「てれまさ」羽生結弦さん生出演プレーバック<後編>
4月14日、仙台市出身でフィギュアスケーターの羽生結弦さんが「てれまさ」に生出演しました。
羽生さんの名場面、フィギュアスケーターとしての現在や今後に迫ったロングインタビューを3回シリーズで振り返ります。最終回の3回目は、みなさんからの質問を集めたインタビューのうち、羽生さんの素顔やこれからの活動について、そしてサプライズ満載のエンディングをお伝えします。
<たまには○○を食べたい! よく見る夢は?>
Q、スケート以外のことを伺っていきます。自分へのご褒美は何ですか?
羽生さん ご褒美は、炭酸飲料を飲むことですかね。ただ、アイスショーが近くなると糖質を控えたり化学的なものをちょっとやめたりするんですけど、アイスショーの長丁場が終わったり自分がすごくメインで考えていたものが達成できたりすると、炭酸飲料飲みたいなあ、とか、ちょっとジャンクなものを食べたいなあ、とか(笑) |
Q、これを食べると元気になるという好きな料理はありますか?
羽生さん 基本は、好きな料理はギョーザなんですけど、例えばカップの焼きそばとか、たまに食べたくなりますね(笑) |
Q、ありますよね、私はしょっちゅうですけど。
このような質問も来ています、「スケート以外で最近はまっていることを教えてください」
羽生さん スケート以外・・・結局スケートにつながっちゃうんですけど、ちょっとダンスの勉強を頑張っていて、我流でしかないんですけど、いろんな方々の自分がかっこいいなと思うダンスや自分が目指したいなと思うダンスをすごく勉強していることがはまりですね。 |
Q、「羽生選手は寝ている時に見た夢を覚えているほうですか?印象的な夢とかありますか」という質問もあります。
羽生さん 基本はそんなに覚えていないんですけど、ただ、小さい頃に僕はディズニーランドに行っているみたいなんですけど、小さすぎて覚えていないはずの記憶が夢の中に出てきたりとか、あとは、例えばインフルエンザや高熱の時はだいたい同じ夢を見るんですけど、なんかわからないけど、弓矢を放っている夢を見ます(笑) |
Q、なんでしょう、そこにも芸術性を感じてしまうのは私だけでしょうか(笑)
<目標と目的があれば続けられる>
Q、これはスケートをずっと続けてきた羽生さんに聞きたいという質問です。「私は飽き性で物事を長く続けられません。どうすれば続けられるのか教えてください」
羽生さん 楽しい、と最初は思えると思うんですけど、飽きてくると楽しくないと思うんですよね。ただ、なんかそこに目標や目的があれば続くし、僕も飽き性なのでそんなに続かないんですけど・・・目的がないんだったら飽きてもいいのかな、というのは正直思います。飽きちゃったとしても、新しい目標が立って、新しいものができているんだったら、もうそれでいいのかなって自分は割り切っちゃいますね。 |
Q、ちなみに、スケートは飽きたと思ったことは?
羽生さん あります、あります。もうやめたい、ということは、最初から思っていました。僕は練習に行くたびに先生に怒られて、ずっと泣いて。泣きに行っているようなものだったので、もはや。もうやめたいな、野球やりたいなって思っていたんですけど(笑)でも、なんか、続きましたね。でも、目的と目標はずっとありましたし、あと、みなさんに支えられているからこそ自分がやりきらなきゃ、という気持ちは常にありました。 |
<前に進む原動力のことば「頑張って」>
Q、そこでやめなかったからこそ、オリンピックの2連覇や今があるわけですね。では、あえてこれを聞いてみます。「もし自分の過去に戻れる機会があればいつに戻りたいですか?その時、自分に言いたいことはありますか?」
羽生さん 1歳か2歳くらいの自分に戻りたいですかね。なんか、いまだに僕は、赤ちゃんの頃の夢の中で過ごしているんじゃないか、と思うことがたまにあって(笑)「これ夢じゃないよ」「でも大変だけど頑張ってね」って言いたいな。 |
Q、大変だけど、「頑張ってね」、なんですね。
羽生さん そうですね。自分、「頑張って」という言葉がすごく好きで。「頑張って」って、前に進む原動力になることばだと僕はすごく思っているんですね。だから、ちゃんと声がけしてあげたいなと思います。 |
<10年後の自分 実力を測り続ける>
Q、過去のお話が出ましたが、「10年後の自分はどのようになっていらっしゃると思いますか」という質問がありました。
羽生さん スケートには携わっていると思います。いま自分で振り付けをしていろんなプログラムを作ったりしていますし、実際に10年後、例えば「オペラ座の怪人」などいろんなプログラムたちが、表現としてどう変わっているのかな、ということを今の自分は楽しみにしています。 |
Q、この前のショーでは体操の内村航平さんとコラボレーションしていました。幅を広げていくという感じですか?
