徳島 驚きの糖度70! 幻の大和干し柿づくりが最盛期
- 2023年12月14日
徳島県阿波市の農家で、糖度70という驚きの干し柿の生産が最盛期を迎えています。
その名は「大和干し柿」。
どんな柿なのか取材しました。
驚きの糖度70! 大和干し柿
これが大和干し柿。
凝縮された甘みと、もちっとした食感が特徴です。
甘さの目安となる糖度は、なんと70度!
この干し柿となる大和柿は、阿波市の農家で育てられています。
古くから徳島県内で干し柿用に栽培されている柿です。
しかし、風で葉が実に触れるだけで傷がつくほどデリケートと言います。
変色もしやすく、市場にはあまり出回りません。
そのため、「幻の柿」とも言われています。
大和柿は糖度が高いのが特徴。
一般的な柿の糖度が15~16度と言われるのに対し…
大和柿はこのとおりです。
その味を信じ続けて、作り続けて
柿を栽培して40年の
三木 真一(みき・しんいち)さんと妻のみずほさん。
しっかり色づいた熟した柿を選んで収穫しています。
およそ100年前、三木さんの祖父が、高い糖度に注目し導入しましたが、
変色などで見た目が悪く、売れない柿でした。
他の産地では、違う品種を作り始める中、三木さんの農園では、その味を信じて栽培を続けました。
真一さん
外側はきたなくても、むいたら見事なマンゴー色。どの柿でもこの大和柿の甘さにはかなわないと思います。自分で作って知っていましたから。
今から20年前、インターネットで干し柿用の生柿の販売を始めたのをきっかけに、徐々にですが注目を集めるようになります。
8年前からは、自前で大和柿の干し柿作りを始めました。
人気も高まり、リピーターが増えています。
手間暇かける干し柿づくり
その干し柿作りには、手間がかかります。
まず、1つ1つピーラーで縦に皮をむきます。
この方がきれいに仕上がるとのこと。
皮をむいた柿は、10秒ほど熱湯につけて殺菌することで、カビの発生を防ぎます。
次は乾燥。その期間は、およそ1か月。
太陽の光に当てて、水分がぬけることで甘さが凝縮されて3倍ぐらいの甘さになります。
10日間干した柿は、中を見ると、こんな感じ。まだ水分が残っています。
ここで大事な作業が、柿を”もむ”こと
妻の三木みずほさんによると、中の繊維をほぐすようにもむと、内側の水分が表面ににじみ出てきて、柿の中の水分が均一になります。
こうして内も外もよく乾かすことでモチモチの食感を生み出すことができます。
1日に1000個ももむそうです!
手を挙げる角度が辛くて、肩がこる作業です。
もむことを繰り返し、1か月干すことで、大和干し柿が完成します。
みずほさん
大和柿という柿はまだまだ全国に知られていません。色んな食べ方がありますので若い人たちにも食べてもらえる工夫をしていきたいと思っています。