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静岡 焼津 核廃絶訴え行進 第五福竜丸被ばくから69年

  • 2023年03月03日

静岡県焼津市のマグロ漁船 第五福竜丸がアメリカの水爆実験で被ばくしてから69年となる3月1日、地元の焼津市では、全国から集まった700人以上が元乗組員の墓まで行進し、核廃絶を訴えました。

「死の灰」浴びた漁師たち

昭和29年3月1日、南太平洋で操業中だった「第五福竜丸」は、アメリカがマーシャル諸島のビキニ環礁で行った水爆実験で放射性物質を含んだ「死の灰」を浴び、乗組員23人が被ばくしました。

核廃絶訴え 700人以上が行進

それから69年となった3月1日。乗組員の地元のJR焼津駅前に全国各地から700人あまりが集まりました。

参加者は、元乗組員の久保山愛吉さんの墓までおよそ2キロの道のりを核廃絶を訴えて歩きました。この行進行事は新型コロナウイルスの影響で中止が続いていて、実施されたのは4年ぶりのことです。

犠牲者の願い 胸に

久保山さんは「原水爆の犠牲者は私を最後にしてほしい」という言葉を残し、被ばくから半年後に亡くなりました。参加者は墓に到着すると、手を合わせて平和への祈りをささげました。

第五福竜丸平和協会理事 山本義彦さん

墓がある寺で開かれた集会では、第五福竜丸平和協会理事の山本義彦さんが、核廃絶への思いを強く訴えました。

ウクライナへの国際法違反の侵略を開始して1年のプーチン大統領が、いまだに核の脅しで自らの侵略の正当化を強引に図ろうとしているだけに、(核廃絶への動きは)喫緊の課題といっても過言ではありません。久保山さんの「原水爆の犠牲者を未来永ごうなくしたい」という思いを真正面から受け止めるべきです。

生存者2人に 被ばくどう伝える

支援者によりますと、23人の元乗組員のうち生存者は2人となり、被ばくの事実をどう後世に伝えるかが課題となっています。

河村恵子さん

おととし3月に87歳で亡くなった元乗組員、大石又七さんの義理の妹の河村惠子さんは、核兵器のない世界を目指して、これからも兄の思いを伝え続けていきたいと話します。

ロシア・ウクライナの戦争で、私たちの日常が「もしかしたらどうなるかわからない」という不安の中で、きょうこの1日がまた新たな1歩になれば。二度と過ちを繰り返さない、核兵器のない世界へみんなで考えていく、そんな日本になってほしいと思います。兄の思いを一生懸命、私が親族の1人として伝えていきたいなと心しています。

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