羽生さん 幅というか知識が広がっているだろうなと思いますね。いろんなことを経験して、いろんなことを学んでいって、そうすると表現したいものや情景などそういったものの細部がより深くなったりとか方向がちょっと変わったりすると思うので、同じプログラムだけどまた違った表現みたいなものがまた楽しみだなと僕は思っています。 |
Q、「競技用の振り付けをすることはありますか?」という質問もありました。
羽生さん 基本的にたぶん自分の振り付けしかしないんじゃないかなといまは思っていますね。自分がユーチューブに上げた「僕のこと」というプログラムがあるんですけど、それはほぼ競技用のプログラムとして自分で一から作って、ジャンプの内容もほぼ世界選手権とか今の競技で戦えるくらいのものを入れています。そういったものは、自分のレベルを上げるためにも、そして競技としてやっていけるんだという自分の実力を測っていくためにも、作り続けていきたいなと思います。 |
<コラボは「羽生結弦としてやれるすべてを出せる相手」と>
Q、「こんなコラボをしてみたいというのはありますか?」という質問もありました。
羽生さん その機会をいただければコラボはしたいと思うんですけど、どんなコラボであっても、やっぱり、フィギュアスケーターとして、羽生結弦として、やれるすべてを出せる相手であれば、いくらでも誰でも、という感じですかね。 |
Q、いまこんなことをやりたいと思いついているものはありますか?
羽生さん ・・・特にないですかね。東京ドームの公演で自分はやりきることをやってきたので、アイデアが空っぽなんですよね。ただ、例えば、フィギュアスケートは体力的な問題があって、3分とか4分とかのプログラムが多いんですけど、20分くらいのプログラムを作ったら楽しそうだな、とか。より芸術的で、ちょっと難解かもしれないけど、ちょっとオタク向けというか“表現オタク”的なプログラムを作ってみたら楽しいかなというのは思っています(笑) |
Q、アイデアは、いつ、どのような形で降ってくるんですか?
羽生さん 僕は、違う方々の演技を見ている時ですかね。こういうのもあるんだ、とか、これもいけるな、とか、あとはフィギュアスケートだけじゃなくて、いろんな興味のあるジャンルのダンスや音楽とかそういうところからですかね。 |
<フィギュアスケートでの表現で恩返しを>
Q、ことし宮城でのアイスショーもありましたが、「今後、地元との関わりを含めて宮城県とどう関わっていくか聞かせてください」という質問がありました。
羽生さん やっぱり3月11日に滑ったことは、自分の中ですごく大きかったです。もしまたこういう手応えが得られるようであれば、こういう活動をこれからも続けていきたいですし、やっぱり僕にとって、表現の手法、一番伝えられるもの、自信があるものは、フィギュアスケートでの表現なので、できるだけフィギュアスケートで恩返しができるようにしたいなと思います。 |
Q、プロになって宮城に関わる時間は増えましたか?
羽生さん 地元(テレビ)局にいっぱい行かせていただきましたね、きょうも含めて(笑) 練習の時間もまた増えているので大変ではあるんですけど、こうやって、自分が大好きな場所で、大好きな人たちに囲まれながら過ごすのは幸せなことですね。 |
Q、宮城でここが好き、仙台でここが好き、というところは?
羽生さん 都会過ぎない、というところは好きですかね。仙台駅周辺や定禅寺通(じょうぜんじどおり)とか、都会なんだけど緑がある、みたいな。いろいろな都市を回っていると、こんな所ないな、というのをすごく思うんですよね。僕は自然がすごく好きなので、「光のページェント」にまた行きたいなあ、見に行きたいなあって思っていますね。 |
<緊張は最高の精神状態>
濃密なインタビューを終え、番組はエンディングへ。プロという新たなステージを歩んでいる羽生さんから、新年度が始まり新生活をスタートさせた方も多いであろうみなさんにメッセージをいただきました。
羽生さん 新生活で不安なこともたぶんあると思いますし、新しい環境ということだけでも緊張することがたくさんあると思います。僕自身もすごく新しい環境でいつも緊張しています。 でも、緊張することは全然悪いことじゃなくて、いつも以上に結果が出せる最高の精神状態だと思うので、ぜひ楽しんでください。 |
<勉強中のダンス披露>
この日最後の質問、「いま新たに勉強していることや、今後勉強してみたいことがあれば教えてください」という問いに対し、羽生さんは「恥ずかしい!」と顔を手であおぎながらも勉強中というロボットダンスを披露しました。
<やっぺぇと○○>
そしていよいよ、番組オープニングで視聴者のみなさんに投票を呼びかけた「やっぺぇと○○」の結果が発表され、わずかの差で「羽生さんおまかせ」が選ばれました。
羽生さんは何をやってくれるのだろう?
みんながどきどきしたその直後、羽生さんは「いくで」のかけ声と共にその場で軸のぶれない美しいジャンプを披露。
さらに羽生さんは「・・・からの?」とやっぺぇにいざない、やっぺぇが負けじとジャンプを成功させました。
<締めくくりは「ゆづっぺぇ」>
しかしここで終わらないのが、私たち「てれまさ」です。番組スタッフが「ゆづっぺぇ」として用意していたやっぺぇのかぶり物を羽生さんに手渡しました。すると羽生さんは「まあ、僅差だったんでね」と、あっという間に「ゆづっぺぇ」に変身。「恥ずかしい~」と連呼しながらも視聴者のみなさんにサプライズを届けていました。
視聴者の質問にも、私たち番組スタッフのリクエストにも、最後まで快く応じてくれた羽生さん。岩野アナウンサーが「これに懲りてもう番組に来ないということは?」と恐る恐る聞くと、「ないです、ないです。もちろん、また呼んでください!」と、ゆづっぺぇ状態で即答してくれました。
仙台が生んだスーパーアスリートは、多くの人たちを引き付ける存在だと改めて実感した50分間でした。
羽生結弦さん、お忙しい中、本当にありがとうございました!
放送終了後の感想を聞きました
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