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【詳細】バスケ男子日本代表 パリ五輪出場決定 W杯最終戦 河村(横浜BC)ホーキンソン(SR渋谷)躍動

  • 2023年9月4日

バスケットボール男子のワールドカップ。来年のパリオリンピック出場権もかかる大事な1戦、順位決定戦の最終戦で、アフリカのカボベルデと対戦した日本は、80-71で勝利をつかみました。

最終戦のスターティングメンバーには、関東のBリーグチームに所属する河村勇輝選手(横浜ビー・コルセアーズ)、ジョシュ・ホーキンソン選手(サンロッカーズ渋谷)、比江島慎選手(宇都宮ブレックス)の3人も選出。
今大会、格上のフィンランド、ベネズエラ相手に劇的逆転勝利を飾った日本がどんな戦いを見せてくれたのか、クオーターごとに詳細な経過をまとめました。

第1クオーター・ 17ー19  関東ゆかりの選手 攻守光る

48年ぶりの自力でのオリンピック出場を目指した日本。
日本のスタメンは、河村勇輝(172cm/横浜ビー・コルセアーズ)、比江島慎(191cm/宇都宮ブレックス)、渡邊雄太(206cm/フェニックス・サンズ)、馬場雄大(195cm)、ジョシュ・ホーキンソン(208cm/サンロッカーズ渋谷)でスタート。

最終戦の相手・カボベルデは、世界ランキング64位で、日本の36位よりも下でワールドカップ初出場の国。中心選手は、身長221cmのタバレス選手。日本は、強化してきたリバウンドで競り勝てるかが勝負の鍵に。

残り9分37秒、先制点は日本。ホーキンソンがシュートに行ったところでファウルをもらい、フリースローを2本とも決める。序盤から河村や比江島のディフェンスも光る。
残り8分41秒には、渡邊が比江島からのパスを受けて豪快にダンクシュート。ファウルももらい、バスケットカウントでフリースローも決め1点を追加。
その後は、カボベルデが高さを生かすなどして続けてシュートを決め、5-11と日本が6点差を付けられる。

しかし、残り5分12秒、河村が中に切り込みシュート。続けて、途中馬場に変わって入った吉井裕鷹(196cm/アルバルク東京)が比江島からのパスに合わせシュート。9-11に。
その後、カボベルデがスリーポイントシュートを決めるなど得点を重ね、再び点差が開き11-19に。
やや膠着状態の中、残り1分26秒でスリーポイントシュートを決めたのが、ホーキンソン。

そして、残り1分を切ったところで入った富永啓生(188cm/ネブラスカ大学)、河村と同世代の22歳が、スリーポイントシュートに成功。17-19で第1クオーターを終えた。

第2クオーター・50ー37  河村&富永 22歳コンビ躍動 

第2クオーターの最初の得点もホーキンソン。ゴール下でファウルをもらいフリースロー1本を決めると、その直後にもジャンプショットで得点。20-19と日本逆転。
さらに、ホーキンソン、河村がスリーポイントシュートを決めるなどリードを広げ、残り7分51秒で26-21。

第2クオーター中盤からは、日本代表最年少の22歳コンビ河村&富永のナイスプレーが爆発。河村が巧みなドリブル、ディフェンスを抜いて切り込むドライブショットを決めると、富永もこのクオーターでスリーポイントシュートを3本連続で成功させた。カボベルデを突き放し、50-37で第2クオーター終了。

第3クオーター・73ー55  渡邊が体を張り 富永は止まらない!

第3クオーターは、カボベルデに2本続けてシュートを決められるも、残り8分あたりで、比江島と馬場がともにこの試合初得点。得点は54-41に。

残り6分には、渡邊が体を張ってディフェンスをし、カボベルデのシュート阻む。

残り4分34秒のところで、メンバー大きく交代。比江島・馬場に変わって富永・吉井。河村に変わって、キャプテン・富樫勇樹(167cm/千葉ジェッツ)が入る。
その富樫は、コートに入ってすぐの攻撃で、スリーポイントシュートを沈め、62-47。チームに勢いを与える。

残り3分50秒には、止まらない富永がスリーポイントシュートを決め、この試合6本連続のスリーポイントシュートで場内を沸かせる。

その後も、ホーキンソン、富永が決め、73-55で第3クオーターを終える。

第4クオーター・80ー71  比江島・ホーキンソンが悪い流れ断ち切る

最終クオーターは、日本はシュートを放つもなかなか入らず、7分以上も無得点の時間が続く。逆にカボベルデが追い上げを見せ、残り3分38秒、73-68と5点差にまで迫られる。

