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そごう・西武 労組がストへ 営業どうなる 売却 雇用 協議の状況は

  • 2023年8月30日

経営不振が続いていた大手デパート、そごう・西武の売却をめぐって、異例の事態となっています。雇用などへの懸念から反発している労働組合は、経営側に対し、ストライキの実施を通知したことを明らかにしました。旗艦店の西武池袋本店の営業はどうなるのか。ストライキの対象や時期、協議の状況などについてまとめました。【8/31 更新】

8/30 労働組合 スト実施を決定

8月30日、経営側の方針に変化が見られないとして、そごう・西武の労働組合は、31日に旗艦店の西武池袋本店でストライキを実施することを決定したということです。およそ900人の従業員が対象となり、全館で営業を取りやめます。

セブン&アイ・ホールディングス
「ストライキが実施され、お客様やお取引先様などにご迷惑をおかけすることになり大変申し訳なく存じます。そごう・西武は今後とも労働組合との間で雇用維持や事業継続に関する団体交渉と協議を継続するとともに、当社は両者の間の協議について適切な範囲で支援や協力をしてまいります」

8/28 “協議不調に終わる” ストまでの経緯

8月28日の午後、労働組合は、東京都内の本社でセブン&アイの井阪隆一社長も出席して経営側と改めて協議を行いました。労働組合によりますと、協議が不調に終わったとして、経営側に対し、ストライキの実施の通知をしたということです。

労働組合側は、経営側のこの方針に変化が見られないと判断した場合、8月31日から旗艦店の西武池袋本店でストライキを行うとし、本社やほかの店舗からの応援で営業を行うかどうかは経営側の判断になるとしました。

そごう・西武の労働組合 寺岡泰博中央執行委員長
「現時点での売却計画が事業の継続や雇用の確保につながるのか、組合としてはまだまだ納得感が得られる状態には至っていない。突然の社長交代など、矢継ぎ早に売却を進めていこうという前のめりの姿勢が見え隠れしている」

組合側 “売却でデパートの売り場が減り雇用が減る”

セブン&アイ・ホールディングスは、そごう・西武をアメリカの投資ファンドに売却する方針で、売却後には家電量販大手ヨドバシホールディングスがパートナーとして参加。そごう・西武の売り上げのほぼ3分の1を占める西武池袋本店を含む3店舗に出店する計画です。

これに対し組合側はデパートの売り場が減る分、デパート内で働ける従業員の雇用が減るなどと懸念し強く反発し、調整が難航していました。

大手デパートでは61年ぶり

各社などによりますと、主な大手デパート6社では1962年5月に当時の阪神百貨店で行われたストライキが最後で、今回、そごう・西武でストライキが行われた場合、61年ぶりとなります。

デパートやスーパーなど流通産業の労働組合も加盟する「UAゼンセン」によりますと、一般的にデパートでストライキを行う場合、取引先のブランドの売り場の従業員などデパートに雇用されていない従業員は組合員ではないため、原則、ストライキの対象ではありません。ただ、全館休業となった場合は、事実上、その影響を受ける形となります。

“早期の売却を目指す方針”

セブン&アイは、雇用の維持と事業の継続については、売却後に新しいオーナーのもとで引き続き、協議を行うことが望ましいとして、早期の売却を目指す方針です。

セブン&アイは、近く取締役会を開き、売却に向けた最終的な決議を行う方針で、そごう・西武の売却は、経営側と労働組合側の協議が平行線をたどったまま決定される異例の事態となります。

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