静岡ラグビー特集④名解説者が語る!ブルーレヴズの魅力
- 2023年02月24日
静岡ラグビー特集第4弾!
おかげさまで、ラグビーを愛するさまざまな方から「見たよ!」と反響もいただいています。
さて、いよいよ試合も間近に。
NHK静岡では、2月25日(土)第9節「静岡ブルーレヴズ」対「東京サントリーサンゴリアス」の一戦を、NHKラジオ第1で午後2時5分からお伝えします!
ブルーレヴズは試合終了間際、僅差の試合で敗れていますが、プレーの質は上がってきています。
後半戦最初の相手は日本代表が多く在籍する
強豪・サンゴリアス。
そこにブルーレヴズはどう立ち向かうのか?
NHKのラジオ解説を30年担当している砂村光信さんに見どころを聞きました。
(取材・文 片平和宏アナウンサー)
ポイントはブルーレヴズの「セットプレー」
第8節終了時点、8位の静岡ブルーレヴズ。まずは、砂村さんに全体的な印象を聞きました。
力はあると思います。負けてしまっている試合の多くが僅差です。
一つ殻を破るためには、サンゴリアス戦に勝つことだと思います。
強豪に勝つことでチームは勢いに乗っていくと思います。
そのうえで、勝つためのポイントは何なのか?聞いてみると、「セットプレー」とのことです。
セットプレーとは、リスタートするプレー。8人のFW陣が組み合う「スクラム」やタッチラインからボールを投げ入れて、ボールを争奪する「ラインアウト」があります。
「ブルーレヴズはヤマハ時代から、セットプレーに強みを持ってきました。ここで優位性を保てるか、大切になります。
とくにスクラムで反則をもらって、アドバンテージを持ってプレーをすると、足の速いバックス陣が積極的に攻めることができます。
なにより、スクラムで勝ると“いけるぞ!”と精神的に強くなると思います。」
そのスクラムの中心、
HO(フッカー)日野選手に聞きました。
スクラムの最前列の真ん中に位置しています。
「セットプレーはすごくカギになってくると思います。サンゴリアスもこっちがセットプレーにこだわっているという事は重々承知なので、逆にセットプレーを押さえてしまえば自分たちのペースになると考えていると思います。相手の予想を上回るセットプレーを組むことができれば、面白い試合になるんじゃないかなと思います。
まさかの主力が欠場…
期待されるのは大学生!?
そんななか、ブルーレヴズにとっては思いもかけないピンチが!
シーズンも中盤を迎えた2月。
これまで主力として活躍していた選手がケガで離脱を余儀なくされたのです。
ラグビーにケガはつきもの。とはいえ、ブルーレヴズは大幅に選手を代える必要に・・・。
そこで頼みにされたのは、なんと大学生!
実は、リーグワンでは、2022-2023の今シーズンから選手の強化、育成の観点から
「アーリーエントリー」という制度が設けられ、大学在学中でも試合に出場することができるようになりました。この初めての制度を活用しようというのです。
「ラインアウトの成功率の高い大戸選手やトライゲッターのマロツイタマ選手が出場できないのは影響が大きいと思います。ただ大学生の2人が躍動すればチームに勢いを与えます!この先ブルーレヴズを引っ張っていく若手のプレーが楽しみです」
その若手とは・・・早稲田大学の槇 瑛人選手と京都産業大学の家村 健太選手です。
チームに合流しておよそ3週間。2人の大学生選手に話を聞きました!
ウィング 槇 瑛人選手!注目はスピード!
