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浜松 どうする家康 久保史緒里さん撮影秘話 N響コンサートも

「大河ドラマ『どうする家康』スペシャルトーク&N響ミニコンサート」(6月10日開催) N響は大河ドラマメインテーマを中心に演奏
  • 2023年06月29日

大河ドラマ「どうする家康」で五徳役を演じる乃木坂46の久保史緒里さんと磯智明制作統括によるスペシャルトークショー、NHK交響楽団による大河ドラマテーマ曲を中心としたミニコンサートが、6月10日(土)に音楽の街 浜松で開催されました。
イベント内のトークで五徳の役柄について『つかめない人物に魅力を感じた』と久保さんは話しています。

「どうする家康」メインテーマ曲 初の生演奏

イベントは、ピアノ五重奏(演奏:NHK交響楽団、ピアノ・編曲 加藤昌則さん)による「どうする家康」テーマ曲の演奏で開演。N響がこのテーマ曲を観客の前で演奏するのは今回が初めてでした。
フルバージョンでお楽しみください。

「どうする家康」メインテーマ 作曲:稲本響


久保史緒里さん、磯制作統括 スペシャルトークショー

久保史緒里さん(五徳役)
本日はお集まりいただきありがとうございます。 「どうする家康」で五徳役を務めさせていただいております、乃木坂46の久保史緒里です。本日は楽しいお話を沢山できたらと思っております。よろしくお願いします。
磯制作統括
今日は音楽の街浜松と大河といういままでにないコラボレーションということで楽しんでいただけると思いますのでよろしくお願いします。


大河ドラマ「どうする家康」のダイジェストVTRなどを観客のみなさんと一緒に見ながら様々なトークが展開されました。

ポイントとなったのは三方ヶ原の合戦 

安川キャスター(司会)
ドラマでおよそひと月前に描かれた「三方ヶ原の合戦」を境に、浜松城主・家康をめぐるドラマが大きく展開し始めたように思います。 2回にわたって描かれた「三方ヶ原」。なぜ大きく取りあげようと思ったのですか。

磯制作統括
家康を取りあげる際、どの本を見ても三方ヶ原の戦いは出てきて、家康最大の挫折、家康最大の敗北。 恐らく大河ドラマの中でここまでちゃんと三方ヶ原の戦いを描いたことはなかったと思うのですが、きちんと描くことが今後の家康の物語にとって大きなターニングポイントになると思いました。二年前くらいにこの地を脚本家の古沢良太さんと「実際三方ヶ原はどういうところだったんだろう」と思いながら訪ねたのですが、まさか浜松城のすぐ裏であれだけの壮絶な戦いがあったということはやっぱり来てみないとわからなかったですし、武田信玄が進路を変えたところも浜松城から目と鼻のさきのことだったとわかって、家康がそこで感じた恐怖はものすごいものだったんじゃないかと体感しました。三方ヶ原は開発が進んで中々全容がつかめないのですが、遠鉄(遠州鉄道)にのると高架で三方ヶ原の一帯が見られるんですよね。脚本家と何往復もしながらスケールを感じてそれをVFXやCGに落として、そこを大きな見せ場の一つにしようと思って制作しました。

久保史緒里さん 五徳になるまで

安川キャスター
大河ドラマ出演のオファーをもらったときは率直にどんな気持ちでしたか。

久保史緒里さん
もちろんいつか大河ドラマに出たいという思いはあったんですけれども、まさかという気持ちが大きくて。でも話が進むにつれて、絶対にやりたいなという気持ちがすごく膨らんできました。五徳という役を探されているというお話だったので調べていくうちに、「つかめない人物だな」「全容を知っている人っていないんだろうな」というところにすごく魅力を感じて、是非やりたいなというふうに思ったのでとても嬉しかったです。

安川キャスター
磯さんはなぜ久保さんにオファーされたのですか。

磯制作統括
まず大河ドラマや朝ドラは若手の新たな才能を発掘するような役割もあると思って作っているというところがあるんですね。今回大河ドラマで二十歳前後の生きのいい女優さんは誰だろうということで、みんなで話す機会があって、その時に若い女性のディレクターが久保さんがいいと言って久保さんへの情熱をずーっと語っていたんですね。久保さんはその時映画や舞台にも出ていて、「舞台での久保さんが素晴らしかった」とそのディレクターに熱弁されて、一度久保さんにお会いしたんですよね、去年の秋ごろに。その時はまだどの役など決まっていなくて、普通に雑談をさせていただいて、そうこうしているうちにだんだん台本が進んで五徳っていう役がやっぱり重要になってくるということで、誰にお願いしようかなと思ったところ久保さんのお顔が思い浮かびました。