ここでタイムアウトを取った日本。トム・ホーバスヘッドコーチが、「自信持って打って。自信持ってトライ!」とげきを飛ばす。

その言葉にこたえるように、残り2分48秒、リバウンドに競り勝ち、さらにテクニカルファウルをもらった日本。チーム最年長・33歳の比江島がフリースロー1本を確実に決め、このクオーターの初得点。74-68に。

その後、ホーキンソンがシュートブロック、オフェンスのファウルを誘う体を張ったディフェンスをみせるが、ガボベルデの追い上げも止まらない。残り1分12秒で74-71まで迫られる。

背番号6 比江島のパスからシュートを放つホーキンソン

しかし、残り49.9秒。悪い流れを断ち切ったのは、この試合フル出場のホーキンソンだった。
河村から比江島にパス。そして比江島からホーキンソンに渡ったパス。
ホーキンソンは、ゴール下のシュートを確実に決めた上、ファウルをもらいバスケットボールカウント。フリースロー1本も危なげなく決め77-71に。

そして、残り19.9秒にも、吉井からのパスに合わせ、ホーキンソンがスリーポイントシュートを見事に決め、80-71で勝利。

パリ五輪出場決定!自力では48年ぶり

日本は、この大会で3勝2敗となり、順位決定戦の1位に。アジア勢6チームの中で1位となり、モントリオール大会以来48年ぶりにオリンピック出場を自力でつかみ取りました。

河村選手とホーキンソン選手、試合後のインタビューです。

河村勇輝選手(横浜ビー・コルセアーズ)
「すごくうれしいです。3勝というのは、応援に来てくれるファンや画面越しの皆さんの応援がなければなしえなかったと思います。
この1年間、しっかり準備してパリオリンピックの舞台に立てるように頑張りたいです」

ジョシュ・ホーキンソン選手(サンロッカーズ渋谷)
「日本のバスケのために頑張りたかった。日本の皆さん、大好きです。
とてもいい雰囲気の中でいいプレーができました。ありがとうございました」

3日に行われた記者会見では、トム・ホーバスヘッドコーチが、選手たちをたたえるとともに、オリンピックへの意気込みを語りました。

トム・ホーバス ヘッドコーチ
「本当にやりました。長い間一生懸命に練習して、このメンバーと一緒にプレーすることができて感謝します。最高です。全員がMVPです。
このチームはみんなが力を発揮できる。このチームはスーパーチームだが、どこが天井かはわからないので楽しみです。今回、すごい結果を出したが、まだまだできます。もっといいバスケットボールを見せたいです」

前回の自力出場 モントリオール大会出場のメンバーは…

日本が前回、オリンピックに自力で出場したのは、1976年に行われたモントリオール大会です。
当時の日本代表メンバーは、今回の日本の躍進をどう見ているのでしょうか。

東京都内に住む北原憲彦さん(68)はモントリオール大会に、明治大学在学中に出場。15年間にわたり、日本代表として活躍しました。
現役引退後は、女子の日本代表のヘッドコーチを務めるなど、日本バスケットボール界の発展に尽くしてきた北原さん。今回の躍進の背景にあったのは「Bリーグ」だといいます。

北原憲彦さん
「今回これだけ強くなった原因は、まず『Bリーグ』というプロリーグが協会指導でできたことによって、バスケットに対するレベルや取り組む姿勢、なおかつ人気もそれ以前の企業スポーツのときとまったく違いますね」

日本代表のニックネームは「アカツキジャパン」。
文字どおり、日本のバスケ界の未来を明るく照らしました。そのチームの特徴について北原さんは…。

「平面的に走って、ディフェンスを頑張れて、ドライブで2点を取れてスリーポイントを決められる。そしてなおかつ、プレイヤーとしてチームケミストリーを強固のものにできる仲間意識の非常に強い選手だけ選んでいるんですが、それが見事に思惑通りになりましたね。

本当に代表チームというのは、100年、何十年かけて受け継いで強化していく。その礎を今回のチームは本当に作ってくれました」

選手として、また指導者として長く日本のバスケットボールに関わってきた北原さん。来年のパリ大会でどこまで通用するか、注目しています。

「僕らの頃はもうオリンピックに出るだけでOKだと、準備もあまりできなかった。今はもうそうじゃないですね。間違いなくオリンピックに出てどこまでやれるかということを切り替えて準備していますし、僕自身も本当に期待しています」

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