少しでも暑さを和らげようと充電式の携帯用扇風機を使う人をよく見かけます。ただ、使い方には注意も必要です。バッテリー部分が破裂したり火が出たりするなどの事故が相次いでいるほか、風を長時間にわたって顔に当てると目に悪影響を及ぼすおそれがあるということです。使い方についての注意点をまとめました。
NITE=製品評価技術基盤機構によりますと、充電式の携帯用扇風機を充電していたところ突然火が出たり使用中にバッテリー部分が破裂したりする事故が、昨年度までの5年間にあわせて45件報告されています。
落下などによって強い力が加わると、外見上は問題がなくても内部のバッテリーが損傷している場合があり、NITEが行った実験でそのまま使い続けると突然破裂するおそれがあることが確認されているということです。
NITEは、充電式の携帯用扇風機を持ち運ぶ際は、過度な衝撃を与えないよう注意し、落としたり壊したりした場合は使用の中止も検討するよう呼びかけています。
また、寄せられた事故情報の3分の2は、充電しながら使用していたところ突然発火するなど製造上の不具合が原因とみられるケースだったということです。
NITEは、ほかの充電式の製品と同様に、車の中など高温になる場所には放置せず、就寝中などトラブルが起きてもすぐ気づけない状況では充電しないよう呼びかけています。
気持ちがいいからと風を長時間にわたって顔に当てると、目に不調を感じる場合もあるかもしれません。眼科の医師は、目の水分が蒸発しないよう、顔ではない場所に風を当てることを意識してほしいと言います。
東京・目黒区にある眼科クリニック 清澤源弘院長
「電車の中や駅などで携帯用扇風機を使っている人をよく見るが、顔に風を当て続けると、目の表面の水分の蒸発が増える。ドライアイなどの原因になるおそれがあるので、目の表面に過剰な空気の流れを起こすようなことは避け、顔ではなく首の周辺などに風を当てるようにしてほしい」