五徳っていう役はとても難しい役だなと思っていて、信長の娘でありながら、一人徳川家に嫁いで行ってその中で信長の娘というプライドを持って生きていくということは相当アウェイななかで気持ちも張っていなければいけないし。でも先々のことを紐解いていくととてもピュアな面もある二面性のある人物だなと。 乃木坂と俳優業を両方やっていらっしゃる久保さんであればその五徳の二面性みたいなものがうまくやれないかなと思って、もう一度お会いして五徳のページの台本のコピーをお渡しして読んでいただいたんです。

そしたら完璧な五徳を、今放送しているままを最初からされて。「五徳ってこうだよな」と説得力のある演技を。ご自身で色々とお調べになって読んだのだろうと思うのですが、五徳っていう役もちゃんと説明していない状況で。 朝ドラとかでも大河のオーディションでもそうなんですけれども、まず読んでもらってそのあとに実はこの役はこういう役だからこういうふうに読んでほしいと種明かしをしながら変化していくのをみたりもするのですが、久保さんの場合は一発で「あぁ五徳だな」という感じがしたんです。
 

安川キャスター
久保さんいまのお話ご存じでしたか?

久保史緒里さん
知らないことだらけでしたね。(笑)
初めてお聞きしたのですが、私自身もう一度お会いしたいと言っていただいた時に、とても嬉しい気持ちもありました。五徳は年齢としてはとても若いので見てくださっている方が年齢を聞くと驚くかもしれないような強さを持っているんですね、この時代を生きていて、さらに早くに徳川家に嫁いで、そして織田家としていろんな教養も受けてきているという面では、もしかするとちょっと大人びてもいいのかなと思ってやってみた結果だったのでそういっていただけてすごく光栄です。

安川キャスター
どんなことを考えながら五徳を演じていますか。

久保史緒里さん
 徳川家の皆さんと一緒にいるシーンが多いけれども、織田家の人間であるというところがすごく難しい。だからこそ、岡崎で(徳川家と)一緒にいるときに、ちょっと異質な存在であれたらいいなというふうに思っていました。 現場に入ってみて、五徳という人物がいかに孤独だったかというのを知りました。それは久保史緒里としても五徳としても、撮影していて闘いというか、一番葛藤した部分です。 想像以上の孤独でしたね。もちろんすごく優しい家族の中に入れていただいて、とても温かく過ごしていたと思うんですけれども、織田家と徳川家どちらにいても、家族なんだけど家族じゃない、後ろめたさみたいなものがある。でも子どもだからその表現方法が分からなくて、空回りして、悪循環が生まれていく。自分ではどうしようもないというのがすごく苦しかったですね。


ほかにも久保さんからは共演する皆さんとの現場での雰囲気やエピソード、東海地区で放送されている久保さんがナレーションを務めている「どうする家康 大河たび」のナレーションで意識していることなどを、 磯制作統括からは「どうする家康」に出演するそれぞれの登場人物の魅力や、演じる俳優さんの魅力等について語られトークショーが進みました。

久保史緒里さんのトークショーの発言と、終了後にNHK静岡が行ったインタビューの全文はこちら

今後への思い

久保史緒里さん
まさにここから五徳としての人生もですし、ほかの皆さんの人生もどんどん更に動いていく展開になります。五徳の心情の変化に注目していただきたいと思いつつもこれから先、皆さんも気になるシーンが続いていくと思います。撮影自体も緊張感もあって苦しい場面もありましたけれども、何よりもここから先、父上でもある家康がどうなっていくのか、私自身も楽しみにしています。皆さんにも楽しんでいただけたらなと思います。

磯制作統括
次回は(※6月10日時点)設楽原の戦い(長篠の戦い)が放送、 今スタジオの収録では石川数正の出奔やついに再来週は大坂城のセットが建って秀吉と家康のシーンを撮影する予定で、どんどん歴史は進んでいます。ついこの間も真田が登場するシーンを撮ったのですが、そういうように家康は壮大なドラマがまだまだ続いていくので、明日も見逃していただきたくはないですし最後までご覧いただければと思います。


N響が浜松で演奏

第二部ではNHK交響楽団(バイオリン:山岸努、坪井きらら、ビオラ:三国レイチェル由依、チェロ:小畠幸法)とピアニスト加藤昌則さんによるピアノ五重奏で過去の大河テーマ曲を中心に演奏。

~曲目~
「おんな城主 直虎」(菅野よう子作曲)
「真田丸」     (服部隆之作曲) 
「独眼竜政宗」   (池辺晋一郎作曲) 
「鎌倉殿の13人」 (エバン・コール作曲) 
「青天を衝け」   (佐藤直紀作曲) 
「軍師官兵衛」   (菅野祐悟作曲) 
「ピアノ五重奏曲 変ホ長調 作品44から第4楽章」(シューマン作曲)

熱烈な大河ドラマファンだというチェロの小畠さん。  

小畠幸法さん(チェロ奏者)

