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徳島ヴォルティス 子どもたちにプロの仕事を語る!

NHK徳島 開局90年記念「阿波っ子フェス」トークイベント
  • 2023年12月11日

徳島ヴォルティスの西野太陽選手と前原久昭トレーナーが、子どもたちに、プロの仕事を紹介。NHK徳島放送局開局90年のイベントに登場しました。何を語ったのでしょうか。

「NHK徳島 阿波っ子フェス」を開催

NHK徳島放送局では、開局90年を記念して「阿波っ子フェス」と題したイベントを、12月9日(土)10日(日)の2日間、開催しました。恐竜の世界をゲームやAR(拡張現実)で楽しめるコーナーや、NHKが開発したデジタル技術を体験できる展示が設けられ、家族連れなど多くの方でにぎわいました。ご来場いただいた皆さん、どうもありがとうございました。

開局90年記念「阿波っ子フェス」を開催

トークイベント プロのお仕事紹介します

会場ではトークイベントも行われました。12月10日(日)は、徳島ヴォルティスの西野太陽選手、前原久昭トレーナーが登場。シーズンオフにもかかわらず、かけつけてくれたお二人に感謝です。今回は主に「子どもたち」を対象にしたお話ということで、子ども時代の思い出を交えながら、「プロの仕事」について、やりがいや、難しさを語ってくれました。

西野太陽選手     前原久昭トレーナー
たくさんの子どもたちが来てくれました!

今季飛躍のシーズン 徳島市出身 西野太陽選手 

西野太陽(にしの・たいよう)選手

西野太陽選手は、徳島市出身の21歳。プロ3年目です。小学生の時は、田宮ビクトリーで全国大会を経験。徳島ヴォルティスジュニアユースから、京都橘高校を経てプロ入り。今シーズンは32試合に出場し3ゴールをあげ、出場時間を大幅に伸ばしました。シーズンを通して主力としてプレーし、FWに加え、サイドバックとしても活躍。可能性を広げるシーズンとなりました。

けがをした選手を復帰に導く 前原久昭トレーナー

前原久昭(まえはら・ひさあき)トレーナー

前原久昭トレーナーは、鹿児島県出身の37歳。Jクラブのトレーナー歴11年です。鹿児島の国分高校出身。トレーナーに役立つ資格を取得し、2013年にザスパクサツ群馬、そして2015年から徳島ヴォルティスに加わり、今シーズンで9年目です。現在は、けがをした、別メニューの選手を支えるトレーナーとして活躍。選手に信頼されるトレーナーとしてチームを支えています。

西野選手 子どもの頃の「今に生きる経験」

司会は下境秀幸アナウンサー(左)

下境
Q西野選手、主力としてプレーした今シーズンを振り返って、いかがですか?

西野太陽選手

西野選手
ことしはたくさん試合に出て、いい時も悪い時も選手としてすごく成長できたシーズンだったので、この1年は本当に充実した1年だったなというふうに思います。

下境
Qシーズン前には、これだけ出場時間を大幅に増やして、いろんなポジションで出場することは考えていましたか?

西野選手
いや、全く考えてなかったので。でも、そうですね、試合を重ねるごとにかなり成長を実感できたので、全然やれないことはないなっていうのは思いました。
(ウイングバックやサイドバックは)やったことのないポジションというのもあったんで、FWの時とは全然違った準備の仕方っていうか、まあわからないことを先輩に聞いたり、このポジションをやっている海外の選手のプレー動画を見たりっていうような準備は、やっぱりいっぱいしましたね。

         西野選手   前原トレーナー

下境
Q小学生の時に全国大会に出場したということですが、西野さんにとってどんな経験になりましたか?

