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たいの天ぷら 家康グルメを現代風に!

静岡のおいしい食材 現代の職人の技で将軍に献上したい料理でおもてなし ガストロノミーツーリズム
  • 2023年03月01日

もし家康が生きていたら、今、どんな料理を食べたら喜ぶと思いますか?

家康をあっと驚かせたいと作られたのが、“たいの天ぷら”です。

家康が好物だったとされるこの天ぷらを現代の技でつくるとどんな料理になるのか。県外から来た観光客を静岡の絶品食材でもてなしたい。そんな取り組みが始まりました。

家康の好物を現代風に!?

「ガストロノミーツーリズム」。地域の食文化をどう観光に結びつけるのか。県が主催する研究会が開かれました。ことしは、注目されている家康をテーマに静岡ならではの料理をアピールすることにしました。

県主催のガストロノミーツーリズム研究会

(ふじのくに地球環境史ミュージアム 佐藤洋一郎館長)「ちょうど話題になっているのは家康ですよ、家康は『たいの天ぷら』を食べたとか」

焼津市で鮮魚店を営む前田尚毅さん(48)。海外のレストランにも魚を卸す“魚のプロ”としてこんな提案をしました。

焼津市の鮮魚店・5代目 前田尚毅さん

(鮮魚店 前田尚毅さん)「駿河湾にはいろんな種類のたいがいます。いろんな料理人がいるのでいろいろな方法で調理をしてもらって、現代風といって提供したら、おもしろいかもしれない」

家康の好物を現代風にすると、どんな料理になるのか。検討が始まりました。

家康が食べた たいはどんな料理?

県の担当者は専門家を訪れ、文献を読み解きました。

県の担当者が静岡大学を訪れました

家康の家臣が書いたとされる『元和年録』。

「鯛をごまの油にてあげ」と記されています。当時、貴重だったごま油の料理は珍しかったといいます。

『元和年録』

そして、たいの種類は、『おおだい』や『あまだい』だとされています。

(静岡大学・松本和明准教授)「場所は久能の浜と書かれていて、駿河湾に生息する『あまだい』だと考えると、『興津鯛』(おきつだい)と呼ばれるものと一緒であろうと考えていい」

今の静岡市沖で取れる『興津鯛』。料理には、しろあまだいを使うことにしました。

久能山東照宮にお参り

研究会のメンバーで魚のプロ。鮮魚店の前田さんのもとにしろあまだいが届きました。

しろあまだい

大きなものはめったに釣ることができないため漁師は、漁の前に久能山東照宮にお参りにいったそうです。

しろあまだいを釣った漁師の坂口猛さん

(漁師・坂口猛さん)「神頼み行ってきました。家康さんが好んで食べた魚をお願いされたので、でかいのをとらせてくださいと」

(鮮魚店 前田尚毅さん)「『興津鯛』というのは興津沖でとれる『あまだい』のことで『あまだい』には白・赤・黄があり、しろあまだいが一番高級でうまみも強い。最高の食材です」

しろあまだい 最高に仕立てる!

家康にふさわしい料理をイメージして前田さんは技術を駆使しました。“血抜き”や神経締め”を施したあと、鮮度を保つため魚の中に海水の氷を詰めていきます。

(鮮魚店 前田尚毅さん)「氷の技術というのは、江戸時代に冷凍庫とかなかったわけできっと常温だったと思います。仮に江戸の将軍さまが今これを食したらもっと驚かれると思います」

現代風の調理とは!

現代の調理技術で家康を驚かせる料理とは何か。

静岡市内の天ぷら店

てんぷら店の店主、志村剛生さんは、しろあまだいのおいしさを堪能できる料理を選びました。うろこの食感を生かした“松かさ揚げ”です。

天ぷら店店主 志村剛生さん

(天ぷら店店主 志村剛生さん)「このしろあまだいは、いいものを食べている。うろこも細かいんですよね。うろこごと調理するんですが、うろこがジャマにならない非常に上品な魚です」

文献にもあったごま油を使います。前田さんの仕立てで水分がほどよく、魚のうまみが閉じ込められているといいます。

175度で上がり具合を見極めます

(天ぷら店店主 志村剛生さん)「まったく調理しても音がしない。(魚の中に)水分が残っていて、そこにうまみがしっかりあり香りもある」。

完成した“松かさ揚げ”。松かさがひらくようにうろこが立っています。

松かさ揚げ

さらにもう一品。“うろこなし”の天ぷらを用意し味の変化を楽しんでもらおうと趣向を凝らしました。しろあまだいのふっくらとした身と甘みが引き立つといいます。

うろこなしの天ぷら

(県の担当者)「本当においしいジューシー、すばらしいものをいただきました」

静岡にこんなにうまいものが!

(天ぷら店店主 志村剛生さん)「(家康は)こんなうまいもの食っていたんだって思わせたいですよね。駿府の地にこんなものがあるのかって県外から訪れたお客さんに思わせたいです」

(鮮魚店 前田尚毅さん)「将軍さまはいろいろなものを食べたと思うし、献上物もいろいろあったと思いますが、その中で興津鯛の天ぷらは相当なもの。静岡の料理人もいろいろな魚でトライしてもらって、新しい調理を見いだしてもらえれば、この時代のおいしい料理がさらにでてくると思います」

現代の職人の技でよみがえる家康に食べてもらいたい料理。

駿河湾の海の恵みを再発見する家康からの贈り物になるかもしれません。

静岡県は、ことし4月以降、県内の飲食店などに呼びかけて“令和版 家康に献上したい天ぷら”として、さまざまな料理を提供してもらう予定です。

多くの人に静岡の食の魅力を味わってもらえればいいですね。

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