「『独眼竜政宗』(1987年放送)を今回のコンサートに向けて見返しました。そうそうたる出演者の方がでていて、それをイメージしながら弾いたらすごく楽しかったです。」

「真田丸」メインテーマ(服部隆之作曲)

 


第二部の最後にも登場した久保史緒里さん。
「メインテーマは聞くだけで当時のドラマを思い出せるものなので、みなさんがどのシーンを思い浮かべたのかなと思いながら、私自身も胸に残るシーンを思い返しながら聞いていました。」

最後に観客のみなさんと記念写真

N響インタビュー

ー大河ドラマ「どうする家康」観客の前での生演奏は初ということで、大河ドラマで特に今盛り上がっているここ浜松での演奏はいかがでしたか。

三国レイチェル由依さん
(ビオラ奏者)

楽しかったです。大河ドラマテーマ曲の収録に2作品参加したうちの1作品が「どうする家康」のメインテーマで、オーケストラのものを今日は5名で演奏したというのがまた思い出になりました。 浜松に来たのが初めてでしたが、浜松全体の大河ドラマへの熱を歩いているだけでもすごく感じました。お客さんもとても温かくて、例えば「真田丸」のさわりを演奏したときもどよめきなどの反応がすごく良くて弾きながら楽しめました。

ーNHK交響楽団演奏会 静岡公演(7月2日 静岡市清水文化会館マリナート)で演奏する曲のききどころを教えてください。

小畠幸法さん(チェロ奏者)

チャイコフスキー /バイオリン協奏曲 二長調 作品35 
四大バイオリンコンチェルト(協奏曲)は、ベートーベン、メンデルスゾーン、ブラームス そしてチャイコフスキー。 よく演奏するけれども全部のパートが美しくてきらびやかでつややかな旋律で、和声感が一緒にソリストと音楽を作っていくうえですごく充実したコンチェルトです。特にチャイコフスキーのバイオリン協奏曲 二長調 作品35はそのメインでもおかしくないような壮大さだと個人的に思っています。 
 

チャイコフスキー/交響曲第4番 ヘ短調 作品36 
チャイコフスキーの交響曲は6つあります。4番、5番、6番が多く演奏されていて特に今回の4番がよく演奏されると思います。 1楽章の最初にホルンのソロのかっこいい演奏がでてきて、2楽章がオーボエのなんともいえない切ないきれいなメロディーから始まり、3楽章が弦のピチカートがでてくる楽しい曲、4楽章はみんなで派手にぱーっと盛り上がっていくという曲です。 退屈することがないプログラムだと思うので是非楽しんでいただきたいです。

ーNHK交響楽団演奏会 静岡公演(7月2日 静岡市清水文化会館マリナート)の指揮:山下一史さん バイオリン:金川真弓さんについて

コンサートの指揮を務めるのは、コンサート・オペラの両分野で成果を積み上げられている山下一史さん。
バイオリンは、今最も期待を集めるバイオリニストのひとりと言われている金川真弓さん。

坪井きららさん(バイオリン奏者)

金川さんはいついらしても作品に対して真摯に取り組まれていてとても情熱的な演奏をいつも聞かせてくださるので、楽員もいつもすごく楽しみにしています。作品に対する深い思いが伝わってきて、お客様に本当に音楽の良さを沢山伝えてくれるソリストだと思います。

山岸努さん(第一バイオリン次席奏者)

山下さんもすごく熱量のある方です。熱いところに注目をしてほしいです。




ーNHK交響楽団演奏会の静岡公演は7年ぶり。 静岡のみなさんにメッセージをお願いします。

山岸努さん(第一バイオリン次席奏者)

生演奏だと臨場感も違うので、是非N響をテレビでしか見たことない人もそれを感じに来てもらいたいです。地方公演はお客さんと近いこともすごくいいと思っています。クラシックだから行きづらいなど気にせず、気軽な気持ちで来ていただきたいと思います。

今後のイベント情報

今回のイベントのように、NHKでは放送などに合わせて地域の歴史・文化に触れていただく機会を設けています。
大河ドラマ「どうする家康」関連では、2023年11月から12月にかけて静岡市美術館にて大河ドラマ特別展「どうする家康」静岡展を開催します。
NHK大河ドラマ「どうする家康」と連動し、徳川家康の出生から没するまで、織田信長、豊臣秀吉など、戦国武将のオールキャストにまつわる品々や、同時代の歴史資料を紹介し、徳川家康と彼が奮闘した時代を大河ドラマと合わせて活き活きと浮き彫りにします。

大河ドラマ特別展「どうする家康」静岡展の詳細など、イベント・公開番組情報は随時◤こちら◢で更新します。
是非チェックしてください。

  • 鈴木凜

    静岡局 事業(イベント)

    鈴木凜

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