

テント上部分

火事で亡くなる人のほとんどは、有毒な煙を吸って意識をなくし逃げられなくなってしまうそうです。上の写真のように煙は上に溜まるので、できるだけ低い姿勢で、煙を吸わないことが大切です。

煙避難体験をしてみて、私は前が見えず恐怖感を覚えました。
また、ちゃんと前に進めているかが不安でした。

工藤さんにお聞きしたところ、実際の火事の煙は黒く、全く方向感覚がない状況に陥るそうです。そのため、壁伝えに避難することがポイントだということです。

そしてこの施設の見どころはこちら!

地震体験ができる装置

【体験③】

地震体験ができる装置です。
この機械では実際に起きた過去の地震や、今後起こるかもしれない想定の地震の揺れを体験することができます。過去の地震の揺れの長さ、縦揺れ横揺れといったところまで再現してくれます。

普段、工藤さんと一緒に施設の案内を行っている
防災教育センターの越田春香さんにもアテンドに加わっていただきました。

防災教育センターの越田春香さん

この日体験したのは県内にも大きな被害を及ぼした東日本大震災の揺れです。
最大震度7を体験することができます。

装置の後ろにある画面には、地震が発生した際の想定の街の様子が映し出されます。

装置の後ろにある画面には、地震が発生した際の想定の街の様子が映し出されます。

はじめは小さい揺れだったんですが、徐々に揺れが大きくなり
棚がバタンと倒れてきました。腕、脚、手に全力で力を入れていても
飛ばされてしまいそうなくらい大きな揺れでした。
同時にガタガタと揺れる音に恐怖を感じました。

越田さんはこの地震体験をした人の様子を見て
「家だと隠れる場所がないかも」「怖くて動けないと思う」など自分事として
ちゃんと考えてくれているなと感じていると話していました。

この機会に、もしも大きな地震が発生した際に
どこに隠れ身の安全を図るのか、自宅や職場など想定して考えるのも
いいかもしれませんね。

大きな揺れに見舞われたら、まず身の安全を守ることが第1です。
そして次にドアや窓を開け、避難のルートを確保します。

そして、いざ避難するぞとなった時
またはライフラインが止まってしまった時への備えは大丈夫でしょうか。

ここでは、いざという時に備えておくべきものの現物を展示しています。

いざという時に備えておくべきものの現物を展示

水は成人1日あたり3リットルを目安に準備しておきましょう。
この3リットルというのは、食事用と飲料用なので
これに加えて生活用水を備蓄しておくと安心です。

越田さんは、防災は身近にできる小さなことから始めるのが大事で、
いざ災害が起きたら手に入りにくいものもあるので、予め準備しておくことが
大切だと話していました。
最後に工藤さんに、この施設を訪れた方に
どんな心の変化があることを期待したいか伺いました。

工藤さんは熱い眼差しで

「自分や家族の身の安全を確保するための最善の方法を考えていただきたいです。ここで体験することで、自分ができる防災が何かを考えるきっかけになればいいなと思います。」

と語ってくださいました。

家にある備蓄品を見直してみる。地震が起きたときの避難先について
家族と相談してみる。家の家具に防振粘着マットを付けるなど…
できることからはじめてみるのもいいかもしれませんね。

青森県防災教育センターは通常平日のみの開館ですが
11月までは第3日曜日も開館しています。

青森県防災教育センター
▼前9:00~後4:00 
▼見学無料 
▼予約制 
▼017-788―4221

青森県防災ハンドブックの公式キャラクターおまもリスと、
シャモリくんも交えて記念撮影しました。

ご多忙の中、ご協力いただきまして誠にありがとうございました。

私自身、様々な体験を通して日頃から災害への対策を
怠ってはいけないなと強く思いました。

みなさんと一緒に

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