コロナ5類移行 静岡県内の病院や飲食店はどう対応するの?
- 2023年05月10日
私たちの生活に大きな影響を及ぼしてきた新型コロナウイルス。「5類」への移行をめぐる県内の動きを取材しました。
飲食店では
静岡市駿河区の飲食店。取り外していたのは、テーブルの中央に設置していたパーティションです。店では、これまで違うグループどうしの客が隣り合わないよう座席の使用を制限してきたということですが、8日からはすべての座席を使うことにしたということです。
営業開始前のミーティングでは、従業員のマスク着用を個人の判断に委ねることや、入店した際のアルコール消毒や検温も客に委ねることなどを確認。
オーナーでシェフの瀧秀樹さんが「コロナが5類になったのでやり方を少し変えます。慣れないと思いますが、とりあえずやってみましょう」とスタッフに声をかけました。
正午すぎには満席となり、訪れた人たちが制限のない状態で食事を楽しんでいました。
(同僚と訪れた客)「パーティションはどうしても物理的な距離を感じています。ないほうが顔を見て話しやすいと感じました」
(同僚と訪れた客)「パーティションがあるかないかだけですが、距離感が違います。空気感が違うような感じがします」
(「リストランテスペーゼ」瀧秀樹オーナーシェフ)。
「やっと5類に移行したということで、僕らも胸をなで下ろす思いです。お客さんからもそろそろパーティションをとってもいいのではないかと言われていました。以前のように会話をしながら食事を楽しんでほしいと思います」
県庁でも“変化”
これまでは、窓口業務にあたる職員など一部で継続していた業務中のマスクの着用を全ての職員の個人の判断に委ねる対応に変更しました。大型連休明けの8日からは、上着やネクタイを着用しない「クールビズ」も始まっています。
環境政策課では軽装の職員たちが、マスクを外してパソコンでの業務や打ち合わせを行っていました。
(マスクの着用のルール管轄 県健康指導課石井貴也課長)「状況に応じて職員が判断していくということを周知しています。これから暑い日も続いていき、熱中症のリスクも高まってきています。マスクの着脱も個人の判断になったので軽装化とあわせて取り組んでいきたいです」
医療現場では対応分かれる
「5類」への移行をめぐっては医療現場では対応が分かれています。発熱患者などを受け入れている静岡市内の医療機関では8日から感染対策をインフルエンザと同じ程度まで緩和する動きが見られた一方、重症化リスクの高い患者を多く受け入れている別の医療機関では感染対策に対する県民の急な意識の低下を懸念する声も聞かれました。
駿河区の小児科クリニック
静岡市駿河区登呂にある小児科クリニックです。これまで発熱患者などは、ほかの人と接しないよう車の中で待機してもらう感染対策をとってきました。8日からは、コロナの感染の疑いがない患者とは待合室を分けた上で、院内で待機してもらうことに。インフルエンザの流行期と同じ程度まで対策を緩和したということです。
(うえだ小児科の岩田真喜子院長)「年齢によっては重症化する人もいるので、ある程度の感染対策は続けていく必要はあると思います。ただ、絶対に感染したらいけないし感染させてもいけない感染症ではないと、多くの方がそう考えるようになったと思います」
その上で、クリニックでは、医療機関の受診の必要性についても「それぞれしっかりと判断してほしい」としています。
葵区のクリニックでは
一方、静岡市葵区にある内科のクリニックは、従来の対策を継続することにしています。訪れる患者のうち高齢者や基礎疾患のある人など重症化リスクの高い患者が8割以上を占めているためです。発熱患者などへの対応について、ほかの患者と診療時間を分けたり、外に設置した専用の個室スペースで診療を行ったりするなどの対応を当面続けていく方針です。
(佐々木ハートクリニック佐々木玲聡院長)「コロナ感染症がなくなるわけではありません。コロナは空気や飛沫感染などが非常に強い病気で伝染力が圧倒的に違うと言うことは留意しなければなりません。内科のかかりつけ医に来ている患者さんというのは多くが重症化リスクを持っている人なので、私たち医療従事者も引き続き気をつけなければなりません」
街の人は・・・
コロナ対策の大きな転換点となる「5類」への移行。街の人はどう受け止めているのでしょうか。
(20代女性)「旅行とかに行きやすくなりますね。マスクは基本的には不安なので着けます」
(40代女性)「インフルエンザと同じという感じになるみたいで、特に変わらないかなという気がします」
(30代男性)「今、マスクを外して歩いているように少し生活しやすくなればという期待は持っています。病気自体がなくなって来ているわけではないので、ちゃんと対応していけるかどうか、皆さんそれぞれ不安に思われている」