那覇市長選挙 自公推薦の知念氏初当選 オール沖縄は市長選7連敗

新人2人の争いとなった那覇市長選挙は自民・公明両党が推薦した元那覇市副市長の知念覚氏が初めての当選を果たしました。
選挙イヤーのことし、玉城知事を支えるオール沖縄は那覇市を含む7つの市長選挙すべてで支援した候補が敗れています。

那覇市長選挙の開票結果です。

知念覚、無所属・新。当選。6万4165票。
翁長雄治、無所属・新。5万4125票。

自民党と公明党が推薦し、これまでオール沖縄に支えられてきた現職の城間市長の支援を受けた知念氏が、オール沖縄が支援した元県議会議員の翁長氏を抑え、初めての当選を果たしました。

知念氏は、那覇市出身の59歳。

城間市長のもと8年近くにわたり副市長を務めました。
知念氏は選挙戦で那覇市役所に38年勤務した経験をアピールしたほか、コロナ禍で疲弊した地域経済の立て直しに取り組むことなどを訴えました。

その結果自民党や公明党の支持層を固めたほか、いわゆる無党派層の支持も得ました。

対する翁長氏は子育て政策の充実などを訴えましたが及びませんでした。

知念氏は「私は副市長として『市民のために市民とともに』という標語のもと8年間やってきた。城間市長から託されたと思っているので、市民目線はずっと貫き通していきたい」と述べました。

また、玉城県政について尋ねられると、「是々非々で臨んでいきたい。対立は考えていないので、那覇市の視点で県と交渉していきたい」と述べました。

落選した翁長氏は「これだけの差で負けたのはひとえに私の力不足です。オール沖縄の課題はみんなで検証していくことだと思う」と述べました。

当選が決まったあと城間市長は手製のバトンを知念氏に手渡し、今後の市政を託したとアピールしました。

城間市長は「推薦を受けた自民・公明の懐に入って、今後、知念さんがどう考えていくのか見ていきたいと思っている。沖縄の大事な基地問題は辺野古だけではなく那覇軍港もあり、辺野古はもちろんのこと沖縄県が抱えるさまざまな課題に対して、真摯に国と向き合ってくれると思う」と述べました。

沖縄 7市長選でオール沖縄が自公推薦に敗れる

選挙イヤーのことし、県内では那覇市をはじめ、名護市や宜野湾市など11ある市のうち7つの市で市長選挙が行われましたが、そのすべてでオール沖縄が支援した候補が自民・公明両党が推薦した候補に敗れる結果となりました。

玉城知事は、「私の力が及ばず申し訳ない。私たちに何が足りていなかったのか選挙結果をきちんと分析し、これからの私たちの政治的な活動で、市民・県民を幸せに笑顔にするために真摯に取り組みたい」と述べました。

投票率は47.05%で、前回・4年前の選挙を1.14ポイント下回りました。

出口調査 投票で重視したことは?

NHKの出口調査では、投票で何を最も重視したかを尋ねました。

それによりますと、▼「経済振興」が32%で最も多く、次いで、▼「教育・子育て支援」が27%、▼「医療・福祉の充実」が17%、▼「基地問題への対応」が16%、▼「その他」が7%でした。

このうち、▼「経済振興」と答えた人の70%台半ばが知念さんに投票したと答えました。
一方、▼「基地問題への対応」と答えた人の80%台半ば、「医療・福祉の充実」と答えた人の50%余りが翁長さんに投票したと答えました。

▼「教育・子育て支援」と答えた人は、およそ50%がそれぞれ知念さん、翁長さんに投票したと答えました。