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暑さ疲れとは 厳しい残暑にどう対処 猛烈な暑さや真夏日はいつまで

  • 2023年8月30日

7月下旬以降の気温について気象庁の検討会は「圧倒的な高温で異常気象だと言える」としています。猛烈な暑さが続き、専門の医師によりますと暑さでからだのさまざまな機能が損なわれることによって出る「暑さ疲れ」が多くの人にみられるということです。暑さ疲れはどんな仕組みで起きるのか、気象庁の長期予報による暑さの見通しとあわせてまとめました。

記録的な高温 都心は猛暑日が過去最多

この夏は全国的に猛暑が続き、特に7月下旬以降は38度以上の危険な暑さも相次いで観測され、北日本や東日本を中心に記録的な高温となりました。

ことし7月以降の東京都心の最高気温の推移をみますと、35度以上の猛暑日の日数が過去最多となるなど、記録的な高温となっています。
平年の最高気温を重ねると、この夏は、平年を上回る厳しい暑さが、ひと息つく間もなく続いていることがわかります。

“圧倒的な高温で異常気象”

7月下旬以降の暑さについて専門家による気象庁の「異常気象分析検討会」は「太平洋高気圧の本州付近への張り出しが記録的に強まったことが要因で歴代と比較しても圧倒的な高温で異常気象だと言える」と結論づけました。

さらに、この夏の日本の平均気温は1898年の統計開始以降、最も高くなるとの見込みも示しています。

夏休み明けの学校 熱中症対策を継続

長引く暑さを受け、夏休み明けの授業がまもなく始まる都内の小学校では子どもたちを熱中症から守る取り組みに引き続き対応していくことにしています。

このうち東京・世田谷区の烏山小学校では、朝と昼の最低2回は校庭で熱中症の危険度を示す「暑さ指数」を機器で測って、危険な状況と出れば、原則、校庭などの屋外で遊ばないよう子どもたちに知らせます。

体育などで校庭を使う場合は事前の準備などはできるだけ日陰で行い、水分をこまめに補給するよう促すことを徹底するほか、教室など屋内の授業でも10分間に1回は水分補給を呼びかけるということです。

猛烈な暑さ 9月は例年より多くなるおそれ

気象庁が8月22日に発表した9月からの3か月の予報によりますと、関東甲信は暖かい空気に覆われやすく3か月を通した気温は平年より高いと見込まれるとしています。

9月は猛烈な暑さとなる日が例年よりも多くなるおそれがあり厳しい残暑が続くほか、10月にも真夏日となる可能性があるということです。11月は平年並みか平年より高いと予想されています。

気象庁異常気象情報センター 楳田貴郁所長
「太平洋高気圧の影響で湿った空気が入りやすく、東日本の太平洋側では9月は降水量が増えると予想している。一方、厳しい残暑で熱中症の危険性が高い状態が続くと予想されるので、注意をしてほしい」

“多くの人に「暑さ疲れ」” 対策は

熱中症対策に詳しい済生会横浜市東部病院の谷口英喜医師は、暑さでからだのさまざまな機能が損なわれることによって出る「暑さ疲れ」が多くの人にみられると指摘しています。原因や対策などについて聞きました。

〇暑さ疲れとは
暑さの度合いが厳しく、さらにはその期間が長いため、暑さ疲れが多くの人に出ている。あまりにも外の気温が高いと体温のコントロールが追いつかず、私たちのからだはさまざまな機能がダメージを受けている。

〇疲れの原因は
胃液などはあまりにも体温が高いと機能しなくなり消化不良などになる。さらに暑さは血流などにも影響して栄養素や酸素が運ばれにくくなる一方、老廃物がたまりやすくなってこれらが疲れにつながる。また水分がじわじわと奪われていく「軽い脱水症」が疲れにつながることが最近明らかになっている。

その上で谷口医師は、長引く厳しい暑さへの対策として、涼しいところでの十分な休養や睡眠、それに栄養価の高い食事と水分をとることが必要だと呼びかけています。

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