西野選手
小学校の時に全国大会に出て、全国のレベルを知ることができて、よりプロになりたいっていう気持ちが芽生えたので、やっぱり今の自分にはすごくつながってるなっていう感じです。
僕だけじゃなかったんですけど、やっぱり全国を経験した後は、みんなひとりひとりグラウンドに残る時間が長いっていうか、特にやることはなくても、ずっとみんなボールを蹴ってるみたいな環境が常にできてたんで、そこからまた一つ強くなったなって思いました。ひとりがやりだしたら、みんなやってるみたいな環境ができてましたね。

中学生の時の西野選手(中央)

下境
Qこの写真は、スペインの強豪バルセロナのホームスタジアム「カンプノウ」で撮ったものですね。中学生の時、スペイン遠征に参加したんですよね。

西野選手
そうですね。スペインで開かれた大会に、ヴォルティスジュニアユースとして参加しました。同じグループに、バルセロナジュニアユースがいて、実際に対戦することがあって、ボコボコにされたんですけど。0対6とかだった気がするんですが、でも、そのおかげで、海外でサッカーをしたいっていうのも思えたので、すごくいい経験になったなっていうのは、今でも思います。

         西野選手(右)

下境
ちょっと前のような気がしますけど、かわいらしいですね。ダブルピースですよ。

前原さん
かわいらしいですね、この頃は。

下境
「この頃は」ですか(笑)。

トレーナーはよく観察する仕事!?

前原久昭トレーナー

下境
Q続いて、前原久昭トレーナーの仕事を紹介してもらいましょう。きょうは特別に、写真をお借りしました。これは何をしているところですか?

仕事中の前原トレーナー

前原さん
練習前に、選手のマッサージというか、体をほぐしている場面です。

             前原トレーナー(右)

下境
これは一緒に走っていますね。

前原さん
一緒にリハビリで走っている写真だと思います。

下境
Qトレーナーの方が、リハビリをする選手たちと一緒に走っているのは、私たちも取材で見るんですけど、どんなことを意識しながら、選手と接しているんですか?

前原さん
そうですね、けがをしている選手っていうのは、特に大きいけがになればなるほど、長い期間、離脱しないといけなくなるんですけど。本当にこのけがは治るのかなとか、そういった、まあすごく不安を抱えている選手がいたりとか。やっぱりけがをして試合に出られないとなった時に、他の選手にポジションを取られちゃうんじゃないかとか。試合に出られなくなったら来年契約もらえなくなっちゃうんじゃないかとか。そういった、不安だったり焦りを持っている選手と接することがあるので。そういった選手に、まず「こういうけがは、こういうリハビリとか治療をすればしっかり治るよ」とか、そういったポジティブな声かけをするのももちろんですけど、あとは、このけががどういうけがか、というのをしっかり話をしてあげて、逆に、このけがはこういうふうに無理をしたら、再発して長くなっちゃうよとか、そういったデメリットの部分もしっかり話してあげて。選手はどうしても、練習をやりたいやりたいっていうのが基本になってくるので、しっかり話をして、しっかりプロとして線を引いてあげるのが、難しさだと思っています。

   前原トレーナー

下境
Qけがをした選手の復帰時期は、どう判断していますか?

前原さん
基本、僕が、けがが治ったかどうかを、しっかり、体の状態もそうですし、実際にピッチで同じぐらいの負荷をかけてどういう反応が出るのかっていうのを見た中で、練習に戻せるだろうと判断できたら、フィジカルコーチっていう、練習に入る前にコンディションを上げてくれるコーチがいるんですけど、その人にお願いして、そこで問題なければ、少しずつ練習に戻していくという感じです。

下境
Q例えば、けがをした選手が、ちょっと痛いけど、試合に出たいから、痛くないと言うとか、そういうことに遭遇することはないですか?

