1. NHK
  2. 首都圏ナビ
  3. もっとニュース
  4. 路線価 令和5年分 東京3.2%上昇 関東6県は? 回復傾向が鮮明に

路線価 令和5年分 東京3.2%上昇 関東6県は? 回復傾向が鮮明に

  • 2023年7月5日

ことしの路線価が公表され、全国の調査地点の平均は2年連続で上昇し、上げ幅も大きくなるなど、新型コロナ禍の影響からの回復傾向が鮮明となりました。商業地や観光地などで大きく上昇した一方、オフィス需要の低迷が続く東京都心では横ばいやわずかな上昇にとどまりました。関東地方はどうだったのか。1都6県の状況と背景についてまとめました。

路線価 コロナ影響が緩和 回復傾向鮮明に

〇路線価
1月1日の時点で国税庁が算定した全国の主な道路に面した土地の1平方メートルあたりの評価額で、相続税や贈与税を計算する基準。

【1都4県は上昇】
7月3日に公表されたことしの平均の路線価について関東地方で見てみると、東京で3.2%、千葉で2.4%、神奈川で2%、埼玉で1.6%、茨城で0.4%、それぞれ去年より上昇しました。
去年は前の年より下落していた茨城が上昇に転じ、そのほかの1都3県も去年に比べ上げ幅が大きくなっています。

【栃木・群馬 は下落】
一方、栃木は0.1%、群馬は0.7%と、去年に続いて下落しましたが下げ幅は縮小しています。
国税庁は新型コロナの影響が緩和され、回復傾向が鮮明になったとみています。

【全国 2年連続で前年上回る】
ことしの路線価は、調査対象となった全国およそ31万6000地点の平均は、去年に比べて1.5%上がり、2年連続で前の年を上回りました。上げ幅も去年より1ポイント大きくなっています。

大幅な上昇 再開発 観光地 商業地

神奈川や千葉を中心に再開発の対象地域やその周辺で10%を超える上昇が見られたほか、観光地や商業地でも大幅な上昇が見られ、東京・台東区浅草の雷門通りで7%(去年:前年比1.1%上昇)、神奈川県鎌倉市の鎌倉駅東口駅前通りで6.5%の上昇などとなっています。

このうち、雷門通り近くにある仲見世通りの商店街によりますと、新型コロナの入国制限が緩和されたあと、特にことしに入ってから外国人観光客の増加が目立っているということです。

都心オフィス街 横ばいやわずかな上昇

一方、千代田区や中央区、港区といった都心のオフィス街は横ばいやわずかな上昇にとどまりました。リモートワークや在宅勤務の普及でオフィス需要の低迷が続いていることなどが影響したとみられ、回復傾向に差が出る結果にもなっています。
こうしたなか、大手の不動産会社の中では、働き方の変化に対応した新たなオフィスを整備することなどで、オフィスビル需要を喚起しようという動きも出ています。

この春に改装された丸の内のオフィスビルでは、少人数でも使える小規模スペースのほか、入居企業の社員なら無料で使える専用のラウンジがあり、休憩から商談まで多様な使い方ができます。こうした取り組みで空室率は縮小したということです。

三菱地所フレキシブル・ワークスペース事業部 岩本祐介ユニットリーダー
「多様な働き方をする人たちに選択肢を提供する取り組みを進めています。より会社に来たくなったり仲間と仕事をしたくなったりするような環境作りを進めていきたい」

専門家 “都心部はしばらく注視する必要”

ニッセイ基礎研究所 吉田資主任研究員
「新型コロナウイルスによるさまざまな行動制限が撤廃され、商業地や観光客が多く訪れる場所は堅調に回復している印象だ。これからも回復基調が続くのではないか。
リモートワークや在宅勤務の導入といったコロナ禍での社会構造の変化で、既存のオフィスの見直しや拠点の統合などの動きが今も起きている。都心部ではまだ空室が増えたり、賃料が下がったりする懸念もあります。こうしたエリアについては今後も空室が増えたり賃料が下がったりする懸念もあり、しばらく注視する必要がある」

関東地方の路線価 都県別の最高地点                                                        

関東地方 路線価の都県別最高地点(令和5年分)
東京 銀座5丁目の銀座中央通り 4,272万円 1.1%
神奈川 横浜市の横浜駅西口バスターミナル前通り 1,680万円 1.4% 
埼玉 さいたま市の大宮駅西口駅前ロータリー 475万円  8% 
千葉 船橋市の船橋駅前通り 236万円 9.8% 
茨城 つくば市のつくば駅前広場線 31万円 5.1% 
栃木 宇都宮市の宇都宮駅東口駅前ロータリー 32万円 3.2% 
群馬 高崎市の市道高崎駅・連雀町線 46万円 去年と同じ

 

東京では38年連続で全国最高額となった銀座5丁目の銀座中央通りで、価格は3年ぶりに上昇に転じ、去年より1.1%上がって4272万円でした。

神奈川では横浜市の横浜駅西口バスターミナル前通りで、1.4%上がって1680万円。
埼玉ではさいたま市の大宮駅西口駅前ロータリーで、8%上がって475万円。
千葉では船橋市の船橋駅前通りで、9.8%上がって236万円。

群馬では高崎市の市道高崎駅・連雀町線で、去年と同じ46万円。
栃木では宇都宮市の宇都宮駅東口駅前ロータリーで3.2%上がって32万円。
茨城ではつくば市のつくば駅前広場線で、5.1%上がって31万円でした。

ページトップに戻る