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熱中症を防ぐには睡眠も重要!寝苦しい夜に快眠するポイントは?

  • 2023年7月20日

厳しい暑さが続く中、寝苦しい夜も増えていると思います。
夜も熱中症の危険性があり、夜間も冷房を適切に使用するほか、寝る際は枕元に水を置き、のどが渇いていなくてもこまめに水分を補給するなど対策を続けることが大切です。

さらに熱中症を防ぐためには「睡眠」も重要だということです。
夜、寝苦しくて十分に眠れないと、次の日の熱中症のリスクが高まる可能性があるということなんです。

そこで、今回は「熱帯夜でも快適に眠るためのポイント」について、暑さと睡眠の関係に詳しい和洋女子大学の准教授、水野一枝さんに聞きました。

ぐっすり眠るために大切になることは?

水野さんによりますと、ぐっすり眠るために大切になるのが深部体温ということなんですが、この深部体温とは、そもそも何なんでしょうか。

和洋女子大学 水野一枝 准教授
深部体温というのは体の中心部の温度です。深い部分の温度なんですけれども、大体37度ぐらいに保たれています。体の表面皮膚の温度よりはちょっと高いです。この深部体温が下がることで私たちは眠りについて、さらに深い眠りにつくということが分かってます。ですので、深部体温を下げることが快適な睡眠に欠かせないんですね」

では、その深部体温を下げるためにはどうすればいいのかと言いますと、大切になるのが寝室の温度です。なぜなら夜、寝るときに寝室が暑いと人は体の表面からうまく熱を逃がすことができず、深部体温が下がりません。

一方、まわりの温度が涼しいと、うまく熱を逃がすことができるので深部体温が下がります。
つまり重要なのはまわりの空気の温度、室温なんです。

上の表は水野さんが行った実験結果です。
実験では、実際に寝てもらい、室温や湿度をどれくらいにすれば深部体温が下がるのか調べました。

縦軸が深部体温、横軸が時間です。 
青い点線の室温26度、湿度50%のときは深部体温が順調に下がっています。
しかし、赤い点線の室温32度、湿度80%のときは、ほとんど下がっていません。

Q.この実験結果から言えることは、どういうことなんでしょうか?

室温26度、湿度50%のときには深い眠りも十分に出て目覚めることもなく、ぐっすり眠れてるんですが、室温32度、湿度80%のときは、ちょこちょこ目が覚めてしまって寝つけない時間帯があったり、あとは深い眠りが削られたりして本当に寝苦しい状態でした。

Q.室温が26度のときにぐっすり眠れているということはエアコンの設定温度は26度にするのがいいということなんでしょうか?

エアコンの設定については個人差もありますので大体の目安になりますが26度から28度ぐらいに設定していただければと思います。快適に眠れる温度の条件が28度ですので、28度よりは下に温度設定していただければと思います。

もう1つ湿度も非常に大切です。湿度が高いと汗が蒸発しないので体からなかなか熱が外に逃げていってくれないんです。ですので湿度を60%よりも下に維持していただければと思います。でもこれはエアコン使用していただければ湿度下がりますので特に設定していただく必要はないと思います。
 
あと高齢の方は体温調節の機能がそもそも低下していることで、暑さをちょっと感じなくなってきてます。温度の設定をする際には寝室に温度計を置いていただいて、ご自分の感覚に頼るのではなく温度計見ながら設定していただければと思います。 

Q.寝るときのエアコンのタイマーは、どのくらいに設定すればいいのでしょうか?

熱帯夜は、できればエアコンは1晩中使っていただきたいと思います。

 タイマーを使用する場合は、睡眠の前半に4時間程度は使っていただきたいと思います。4時間使っていただくと、しっかり深部体温が下がりますので深い眠りもしっかり出ます。その後、室温が上がったとしても1晩中使用しないときよりは、ちょこちょこ目が覚めるということが減ります。ただタイマー1、2時間ですと深部体温が下がりきらないうちに室温が上がってしまいますので、そうするとやはりちょこちょこ目が覚めてしまって結局、寝苦しいということになります。

Q.深部体温が下がらないと寝つけないということは、夏場にはお風呂に入らないほうがいいのでしょうか。 

お風呂はむしろ入っていただいたほうがいいと思います。お風呂に入ると深部体温が上がりますので眠りにつくときに深部体温が非常に大きく低下してくれると、深い眠りが増えるということが言われます。ただ寝る直前に熱いお風呂に入ってしまうと、かえって目が覚めてしまいますので寝る前はちょっとぬるめにしていただいて熱いお風呂が好きな方は寝る1時間前とか少し時間に余裕をもって入っていただくといいと思います。 

そして、熱い夜ぐっすり眠るためのポイントは、ほかにもあります。

寝るとき下に敷くものは、かたい方がいいそうです。なぜかというと体が当たる部分の接地面が少なくなるため、熱がこもりづらくなるからです。 ふかふかだと体が沈み込んで熱がこもってしまいます。敷布団やマットレスの上の敷きパットは硬めのものがよいそうです。 

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