前原さん
それは、めちゃくちゃあります。まあ絶対、選手は「大丈夫」って言うので。「大丈夫」って言うんですけど、その時の表情が本当に大丈夫な表情をしてるのか。表情とか目を見て、やっぱり不安があるけど、やりたいから大丈夫って言う選手が結構いるので。そういう選手を見たら目が泳いでいたりとか、なんかちょっと不安はあるんだろうなあっていうのを感じながら。あとは 練習の中でしっかり100パーセントでやれてるのか、怖がっているように見えると判断するのか。まあそこは監督とかコーチとかと、見てもらった印象とかを話して、これは一回外して治療した方がいいよねとか、これは治療しながらがんばってやれるかなっていうところを、選手とかコーチとかとチームで話をして、まあ最終的に痛みはあるけどプレーさせられるのか、ここはもうしっかり休ませて、なるたけ最短で練習に戻すのか、どっちの方がいいのかっていうのは判断します。

トレーナーと選手のきずな

下境
Q西野選手も、今シーズン、一時戦列を離れていた時期がありましたけど、離脱中、西野選手はどういうタイプでしたか?

前原さん
西野選手は、そんなに大きなけがではなかったというのもあるんですけど、あんまり、けがをしても浮き沈みがないというか、けがをして、これぐらい休むのが必要だよという話をした時に、しっかりプロとして受け入れてくれて。リハビリするんだったら、一生懸命やってくれますし。普段から、なんかチャラチャラしている感じに見えるかもしれないですけど(笑)、本当に真面目で。練習に入る前の準備だったりとか、練習終わってから、けがをしないために他のコーチと体づくりをしたり、毎日取り組んでいるので、けがが少ないのかなとは思います。
 

西野選手
前原さんは、いつも今みたいに明るい雰囲気を作ってくれるんで。僕だけじゃなくて、みんなリハビリっていうところで不安を持ってる選手も多いと思うんですけど、まあ雰囲気作りから入ってくれるんで、やっぱりやりやすいなっていうのはみんな感じていると思います。

子どもたちへのメッセージ

下境
お二人から、子どもたちへメッセージを書いてもらいました。

二人から子どもたちへ

西野選手
「目の前のことに全力で取り組もう!」
まだ夢とか目標が見つかってない子もいると思うんですけど、やっぱり、まず目の前のことに全力で取り組むことが大事かなと思っていて、まあそうすることで自然と、これやってる時楽しいなあとか、これ目指してみようかなっていうのは自然と芽生えてくると思うので、まずは目の前の事になんでも、全力で取り組んでほしいなって思います。

前原さん
「コミュニケーションを大事に!!」
僕たちの仕事っていうのは、コミュニケーションを本当の意味でとることがすごく大事で、大丈夫って言ってるけど本当は大丈夫じゃないとか、相手の目を見たり表情を見たりして、相手がどう感じているのかをちゃんと理解して、相手が納得してくれるまでいろいろ話をしていかないと成り立たない仕事なので。学校生活とか、クラブの中で、やっぱり一方的だとどうしてもうまくいかないと思うので、本当に相手がどう感じているのかを、しっかり口だけじゃなくて、相手の表情を見て感じた上で、コミュニケーションをとることを大事にしていってもらいたいなと思っています。

 

西野太陽選手

下境
Q最後に、西野選手、来シーズンはどんなシーズンにしたいですか。

西野選手
ことしの結果を超えられるように。ことしよりも点をとって、ことしよりもアシストして、もっとチームの勝利に貢献できるようなプレーをしていきたいなと思います。

下境
お二人とも、本日はどうもありがとうございました。今シーズン、改めてお疲れさまでした。来シーズンも期待しています!

子どもたちにサインも

(トークイベントを終えて)
下境
プロの仕事ってたいへんです。でも意外と、ふだんの生活を大事にして、周りの人たちを大事にすることが、その人の力になっていくんですね。子どもたちへのお話、大人にとっても、響くお話でした。

  • 下境秀幸

    徳島局 アナウンサー

    下境秀幸

    サッカーをはじめスポーツ実況を長く担当。徳島では様々な分野が取材でき、発見の毎日。最近の趣味は、娘との百人一首かるた。

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