まずは、前節、後半途中出場を成し遂げた槇選手。
早稲田大学でも活躍し、大学選手権ではチームの主力として準優勝に貢献しました。
ポジションはウィング。アタックの際はタッチラインに近いところに位置して、快速を飛ばしてトライを奪う役割があります。
「トライを取る"嗅覚"が感じられますよね。それに足腰がしっかりしている印象です。トレーニングマッチですでに活躍していますが、相手がサンゴリアス。
強豪相手にどれだけ戦えるかが楽しみです。」
「前節ではボールタッチができなかったので、どんどん積極的に外からボールを呼んでボールを触りに行って、自分の持ち味である強いキャリーというところを出して、トライを取りたいなと思います」
「スタメンデビューの強豪・サンゴリアス戦は、すごいビッグマッチだと思います。しかもヤマハスタジアムで、スタメンで起用されるのは本当にありがたいです。自分にとってもいい経験に繋がるのかなと思っているので強気でプレーしたいですね」
槇選手のジャージは、赤と黒から静岡ブルーレヴズの青に変わり、
「青のジャージはどうですか?」ときいてみると・・・。
「全く違う色ですよね(笑)最初は似合うのかなと思ったりしたんですけど、このかっこいいジャージに似合う男になれるように頑張っていきたいと思います」
最後に静岡ブルーレヴズのファンに向けて、メッセージをもらいました!
「早稲田大学から来ました。WGの槇 瑛人です。サンゴリアス戦ではたくさんボールを呼んで、自分の力強いランを出していって、トライを取りたいと思います。
応援よろしくお願いします!」
レヴズスタイルは自分にピッタリ!
スタンドオフの家村 健太選手!
京都産業大学の家村 健太選手もスタメン出場です。
ポジションはスタンドオフ。キック、パス、ランを瞬時に判断して、バックス陣を率いて攻撃を指揮するポジションで、いわゆる“チームの司令塔”です。
「非常に能力の高い選手です。キックを主体にゲームを組み立てられるので、ブルーレヴズのラグビーに合っています。
スタメン起用ですが、高校・大学ともに、下級生から出場しています。先輩たちと試合に出ることに慣れていますし、大舞台に強いと思いますね。期待です!」
最初に、スタメン起用を聞いた瞬間の気持ちを尋ねると、表情が一気に明るくなりました。
「"きた!"という気持ちでしたね。
本当に試合に出たい気持ちでいっぱいだったので…でも緊張感もあって、正直発表されてからはラグビーのことしか日常生活で考えられなくて(笑)練習と試合のことしか、考えていないですね」
セットプレーを持ち味にしている静岡ブルーレヴズのスタイルは自分に合っているといいます。
「持ち味はキックです。そのなかでゲームをコントロールするスタンドオフなので、FWを前に出したり、チームを作っていくプレーをしていきたいと思っています。
ブルーレヴズはセットプレーに強みがありますが、京都産業大学も同じスタイルでセットプレーを強みにしています。
キックとかFWを前進させるプレーもしていたチームなので、相性がいいと思います」
さらに。このWEB特集➁でもお伝えした、
スクラムハーフ・ブリンホール選手との連携も大事になってきます。
「英語が得意じゃなくて…(笑)日本語が話せない選手とプレーするのが初めてなんです。ブリンホール選手はできる限り簡単な言葉を使って伝えてくれます。いつも積極的に声をかけてくれますし、自分の考えも聞いてくれます。試合中もコミュニケーションをしていくことは重要だと思います」
堀川ヘッドコーチにも聞きました。
「彼らならいける!と思いました。数年前から見ていて、プレーはもちろん、人間性もしっかりしています。槇選手はボール持ったら、1人、2人抜いていきますよ。楽しみにしてください(笑)。
家村選手も練習で非常に状態がいいし、全く問題ないと思います。あまり多くの仕事を与えすぎずに、自分のプレーに集中してほしいと思います。本当に楽しみです」
練習後、堀川HCが家村選手に走り方の指導。
先輩たちが練習に付き合い、ベテランの伊東力選手がお手本を見せるところも。
ブルーレヴズが築き上げてきたラグビー。経験のある選手が若手に指導して、受け継がれていく。
大学生2人の活躍に期待です!
砂村さんは1993年の大学選手権からNHKのラグビー解説。(わたしはその年に生まれました)
いつもラグビーのことを優しく教えてくださいます。
NHK静岡では2023年2月25日(土)午後2:05~
静岡ブルーレヴズ 対 東京サントリーサンゴリアスの一戦を砂村さんの解説で、ラジオ第1で生中継します。
選手へのインタビューや取材のこぼれ話など、この静岡WEB特集でも発信予定です。