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  • 2023年7月4日

東京 足立 ウクライナから避難した人の美容室 大沼孝三さんの思いとは?

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ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が続くなか、日本に避難してきたウクライナの人たちのために安らぎの場を提供したいと、ある活動に取り組む美容師が東京・足立区にいます。

それが、美容界の世界最高峰といわれるショーに日本代表として出場したこともある大沼孝三さんです。活動にかける思いを取材しました。

ウクライナ避難民のための美容室!

東京・足立区の竹ノ塚駅から歩いて10分ほどにある1軒の美容室。 
入り口にはひまわりが並んでいます。

開店の準備をしているのは、大沼孝三さんです。この街で50年、地域の人たちの髪を整えてきました。

この日、最初に来たお客さんは、日本に去年の6月に避難してきたウクライナ出身の女性です。

実は、この美容室はウクライナ避難民のためにことし1月オープンしたお店なんです。 
料金は無料、これまで延べ36人の避難民が利用しています。

きっかけは…ロシアによるウクライナ侵攻

店主の大沼さんは、美容界の世界最高峰といわれるショーに日本代表として出場したこともある海外でも活躍してきた凄腕の美容師です。昔から外国の人の髪を扱ってきました。

2年前に現役を引退した大沼さんが再び、はさみを持つ決意をしたきっかけはロシアによるウクライナ侵攻でした。ニュースを見て、自分にも何かできないかという思いに駆られたからです。

そこで、使っていなかった店舗を、壁の色をすべて塗り替えるなど、1か月かけて自費で改装しました。

大沼さん 
「本当に戦争は怖い。ミサイルが撃ちこまれたとたんに人生が変わってしまいます。そんな中、何ができるかを考えたときにカットというのは一番身近にあって、お客さまが必然的に半年もすると髪の毛が伸びてしまうので、そういう方のお役に立ちたいと思ったんです」

自作のイラストなどで説明!

髪を切る前に行うお客さんとのカウンセリング。 
言葉が通じないことがあるため、大沼さんは、自ら書いたイラストで髪の長さを説明したり、メジャーなどで測ったり、出来上がりに間違いがないように丁寧に説明をしています。

日本人とは髪質の違いがあるので、カットにはいってからも神経を遣います。

大沼さん 
「特に海外の方は切り損じしたくないです。例えば髪の毛1本残っているだけでも金髪はすごく見えにくいんです。肌に付いちゃうと本当にわかんないです。だから、そういう点ではすごく気を遣うんです」

カットを終えるまでの時間はふだんの2、3倍かかると言います。

ナタリアさん 
「大沼さんのカットのしかたも、カット後の自分の髪型もとても気に入っています。私は満足してとても幸せな気持ちです。ありがとうございます」

“ゆったりできる空間を”

これまで訪れた避難民たちが書き残したアンケートには、「感動しました」「孝三さんどうもありがとうございます」など、大沼さんへの感謝のことばがつづられています。

「苦労も多い」と語る活動ですが大沼さんが続けるには理由があります。

大沼さん 
「ここに来て『1時間でも2時間でもゆったりできたよ』という空間をつくれれば一番幸せだし、僕もやりがいがある。お客さまがひとりずつ満足してもらえれば、それ以上考えないです。それだけですよ。この活動はやっていきます。僕の命がある限り」

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