地震後に火災が起きたとき、あなたの家の火を消し止める「初期消火をする」ことが、大規模火災を防ぐことにつながります。
そのために知っておきたいのが、火災発生直後にとるべき行動と消火器の正しい使い方です。
一方で、火はあっという間に燃え広がります。ある段階で初期消火をあきらめて、逃げることも大事です。逃げるべきタイミングも解説します。
ナレーション:林田理沙アナウンサー
地震が発生したら、揺れている間は、消火よりもまず身の安全の確保を優先します。まずは、テーブルなどの下に身を伏せ、揺れがおさまるのを待ちます。
火災が発生したとしても、火が小さければ、揺れがおさまってから消しても、十分間に合います。大声で火災を知らせ、助けを求めます。声を出すことで、冷静さを保つ効果もあります。
初期消火の必須アイテムといえば、消火器です。仮にあなたの家で火が出ても、消火器があれば、大規模火災につながる前に、消し止めることができるかもしれません。いざという時に正しく使えるよう、普段から使い方を確認しておきましょう。
1.安全ピンをぬく
2.ノズルを火に向ける
3.レバーを強く握る
4.消火の際は炎の上の方ではなく、根元の燃えているものに向ける
そして、落ち着いて消火することが肝心です。
ただし、初期消火を諦めて、すぐに逃げないといけないタイミングがあります。
それは、燃え上がった火が、「目の高さ」まで大きくなったときです。
下の画像をご覧ください。
炎が目の高さになってから、わずか20秒後には天井に火がつき、あっという間に燃え広がってしまいました。
そして1分後。辺り一面が火の海になってしまいました。
専門家も、火が目の高さになったら、即座に逃げるよう訴えます。
東京理科大学総合研究院 国際火災科学研究所 関澤 愛 教授
「ぜひ初期消火には努めてほしいのですが、目安としては、炎の高さが自分の目の高さ、背丈を超すようになったら、もう消火は諦めて、逃げる準備をするのではなく、即、逃げてください」
初期消火はスピードが肝心です。一人一人が正しい知識を身に着けて、大規模火災を防ぎましょう。
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