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地震火災 炎の海と火災旋風からどう生き残る?専門家解説【動画】

  • 2021年1月6日

大地震が起きたら、警戒してほしいのが火災です。
通常の火災とは違い、たくさんのエリアで同時に燃え広がる「同時多発火災」「火災旋風」が起きる危険性もあります。特に甚大な被害が懸念されるのが東京などに広がる木造住宅の密集市街地、木密地域です。

知ってほしいのは、逃げることが想像以上に難しいこと。生きのびるために必要な知識を解説します。

ナレーション:高井正智アナウンサー

恐ろしい同時多発火災

大地震が起きたら、まず警戒したいのが、「同時多発火災」です。通常の火災とは違い、たくさんのエリアで同時に燃え広がるという恐ろしいものです。

特に甚大な被害が懸念されるのが、木造住宅の密集地、いわゆる「木密地域」です。木造の家が軒を連ね、道幅も狭いため、延焼の危険性が非常に高いのです。

また、「火災旋風」と呼ばれる、竜巻のような巨大な炎の渦が発生する可能性もあります。

逃げることは 想像以上に難しい…

まず知っておきたいのは、こうした同時多発火災から逃げることは、想像以上に難しいということです。

火災の発生直後は、どこが燃えているのかが見えづらく、避難する方向もタイミングも、
よくわかりません。そんな状況でも、近くで火災が発生する前に、速やかに避難場所へと逃げなくてはなりません。

避難を始める目安は 「500メートル先に煙が2本以上」

避難を始める目安について、阪神・淡路大震災の時の映像を元に、兵庫県立大学の室崎 益輝さんに解説していただきました。

兵庫県立大学大学院 減災復興政策研究科 室崎 益輝 科長
「一つの目安は、遠く500メートルくらい先に、煙が2本以上、立ち上がっていると逃げるタイミングだと考えた方が良いと思います」

下の2枚の写真は、500メートルぐらい先で建物火災が起きている様子です。
一見遠くにみえますが、室崎さんは、これがもう逃げるタイミングだといいます。

室崎 益輝 科長
「向こうの方に煙が見えますが、ちょうどこのタイミングになると、もう避難しないといけないというような写真だと思います。これでも500mくらいだと思います。風が強いと、この段階で逃げないといけない。この段階だと遅すぎるぐらいです」

地震火災は普段の火災よりも避難が困難

地震の後は、がれきや大勢の避難者で避難ルートが塞がれる可能性があります。逃げ遅れることがないよう、できるだけ早く避難を始めてください。

また、火とともに怖いのが煙です。特にビルなどでは煙はすぐに充満して視界を遮る上、有毒なガスを含むこともあります。姿勢を低くし、煙を吸い込まないように布で口と鼻を覆いながら避難しましょう。

地震火災は、普段の火災とは違います。そのことを念頭に置いて行動してください。

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