NHKスペシャル

シリーズ日本新生 熟年サバイバル
~年金減額時代を生きる~

「定年後は、年金をもらいながら悠々自適の生活…」、そんなサラリーマンの人生設計が成り立たない時代が始まった。厚生年金の受給開始年齢の引き上げが今年度からスタート。現在52歳以下の男性は65歳まで年金が受け取れなくなる。
定年後、ゆとりある生活を送るために必要な費用は、民間機関の意識調査によると月37万円で年金の受給額は月23万円、14万円の不足だ。
支給開始年齢の引き上げで、状況はさらに厳しくなる。「生きがい」のためだった定年後の就労が「生きるため」の手段とならざるを得ない状況になってきているが、定年後の職探しは厳しいのが現実だ。一方、今年から始まった「65歳までの希望者の雇用義務化」を受け、中高年社員の再教育に乗り出す企業も現れるなど、「シニアワーカー」の活用が人口減少社会の成長の鍵を握る課題となっている。しかし、60歳以上の増加する「シニアワーカー」の雇用を確保しようとすれば、若い世代との雇用のイス取りゲームが激化し、社会の不安定化を招くという指摘もある。どうすればシニアワーカーに活躍してもらい、社会全体に貢献してもらうことができるのか?そのために個人、企業、そして社会全体は何ができるのか?徹底的に議論する。