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よもぎを徳島の特産品に ソーラーパネルの下で栽培 三好

  • 2023年09月08日

    ソーラーパネルの下は、青々としたよもぎ畑。三好市三野町にそんな場所があります。いったいどのように育てられているのか。日笠まり絵キャスターが取材しました。

    ソーラーパネルの下はよもぎ畑

    三好市三野町に立ち並ぶソーラーパネル。この下は、長年使われていなかった耕作放棄地でした。

    住宅地に立ち並ぶソーラーパネル

    この場所を利用して、草餅やよもぎ団子などに使うよもぎが栽培されています。

    青々としたよもぎ

     よもぎは、日陰で育つ方が葉がやわらかくなるほか、えぐみも少なく食用にしやすいといいます。水をあまり必要としないよもぎにとって、雨をしのげるソーラーパネルの下は適した環境なのです。 

    未経験からよもぎ栽培に取り組む

     栽培しているのは、清水雅文(しみず・まさふみ)さん。 

    大阪出身で、長年商社で働いていましたが、いつか農業をやりたいと考えていました。

    商社で働いていたころの清水さん

     母親の出身地という縁と、太陽光発電に関わる友人から「ソーラーパネルの下で農業をしないか」という誘いもあり、おととし三好市三野町に移住しました。 ソーラーパネルの下はもともと耕作放棄地だった水田。

    なぜそこで農業をしようと思ったのかというと・・・。

    「この地域をはじめ、全国的に耕作放棄地というのが問題になっているんです。そこを有効利用することによって地域に還元・貢献できるかなと思っています」

     生産者の少ない農作物だからこその苦悩

    国内での生産量が少ないよもぎですが、和菓子作りなどで需要は安定しているため、チャンスがあると考え、清水さんはよもぎを栽培することを決意しました。 しかし、栽培を始めるにあたって、多くの苦労もありました。 

    「畑自体が狭くて、ソーラーパネルもあるので、基本的には手作業で作業しています。そして、よもぎ自体がやっぱり全国的に生産者が少ないというところで、マニュアルがなくて本当に手探りの状態で作ってきました」

    長年耕作放棄地だったこともあり、まず畑の除草作業から始まったそうです。草木がかなり生い茂っていて、大変だったそうです。

    手探り栽培3年目 よもぎ栽培の難しさ 

    よもぎ栽培を始めて3年目となる現在は、5ヘクタールの畑で、地域の人たちと一緒に作業しています。

    よもぎは春から秋にかけてが収穫時期です。収穫量は年々増えていき、ことしは10トンを見込んでいます。  ただ、3年目となる今も栽培に悩むことがあるといいます。

    畑の周りに溝を作っている

    「ここがもともと水田だったから、ものすごく水はけが悪いんです。本当に水はけが悪いから周りをスコップで掘って溝を作っています。明渠(めいきょ)というものなんですけれども。水をできるだけ外側に流すようにして、ほ場内は水がたまらないように工夫をしています。手作業でスコップで掘るので、ものすごい労力で」

    よもぎを徳島の特産品へ 地域活性化を目指す

    さらに清水さんは、よもぎの魅力を知ってもらいたいと、地域と関わりながら普及に努めています。 地元の飲食店では、 ペーストにしたよもぎを麺に練り込んだ「よもぎうどん」を提供しています。

    麺も緑色です

    よもぎのさわやかな味が口いっぱいに広がり、スッとするような香りが鼻から抜けていきます。

    麺に練り込まれている緑色の粒々がよもぎの繊維

    よもぎの利用は食べ物だけにはとどまりません。清水さんは社会福祉法人と協力して、入浴剤を製作しています。

     手作業で収穫したよもぎを乾燥させ、裁断したものがこちら。それをよもぎの葉を袋に詰めて封をしたら完成です。三好市や東みよし町などのふるさと納税の返礼品にもなっています。

    そして今、清水さんは、よもぎを使ったそうめんの乾麺を作るという新たな挑戦をしています。 

    よもぎのパウダー(試作段階のもの)

    「本当によもぎは繊維が多くてパウダーにするのが難しいんですけれども、この近くでいうと半田そうめんが有名なので、県西部の良さを知っていただくものになればいいなと思っています」

     よもぎを徳島県を代表する特産品にしたい。清水さんは、よもぎ作りによって地域にいい循環が生まれることを期待しています。

    「ゆくゆくはその地域の産業へ、もっといったらその農業で収益が上がるということがわかれば若い方も残ってくださると思いますし、どんどん高齢者が増えてくる中で、農業される方っていうのも減ってくるので、農業するところがない、減ってきている中なんですけども、自分が来て地域で役立つことができたらなと思っています」

     清水さんは、よもぎについて知ってもらいたいと、収穫の体験会も行っています。次回は来年5月ごろに開催する予定だということです。

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