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新築住宅に太陽光発電 義務化されると求められること 都民の意見は

  • 2022年8月9日

東京都の有識者でつくる審議会は、都が検討を進めている新築住宅の太陽光発電設備の設置義務化に向けた条例改正を進めるべきとする意見をとりまとめました。住宅メーカーなど事業者にはどんなことが求められる見通しなのか、都がまとめている制度案の内容や課題についてまとめました。

新築住宅に太陽光発電 “条例改正進めるべき”

東京都は、家庭からの温室効果ガスの排出量の削減に向け、新築される一般住宅にも太陽光発電設備の設置を義務づける方向で検討を進めています。

これについて都の有識者でつくる審議会は「住宅を新築する機会を捉え、省エネ化、再エネ設備の整備などを標準化するとともに、より高い水準への誘導を促す制度を新たに構築すべきだ」などとして義務化に向けて条例改正を進めるべきとする意見をとりまとめました。

都は、9月上旬ごろ、条例改正に向けた基本方針をとりまとめることにしています。

設置義務化に向けた制度案 事業者の義務とは

温室効果ガスの排出量を2030年までに半減させる「カーボンハーフ」に向けた取り組みのひとつとして都は、新築住宅の太陽光発電設備の設置義務化に向けた制度案をとりまとめています。

それによりますと、義務づけの対象となるのは、延べ床面積の合計で年間2万平方メートル以上の住宅やビルを都内で供給する住宅メーカーなどの事業者で、およそ50社が対象となる見込みだということです。

対象の事業者には、1年間に新築した住宅の数や、日当たりなどの条件で太陽光発電に適しているか地域ごとに示された係数、1棟あたり2キロワットとする基準量をもとに必要な発電容量を算出してどの程度達成したか、都に報告することが義務づけられます。

一方、屋根面積が20平方メートル未満の建物については発電容量を算出する対象外となります。
また、日当たりが悪い場所などについては、太陽光発電設備以外の地中熱を利用した再生可能エネルギーの設備で代替することも可能としています。

賛成56% 反対41% それぞれの意見は

都民に対して、ことし5月から6月にかけて、パブリックコメントを募ったところ、3700件余りの意見が集まり、このうち、賛成は56%、反対は41%でした。

〇賛成の人
・電気料金が値上がりの中でメリットあり
・脱炭素や太陽光義務化は世界的な流れ

〇反対の人
・維持管理や廃棄など将来の負担が不明
・住宅購入費用が上乗せされ負担大きい

賛成する人からは「電気料金が値上がりする中、メリットがある」とか「脱炭素や太陽光の義務化は世界的な流れだ」といった意見が寄せられました。

一方、反対する人からは「維持管理や廃棄など、将来的な負担が分からない」とか「住宅の購入費用への上乗せとなり、負担が大きい」といったこれまでよりも負担が増えるのではないかと不安の声が寄せられました。

補助拡大・維持管理費の相談など対応策を検討

都によりますと、住宅メーカーなどの事業者からも住宅価格が上がるおそれがあるとして懸念する意見が上がっているということです。

都は今後、事業者から意見を聞きながら、設置費用の補助の拡大や、維持・管理の費用に関する相談窓口の設置など、対応策を検討することにしています。

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