小室淑恵さん 少子化対策たたき台 “長時間労働是正の取り組み不十分”

政府の少子化対策のたたき台について、働き方改革のコンサルティングを行う小室淑恵さんは少子化対策の優先順位を上げて取り組む姿勢は評価する一方、長時間労働の是正に向けた取り組みが不十分だと指摘しました。

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3月31日に政府がまとめた少子化対策のたたき台について、働き方改革のコンサルティングを行う「ワーク・ライフバランス」の小室社長は、NHKのインタビューで「過去にないくらい思い切って優先順位を上げ、少子化対策に向かう姿勢が誰が見ても分かるようになっている」と評価しました。

一方「第2子以降の出生率を上げるには、男性の家事・育児時間が長くなければならず、育休取得が重要になる。有効な手段まで示されているかと言えば怪しい」と指摘しました。

また、小室さんは「現状の日本とほかの国との違いは、長時間労働社会に女性を合わせているのか、男性を家庭に戻して仕事と子育てを2人で行うようにしたのかという違いだ。この社会設計を見直さないまま、『保育所が足りない』
『延長保育代を補助すべきだ』などと、ばんそうこうを貼っているのが 日本の状態だ」と述べました。


その上で「海外では、労働時間を短縮した企業に、社会保障費の負担を軽減する措置を行っている。育児の当事者だけではなく企業などに向けた仕組みを入れるべきで、そうすれば、取引先も上司も同僚も変わる。 当然、育児や介護などもしやすくなる」と述べ、長時間労働を是正した企業などに対する優遇策を提案しました。