閣改造
海外メディアの反応は

安倍総理大臣の内閣改造について、海外のメディアも今後の政権運営の見方を伝えています。

このうちAP通信は、先月の自民党の総裁選挙で、安倍総理大臣が3選を果たしたものの、「党内での影響力を強固なものにしなければならない」と伝えたうえで、「閣僚の半分以上に腹心を起用することで念願の憲法改正を前進させたい考えだが、ハードルは高いままだ」と報じました。

またロイター通信は、先月30日の沖縄県知事選挙で、自民党が推薦した候補が、野党が支援した候補に敗れたことを「安倍政権にとって打撃だ」と伝えました。さらに、19人の閣僚のうち女性が1人しかいないことについて、「安倍総理大臣は女性の社会進出を推し進める『ウーマノミクス』を推進しているが、中身が伴っていないことが露呈した」とする専門家の意見を伝えています。

中国メディアは

中国国営の新華社通信は、顔ぶれを詳しく伝えたうえで、憲法改正と来年の参議院選挙に対応するために安倍政権の求心力を高めることを目的とした布陣だとする見方を伝えています。

この中で、憲法改正に関連して、自民党の憲法改正推進本部長に下村氏を起用し、総務会長に加藤氏を起用したことに触れ、2人とも安倍総理大臣と関係が近く、憲法改正を加速させるための布陣だと指摘しています。

また、参議院選挙に関連しては「盟友の甘利氏を選挙対策委員長に選んだ」と指摘し、今回の人事について「選挙対応と憲法改正の加速が安倍政権にとっての2つの重要任務であることを示している」という分析を伝えています。

また、国営の中国中央テレビは、東京に駐在する記者の中継を交えて伝え、麻生副総理兼財務大臣や菅官房長官などが留任したことに触れ、安定と連続性を重視したとの見方を伝えたほか、初入閣が12人と安倍内閣として最も多くなったことを内閣改造の特徴だと伝えています。

韓国メディアは

韓国の通信社、連合ニュースは、外務大臣に河野氏が留任したことと、防衛大臣に岩屋氏が起用されたことを取り上げ、韓国との関係について伝えました。

この中で、河野氏も岩屋氏も、政策について安倍総理大臣と考えを同じくしているとして「北朝鮮問題では、韓国と協力する一方で、慰安婦などの歴史的問題で、韓国をけん制してきたこれまでの政策に大きな変化はないだろう」としています。

一方、公共放送のKBSは、岩屋氏が、自民党の安全保障調査会長などを歴任したことを紹介したうえで「改憲と集団的自衛権の行使に賛成した」として警戒感をみせました。

そのうえで、安倍総理大臣の内閣改造の狙いについては「内閣と自民党を掌握して憲法を改正する意図がある」とする見方を伝えています。