日本全国のバラ園で見ごろを迎えている「春バラ」。バラといえばその香りも魅力です。
実は、香りの嗅ぎ方にもコツがあるんです。どう楽しめばよいのか、バラの専門家にたっぷり教えていただきました。
バラの香りを楽しむ時のポイントを教えてくれたのは、バラの専門誌の編集長をつとめる玉置一裕さん。バラの品評や新品種のプロデュースを行うなどバラの知識が豊富で、これまで命名したバラの品種は110以上!バラの専門家です。
バラの専門家がふだん行うような香りの嗅ぎ方をご披露します。
ポイントは、エレガントに嗅ぐこと。香りがよくわかるだけではなく、スマートな所作がバラ園にマッチすると思いますよ。
エレガントなバラの香りの嗅ぎ方
◎花に鼻を近づけ、鼻からゆっくり大きく香りを吸い込む。
※花には絶対に触れない
◎息を吐くときは横を向き、自分の息が花にかからないようにする。
その気遣いがエレガント!
◎香りを嗅いだら、香りの余韻に浸って香りを存分に感じてみる。
玉置さんの所作、とてもステキです。バラの香りが、鼻の中をすっーと抜けていく。からだ全体に香りがめぐる感じがします。
「くんくん」香りを嗅ぐ人も多いと思うのですが、くんくん嗅いでしまうと他の香りが混ざってしまいます。一気にすっーと嗅ぐと、バラの香りだけが楽しめますよ。
ブルームーンストーン
実は、バラの花が放つ香りには、さまざまな香りが混ざっています。その香り成分は540種類、大きく7つに分類されるとされています。バラの香水を作るときに抽出されるバラらしい香り「ダマスク」を中心に、「フルーツ」、「紅茶の缶のふたを開けた時のような香り」など。どんな香りを感じ取れるか、楽しんでみてくださいね。
香りを嗅いでみますね。う~んいい香り。幸せ~!
甘さの中にちょっと紅茶のような香りも混ざっているような気がします。
いい感覚ですね!ダマスクの香り、フルーツの香り、それから紅茶の缶のふたを開けた時のような、ふわっとした紅茶の香りで、華やか。見た目も華やかで、ポンパドゥール夫人のドレスのようなイメージ。
香りを嗅いだら、そこからイマジネーションを膨らませていきましょう。
お題はこちらのバラ!「ヨハネ・パウロ2世」です。
教会のミサに参加した時のような清らかな香り。賛美歌が聞こえてきそう…。そんなふうにイメージしてみました。紅茶とかフルーツとかそういう表現だけではなくて、そこから飛躍していきましょう。
なるほど!レモンのようなさわやかな酸味を感じた後、甘い香りが追いかけてきました。そこから想像したのは・・・何かやさしい男性に包まれているようなイメージをしました。
すばらしい表現です!こうして、バラの香りからいろいろなことを想像して、語り合うのは、とても楽しいことですよね。
バラの香りをさまざまに感じて、とっても楽しい時間になりました!