連続テレビ小説「らんまん」の舞台は、あす(5月8日)いよいよ高知から東京へ移ります。主人公・槙野万太郎の妻、寿恵子を演じる俳優の浜辺美波さんにインタビューしました。
植物研究に金をつぎ込む夫のために、あの手この手で苦しい家計をやりくりする寿恵子。2人はどんなところにひかれあったのか?東京編の見どころは?浜辺さんにたっぷり聞きました。
(首都圏局/キャスター 髙橋香央里)
浜辺さんが演じるのは、東京下町にある菓子屋の看板娘、西村寿恵子です。神木隆之介さん演じる主人公・槙野万太郎と運命的な出会いを果たし、のちに結婚。植物ひと筋に生きる万太郎を生涯にわたって支える役どころです。
モデルは、「日本の植物分類学の父」と呼ばれた植物学者、牧野富太郎の妻、壽衛(すえ)です。浜辺さんは、牧野博士のふるさとにある高知県立牧野植物園を訪れ、牧野夫妻に関する資料を見て学び、役作りに取り組んできました。
牧野富太郎と妻の壽衛
Q.浜辺さんが演じる寿恵子のモデルになった、壽衛さんはどんなところに魅力がありますか?
浜辺美波さん
「壽衛さんは牧野富太郎博士と生涯を添い遂げました。その中で大変なこともすごく多かったと思うんです。博士が研究に没頭してお金が無くなってしまったり。たくさんお子さんもいましたし。あまり夫の力を借りずに、自分がたくましく、子育ても、お金の管理もしていったというのがかっこいいと思います。それを知ったときは本当に、なんて立派な方なんだろうと思いました。
壽衛さんは、家族を引っ張って道を開いていく、意志の強さがある女性です。かっこいいなと、いち女性として思いましたし、純粋に応援できる人柄だなと思います」
Q.牧野博士の、1つのことに集中する生き方はどう思われますか?
「本当にすごいなと思います。私はこのお仕事を小学校のときからやっていたので、途中で夢に変わって、この仕事を頑張ろうと思えたのですが、富太郎さんはちっちゃいころから植物が好きで、図鑑を作るという夢を早くから持っていました。見つけた夢をやり通したということが本当にすばらしいなと思います。
壽衛さんもその夢を、一緒にかなえたいという思いがあったと思うので、一緒に夢を見られることは幸せだろうなと思います」
高知県立牧野植物園で見た資料の中で、印象に残っているのは壽衛との手紙のやりとりです。「すーちゃん」「まきちゃん」と呼び合った仲むつまじい関係が役作りにつながっているといいます。
牧野博士との手紙のやりとり
「博士は壽衛さんのことをすーちゃんと呼んでいたそうなんです。それが、壽衛さんへの手紙の中に書かれていて、手紙の文字も、壽衛さんとやり取りする時は通常のものよりも少し丸文字だそうで。『あっ、なんと愛らしいエピソードなんだろうな』と思いました。
2人が、仲よく文通をしているのを見ると、お2人にはやはり強い絆があったんだろうなと、役作りする上でも救われた気持ちになりました。愛情があって、それが原動力になって夫の夢を応援できるという、それはすごく幸せなことでもあると思うので、演じていても楽しいです」
そして「らんまん」といえば、毎週登場するさまざまな植物も見どころのひとつ。浜辺さんが好きな植物もうかがいました。
「ちょうど春だから、タンポポが咲いているとちょっとうれしくなります。ワンちゃんを飼うようになってから出歩くようになりまして、道のお花の鮮やかさを見るとすごく気分が明るくなります。
ホトケノザも好きです。小さいころに、おばあちゃんと散歩していたときに咲いていて、『これはホトケノザだよ』と教えてもらったのをすごく覚えていて、お花を見ると思い出します。思い出があると、また好きになりますね」
ホトケノザ
いよいよドラマの舞台は東京に。寿恵子は万太郎と再会を果たします。浜辺さんは万太郎との未来をどのように思い描いているのでしょうか。
「たくさん困難がある中で、万太郎さんの夢を応援しながらも、自分は自分でいろんな楽しみを見つけながら切磋琢磨(せっさたくま)する。友達のようなではないですけれど、兄妹のような、そういう夫婦になって、つらいときでも楽しい心を持ち続けていきたいと思っています」
Q.東京編で、視聴者の方に注目してほしいところはありますか?
「万太郎さんとすんなりと結ばれることはなくて、いろんな道が開かれていくのですが、寿恵子がどういうふうに万太郎さんにひかれていくのか。
洋装をして鹿鳴館でダンスをするシーンも描かれたりもするので、またちょっとガラッと変わったドラマを楽しんでいただけるのではないかなと思います」
浜辺美波さんインタビューを、5月17日(水)午前11:30から、ひるまえほっと(関東甲信越)で放送します。
NHKプラスでは、同時・見逃し配信を全国からご覧いただけます。(5月24日午前11:54まで)
連続テレビ小説「らんまん」の放送は毎週月~土曜日、総合・午前8:00~など(土曜日は1週間分を振り返ります)。番組の詳しい情報はこちら